舞台『フェードル』が開幕、大竹しのぶ、林遣都ら初日コメントと舞台写真

大竹しのぶ主演『フェードル』

1月10日(日)よりBunkamuraシアターコクーン(東京都渋谷区)にて、舞台『フェードル』が開幕した。1月8日(金)に開幕予定だった本作は、1月7日(木)に東京都などに発令された緊急事態宣言を受け、開催計画の見直し、および販売済みのチケットを全て払い戻し、改めて収容率50%までに設定したチケット再販売を行い、開演に漕ぎつけた。

舞台『フェードル』『フェードル』は、フランスの劇作家ジャン・ラシーヌがギリシャ悲劇『ヒッポリュトス』から題材を得て、1677年1月1日、ブルゴーニュ座で初演。1680年コメディ・フランセーズ(国立劇場)のこけら落としでも上演された17世紀フランス古典文学の最後を飾る金字塔的な作品。これまでにサラ・ベルナール、ヘレン・ミレンと各国を代表する名女優たちが演じてきた。フランスを代表する哲学者ヴォルテールをして「人間精神を扱った最高傑作」と言わしめた歴史的名作。

日本では2017年に大竹しのぶ主演、栗山民也の演出により、第52回紀伊國屋演劇賞の個人賞を受賞するなど高評価を受け、本年、大竹&栗山のタッグに、新たなキャストによる再演となった。

本公演は1月26日(火)までの予定。

キャスト&演出家コメント

舞台『フェードル』主演の大竹しのぶ、共演の林遣都、演出の栗山民也からのコメントは以下の通り。

大竹しのぶ初演の時に毎回感じた大きな濁流にのみこまれるような大胆で、スリリングな2時間。またあの体験ができると思う喜びでいっぱいです。この状況の中での幕開けは、正直に言って不安でもあります。それでも来てくださるお客様の為に一回一回を、一生懸命演じるだけです。うねる様な、湧き上がるエネルギーを同じ空間で共有できたら、それが明日への活力になるのなら、劇場のあるべき意味が伝えられたという事になります。劇場は今、絶対に必要なのかと問われれば違うかもしれません。
それでも私達は幕を開ける事を選びました。
万全の対策でお待ちしていますとしか言えませんが、あとは舞台の上で必死に生きるのみです。頑張ります。

林遣都無事に幕が上がるか分からない状況の中で、初日を迎えられたことを幸せに感じます。
大竹さんが高めてくださった士気のもと、細心の注意を払いながら稽古を重ねてまいりました。
演劇の力を信じ、情熱に満ち溢れ、純粋にお芝居と向き合い続ける今回の座組の皆さんと過ごした稽古期間は、僕にとってかけがえのないものとなりました。
観に来てくださる方一人一人に感謝し、大切に演じていきたいと思います。

栗山民也とにかく、火傷しそうな芝居です。初日を終えての実感です。
この戯曲のもともとはギリシャ劇に根っこがあるので、神だの怪物だのと現在の科学からは程遠いものに縛られていますが、不可解なわたしたち人間の感情ということで言えば、その遠い昔と何も変わらず、全く同じに惑い、悩み、ぶつかり、愛し合うことを繰り返しているのです。
この120分の物語を埋め尽くす、ジャン・ラシーヌの言葉の熱く激しい温度に身を任せ、その体験を楽しんでください。コロナの荒涼とした時代の中で、この熱いという皮膚感覚は、とても貴重で素敵なものです。人間って、なんて乱暴で繊細で、でも最後まで強く愛してしまう生き物なのでしょう。その世界の、そこにいる人間たちの限りない不条理の美しさを見つめてください。


■Information

『フェードル』

2021年1月10日(日)~1月26日(火)Bunkamuraシアターコクーン

舞台は、ギリシャ・ペロポンネソス半島の町トレゼーヌ。行方不明となったアテネ王テゼを探すため息子イッポリットは国を出ようとしていた。
一方、テゼの妻フェードルは病に陥っていた。心配した乳母のエノーヌが原因をききだすと、夫の面影を残しつつ、夫には失われた若さと高潔さに輝くイッポリットへの想いに身を焦がしていると白状する。
苦しみの末、フェードルは義理の息子に自分の恋心を打ち明ける。
しかし、イッポリットの心にあるのはテゼに反逆したアテネ王族の娘アリシー。
イッポリットはフェードルの気持ちを拒絶する。そんな中、テゼが突然帰還して・・・

作: ジャン・ラシーヌ
翻訳: 岩切正一郎
演出: 栗山民也
出演: 大竹しのぶ、林遣都、瀬戸さおり、谷田歩、酒向芳、西岡未央、岡崎さつき、キムラ緑子
主催・製作: テレビ朝日、産経新聞社、サンライズプロモーション東京
公式ホームページ: https://www.phedre.jp

チケット料金: S席12,000円
チケット発売先: イープラス https://eplus.jp/phedre2021/(Webのみ)
問い合わせ: サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日12:00~15:00)

【地方公演】
・石川公演(金沢市文化ホール)2021年1月30日(土)・31日(日)
・愛知公演(刈谷市総合文化センター)2021年2月6日(土)・7日(日)
・兵庫公演(兵庫県立芸術文化センター)2021年2月11日(木・祝)~14日(日)
・静岡公演(三島市民文化会館)2021年2月20日(土)・21日(日)