倍賞千恵子が主演を務める映画『PLAN 75』が2022年5月17日より開催される第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門に正式出品されることが決定し、本作が長編初監督となる早川千絵監督とキャストからのコメントが到着しました。
『PLAN 75』は、映画監督・是枝裕和が初めて総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』(18)の一篇『PLAN75』(以下、短編と表記)を新たに構築、キャストを一新した、早川千絵監督のオリジナル脚本による、自身初の長編映画。
本作は超高齢化社会に対応すべく75歳以上が自ら生死を選択できる制度<プラン75>が施行され、その制度に大きく翻弄される人々の姿が描かれます。
映画『PLAN 75』の第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門への正式出品は、2017年の黒沢清監督『散歩する侵略者』以来、日本人監督では5年ぶり。日本人女性監督としては、河瀬直美監督以来、2人目。4月14日発表時点では、本作が唯一、日本が製作している映画とのこと。本年度アカデミー賞®国際長編映画賞に輝いた濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』の快進撃は、昨年のカンヌ国際映画祭で日本映画初となる脚本賞を受賞したことから始まっており、世界各国から再び日本映画に対する注目が増していることが期待されるところです。
脚本・監督を務めた早川監督は、2014年に短編『ナイアガラ』にて第70回カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門に入選、ぴあフィルムフェスティバル(グランプリ)、ソウル国際女性映画祭(グランプリ)、ウラジオストク国際映画祭(国際批評家連盟賞)など数々の受賞歴を持っており、本作も昨年のベネチア映画祭の企画マーケットではすでに注目を浴びていたとのことです。
本作にて主人公・角谷(かくたに)ミチを演じるのは倍賞千恵子。共演には、昨年には映画『ヤクザと家族 The Family』、『東京リベンジャーズ』、『劇場版 きのう何食べた?』やドラマ「サ道2021」などに出演し、第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した俳優の磯村勇斗、『燃えよ剣』(21)やNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」などで重要な役どころを演じているたかお鷹、映画『サマーフィルムにのって』(20)、『由宇子の天秤』(21)で多くの新人賞を獲得している新進女優・河合優実、他にフィリピン出身で『メランコリック』(18)に出演のステファニー・アリアン、ドラマ「あなたの番です」(19)の大方斐紗子、俳優・演出家として活動する串田和美らが顔を揃えています。
2025年には日本の国民の5人に1人が75歳以上になると言われています(厚生労働省の資料によると、75歳以上の人口は2,179万人(18.1%)と予測されています)。世界中で起きている不寛容や人の痛みへの想像力を欠如への危機感とともに、命の尊さを静かに、そして強く訴えているという『PLAN 75』は2022年6月17日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開予定です。
早川監督とキャストからのコメント
倍賞千恵子【角谷ミチ役】「早川監督、おめでとう。粘り強く頑張った甲斐がありましたね。
私も『PLAN 75』に出演できた事を嬉しく思っています。
この映画を通して「どう生きるか?」を考えるきっかけになればと願っています。」
磯村勇斗【岡部ヒロム役】「とても光栄であり喜ばしい限りです。
改めて、早川千絵監督の作品に、俳優部として参加させて頂けたことに感謝しています。
早川監督、本当におめでとうございます。
『PLAN 75』が国境を越え多くの方に届けられることが嬉しいです。」
河合優実【成宮瑶子役】「この度は『PLAN 75』をすばらしい場所に選んでいただき、本当にありがとうございます。
カンヌということばの響きは、今の自分が辿り着く場所としてあまりにも現実味がなく、このとてもよろこばしい報せを聞いた今もまだ実感がありません。
早川千絵監督と倍賞千恵子さんをはじめ、この映画に力を尽くしたすべての人が残そうとしたものが画面に誠実に映っていること、そしてこの映画が観る人の心と映画の世界に新しい扉を開くような作品になってゆくことを強く願っています。」
早川千絵【脚本・監督】「喜ばしい知らせを受け、この映画にあらゆる形で関わってくださった一人一人の顔が浮かびました。
感謝の気持ちとともに、多くの方に見ていただける幸運をかみしめています。」
■Information
『PLAN 75』
2022年6月17日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度<プラン75>が国会で可決・施行された。様々な物議を醸していたが、超高齢化問題の解決策として、世間はすっかり受け入れムードとなる。
夫と死別してひとりで慎ましく暮らす、角谷ミチは78歳。ある日、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇される。住む場所をも失いそうになった彼女は<プラン75>の申請を検討し始める。一方、市役所の<プラン75>の申請窓口で働くヒロム、死を選んだお年寄りに“その日”が来る直前までサポートするコールセンタースタッフの瑶子は、このシステムの存在に強い疑問を抱いていく。また、フィリピンから単身来日した介護職のマリアは幼い娘の手術費用を稼ぐため、より高給の<プラン75>関連施設に転職。利用者の遺品処理など、複雑な思いを抱えて作業に臨む日々を送る。
果たして、<プラン75>に翻弄される人々が行く着く先で見出した答えとは。
倍賞千恵子
磯村勇斗 たかお鷹 河合優実 ステファニー・アリアン 大方斐紗子 串田和美
脚本・監督: 早川千絵
脚本協力: Jason Gray
エグゼクティブ・プロデューサー: 小西啓介 水野詠子 國實瑞惠 石垣裕之 Frédéric Corvez Wilfredo C. Manalang
プロデューサー: 水野詠子 Jason Gray Frédéric Corvez Maéva Savinien
企画・制作: ローデッド・フィルムズ
製作: ハピネットファントム・スタジオ ローデッド・フィルムズ 鈍牛俱楽部 WOWOW Urban Factory Fusee
配給・宣伝: ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト: https://happinet-phantom.com/plan75/
Twitter: @PLAN75movie #PLAN75
©2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee