タナダユキ監督登壇の『マイ・ブロークン・マリコ』最速試写会が開催

タナダユキ監督登壇の『マイ・ブロークン・マリコ』最速試写会が開催

平庫ワカのコミックを原作とした永野芽郁主演、タナダユキ監督による『マイ・ブロークン・マリコ』が本年9月の公開に先駆けての“最速試写会”がこのたび開催され、タナダユキ監督が登壇しトークが繰り広げられました。

原作の「マイ・ブロークン・マリコ」は、2019年に無料WEBコミック誌「COMIC BRIDGE」で連載(全4回)され、毎話SNSでトレンド入りし、翌年出版された単行本(全1巻)は即重版が決定するなど、爆発的な反響を呼びました。また、「輝け!ブロスコミックアワード2020」大賞を受賞、「この漫画がすごい!2021年オンナ編」第4位にランクインしたほか、2021年に文化庁が主催するメディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞するなど、ほぼ無名に近い新人作家の初連載作にも関わらず、異例の快挙を成し遂げました。

この度、『マイ・ブロークン・マリコ』の最速試写会が実施され、トークショーにはタナダユキ監督が登壇。
繰り広げられたトークをQ&A形式でお送りします。

Q 原作を知ったのはネットショッピングのおすすめ欄で、発売2日後には出版社にアタックをしたとのことで、自分が映画化しなければならないというような使命感があったのですか?

タナダユキ絶対に映画化したい!という気持ちで、漫画から受けた衝動をそのままに突っ走った感じでした。原作権を取るのはすごく大変で、自分がどんなにやりたいと思っても叶わないことも多いんです。だけど、この作品は本当にダメと言われるまで最後まで追いかけたいと思って突き進んでいきました。

Q 主人公・シイノに永野芽郁さんをキャスティングしたのは?

タナダユキ誰にこの役を託せるんだろうと思った時に、絶対にお芝居がうまい人でないと難しいだろうと思っていて、打ち合わせの時に永野さんの名前が挙がったんです。今までの永野さんの作品では見たことの無いような役だったので、私自身もシイノを演じる永野芽郁さんを見てみたいと思いました。原作の持っているイメージを仰々しく見せない、という点を監督として大切にしていました。シイノの空回っている姿に、深刻なのに思い詰まらなくて済む感じがあったので、それを背負える俳優と考えると永野さん自身が持っている軽やかさが、きっとこの作品に良い作用をもたらしてくれるんじゃないかなと思いました。

Q 奈緒さんのマリコ役についてはいかがでしょう?

タナダユキ観る作品観る作品全然表情が違うので、以前からずっと気になっていました。私は知らなかったのですが、永野さんと実生活でもすごく仲が良いらしくて、これはある意味はじめましての人同士よりも良い影響をお互い与え合うんじゃないかなと思いました。

Q ではマキオ役の窪田正孝さんは?

タナダユキ窪田さん演じるマキオは、原作の中でセリフも少ないのですが、ちゃんと傷ついて生きてきた人なんだなということが垣間見ることができて、窪田さんだったら間違いなく任せられるなと思いオファーしました。

Q 劇中でマリコからシイノに送られた数々の手紙は奈緒さんの直筆とのことですね。

タナダユキ奈緒さんから自分で手紙を書きたいと言ってくれました。そんな風に作品の想いを大事にしてくれるので、こちらも大事に撮ろうと思っていました。字が原作に出てくる手紙とそっくりだったことには驚愕しました!

Q 永野芽郁さんと奈緒さんの没入演技が素晴らしいです。

タナダユキ現場で見ていると、彼女たちのお芝居をどう編集して、どう仕上げていったら最高の状態にできるのかというのが、最後の最後までプレッシャーでした。俳優さんに課されるのは、セリフの無い時にどういった佇まいでいるか、ということだと思います。そういう意味では今回すばらしい方々に集まって頂くことができました。

Q 脚本家・向井康介さんとは『ふがいない僕は空を見た』以来、映画では10年振りの再タッグとなります。

タナダユキ私が原作を好きすぎるからです。向井さんには、一歩引いた目で作品の事を見てもらえるだろうなと思い、お願いをしました。当時、原作のアナザーストーリーでマリコが亡くなる日のエピソードがあり、その部分を入れるか迷いましたが、向井さんと“これはマリコの死因を巡る話ではないよね”という話になり、作品にとって重要なポイントに立ち戻ることが出来ました。

Q 制作時に苦労したことは?

タナダユキ原作で印象的に描かれるロケーション探しです。海とススキが混在する場所が本当に無かったんですよ。2か所に分ける案もあったのですが、青森でやっと見つけたんです。ロケハンに行ったのが10月で、それは見事なススキで観光地もされていない場所だったのですが、撮影当日になると海風を受けすぎていて枯れていたんです。本当は東北の見ごろって10月だったんですね。そのままでも侘び寂びのあるススキだったのですが、やっぱりちょっと足りないねということになり、地元の方々の手を借りて別の箇所にあるまだ海風を受けてない元気なススキを刈り取って海辺の近くに刺していったんです。

Q 観客へのメッセージをお願いします。

タナダユキ皆さんの大事な人に是非勧めていただきたいです。


■Information

『マイ・ブロークン・マリコ』

2022年9月30日(金)、TOHOシネマズ日比谷ほかにて全国ロードショー

鬱屈した日々を送るOL・シイノトモヨは、テレビのニュースで親友・イカガワマリコが亡くなったことを知る。学生時代から父親に虐待を受けていたマリコのために何かできることはないか考えたシイノは、マリコの魂を救うために、その遺骨を奪うことを決心する。「刺し違えたってマリコの遺骨はあたしが連れてく!」。マリコの実家から遺骨を強奪、逃走したシイノは、マリコの遺骨を抱いて“ふたり”で旅に出ることに。マリコとの思い出を胸にシイノが向かった先は・・・

永野芽郁
奈緒 窪田正孝 尾美としのり 吉田羊

監督: タナダユキ
脚本: 向井康介 タナダユキ 
原作: 平庫ワカ『マイ・ブロークン・マリコ』(BRIDGE COMICS/KADOKAWA刊)
配給: ハピネットファントム・スタジオ/KADOKAWA 

文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会

公式サイト: https://happinet-phantom.com/mariko
公式twitter: @mariko_movie

(C)2022映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会 


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