OKWAVE Stars Vol.1001はミュージカル「日本の歴史」(2021年7月6日〜)に出演する宮澤エマさんへのインタビューをお送りします。
Q ミュージカル「日本の歴史」再演の話を聞いた時はどう感じましたか。
A宮澤エマ初演の時は私にとって初めての三谷幸喜さんの作品ということもあって、当初は不安もあったんです。稽古中も、もちろん楽しかったんですが、果たして自分がちゃんとついていけているのかが分からなかったですし、幕が明けてからもお客様がどのような反応をするのか未知数でした。それが公演が終わる頃には、「これは再演があるんじゃないか」と役者たちの中で話が出るくらい、お客様からの大きな反響が届いていました。三谷さんはあまり再演をされないと聞いていましたので、それがこうして再演すると聞いたときには「やった!」という気持ちでした。
やるからには前回を超えたいという気持ちです。それに、三谷さんのことだから前回と全く同じではないでしょうし、初演の自分を超える何かを突きつけてくださるんだろうなと覚悟しています。また、今回は新たに瀬戸康史さんが入られるので、再演ではありますが新しい作品に入っていくような感覚もありますね。
Q 再演を演じる部分ではどのような心構えで臨むものなのでしょうか。
A宮澤エマ2018年の初演から2年以上の年月が経っているので、いい意味で忘れていることが多いと思います。「そういえばこうだったな」と思い出すことがあったとしても、まずはもう一度セリフを覚えるところから始めます。好評だった前回を超えるものにしなくては、というプレッシャーもありますが、「再び」というよりは「新たに」という感覚に近いですね。
Q すでに三谷幸喜さんから言われていることなどはありますか。
A宮澤エマ今回の台本はいただいていて、この時点で初演と少し違っているところがあるんです。新しい歌も加わっています。三谷さんは「女の一生」「おちょやん」など私が出演した作品をご覧になっていて、「ここはこうした方がいい」といったアドバイスもいろいろと頂戴していました。そこからのインスピレーションで、何か再演で私に演じてほしいことも出てくるのではないかな、と感じています。
Q 前回の稽古場の様子と、今回はどんな稽古をしていきたいですか。
A宮澤エマ豪華なキャストで、しかも7人だけだったので、初演の稽古はすごく緊張していたんです。それが稽古を繰り返していくうちに段々とチーム感のようなものが生まれてきて「この船に乗ってみんなでがんばろう!」という気持ちになっていきましたね。中井貴一さんや香取慎吾さんをはじめ皆さんとてもフランクで、私が緊張しないように接してくださって、親睦を深めようと心を配ってくださいました。毎日稽古場に行くと新しいセリフが足されたA4の紙が置いてあったり、日々変化が多かったので、みんなでそれに立ち向かっていくことでチーム感が高まって、そんな素晴らしい雰囲気の中で伸び伸びやらせていただいていました。
今回、瀬戸さんが加わることでまた違う化学反応が生まれると思います。私と秋元才加さん、瀬戸さんは同い年なんですが、私たち若手が一生懸命先輩たちに食らいついて刺激し合えれば、今回も素晴らしい現場になるんじゃないかなと思っています。
Q 本作のミュージカルとしての特徴についてお聞かせください。
A宮澤エマ歌はすべて荻野清子さんのオリジナルです。三谷さんの作り出す世界観に寄り添うような素敵なメロディばかりです。ミュージカルは気持ちが高ぶって歌が始まることが多いのですが、この「日本の歴史」ではほぼそういった始まり方ではないんです。感情のままに歌いあげるものではないので、初演では、歌詞やキャラクターを大事に歌うということが私にとってはチャレンジでした。今回はもっと役を深めた、よりキャラクター性が伝わる歌を歌えたらいいなと思っています。
Q 日本の1,700年ほどの歴史を見せる本作ですが、ご自身が日本の歴史で興味のある時代はいつでしょう。
A宮澤エマ平安時代が好きです。私は子どもの頃から読書好きで、「源氏物語」を読んで学校に行くような子どもだったので、相当ませているというか、当時ちゃんと理解できていたとは思いませんが子ども心に平安貴族の生き方へのあこがれがありました。安定した時代が400年近く続いているのですごく文化が栄えた時代だったのかなとも思います。日本神話も好きで古事記に出てくる話にロマンを感じたりもしていました。平安時代の貴族の社会では女性が強い時代でもあったのかなと思います。女性の家に男性が嫁いできたり、女性は自由ではないにしても権力を持つことはできたし、ひらがなが生まれたのも平安時代です。「源氏物語」も女性が文化の一部を担える時代の始まりのひとつだったのかなと思うので好きな時代です。この「日本の歴史」では卑弥呼は出てきますが、三谷さんが興味がないのか(笑)平安時代は出て来なくて、一気に平清盛の時代になるんです。
Q 今回ならではの見どころとしてはどうお考えでしょう。
A宮澤エマ新しいキャストの瀬戸さんを迎えて必然的に新しいものになると思います。私が演じた役の恋人や旦那さん、私の子どもの役も演じられるので、初演とは違ったものを皆で作り上げていくと思います。お互いの信頼関係をベースにさらにパワーアップしていくでしょうから、また新たな「日本の歴史」の世界観が生まれるんじゃないかなと思います。
Q 宮澤エマさんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
A宮澤エマ昨年は演劇の存在意義を問われることが多かったですし、コロナと関係なく劇場の敷居は高いと言われがちでしたが、こういうときだからこそ、人と人が時間と空間を共有するということを、体全体で味わえるのが劇場だと思います。ストレートプレイもそうですし、ミュージカルは特に、歌にその人の魂や生き様を乗せるので、人の心に直に届く力があるのかなと思います。この「日本の歴史」は、アメリカ人の家族を描きながら、日本人とは遠い存在の彼らが実は自分たちとこんなに親しいんだと気づかされます。そして、知っているようで知らない日本の歴史にも気づける、日本人による、日本人のためのミュージカルです。こんなときだからこそ観ていただけると、日本人のエンターテイメントってこんなにすごいんだ、こんな世界があるんだと、劇場の外に出た時に、日常の見方が少し変わるんじゃないかなと思います。ふとした時に歌がリフレインしたり登場人物のことを思い出したり、感情移入できる人がたくさんいる作品だと思います。こんな時期ですが、ひとつのきっかけとしてぜひ観に来ていただけたらと思います。
■Information
「日本の歴史」
【東京公演】2021年7月6日(火)〜18日(日)新国立劇場 中劇場
【大阪公演】2021年7月23日(金・祝)〜30日(金)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
物語を行き交うのは、歴史上の偉人たちから市井の人々、テキサスの家族までの60人以上の登場人物たち!
有名無名に関わらず、その1人1人それぞれに語られるべき物語があり、歴史があるのが人間の営みです。
それを、中井貴一、香取慎吾、新納慎也、シルビア・グラブ、宮澤エマ、秋元才加の初演メンバーと、三谷演出『23階の笑い』(2020年上演)で活躍した新加入の瀬戸康史が演じ、歌い踊りながら、三谷幸喜渾身の壮大な大河ミュージカルを皆様にお届けいたします。
初演を楽しんでくださった方々にも、今回、初めてご覧いただく方にも、新鮮な驚きと喜びが待っている・・・。そんな唯一無二の歴史ミュージカルの再演です!
作・演出: 三谷幸喜
音楽: 荻野清子
中井貴一 香取慎吾 新納慎也 瀬戸康史 シルビア・グラブ 宮澤エマ 秋元才加
企画・製作: シス・カンパニー
https://www.siscompany.com/mitanisaien/
一般前売開始日: 東京公演2021年5月23日(日)10:00〜
SS席¥13,000 S席¥12,000 A席¥9,000 B席¥7,000 C席¥5,000
チケットぴあ: https://w.pia.jp/t/mitanisaien/
ローソンチケット: https://l-tike.com/mitanisaien/
e+(イープラス): https://eplus.jp/mitanisaien/
※大阪公演の一般前売開始日は調整中
■Profile
宮澤エマ
11月23日生まれ、東京都出身。
女優として幅広く活躍中。
2022年 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(作・三谷幸喜)出演する。
https://twitter.com/Emma_Miyazawa_
https://www.instagram.com/emmamiyazawa/?hl=ja
スタイリスト: 長谷川みのり
ヘアメイク: tamago