Vol.1005 俳優/映画監督 宏洋(映画『グレーゾーン』について)

映画監督/俳優 宏洋(映画『グレーゾーン』)

OKWAVE Stars Vol.1005は映画『グレーゾーン』(2021年6月4日公開)監督・脚本・主演を務めた宏洋さんへのインタビューをお送りします。

Q 本作の企画の経緯をお聞かせください。

A映画『グレーゾーン』宏洋私が映画製作の仕事に携わり始めたのは幸福の科学が手掛けたアニメ映画『仏陀再誕』の脚本を書いた19歳のときからです。非常に楽しい経験をさせていただいて評判も良くてその後も何本か映画の仕事に携わりました。その後、普通のサラリーマン生活を送る時期もありましたが、2017年に『君のまなざし』という映画で脚本と初めて役者として出演もしました。この映画は国際ニューヨーク映画祭で最優秀賞を頂いて、海外の方からも良い評価をいただけたんです。それもあって役者としてもお声がけをいただけるようにもなりました。本作に出演していただいた仁科克基さんが主演で西原愛夏さんも出演した舞台「遠山の金さん 天下を揺るがす女」にも出演させていただきました。
これまで関わってきた映画は幸福の科学が手掛けたものなので彼らの教義を入れる必要もありました。幸福の科学と決別した今回は自分が100%コントロールをした作品を世に出したくて、自分が監督、脚本、プロデュース、主演として初めて作ることにしたんです。

Q では本作を製作する上で大切にしたことはいかがでしょう。

A宏洋伝えたいメッセージをしっかり入れたいと思いました。とくにタイトルでもある“グレーゾーン”ということについて、自分の考えをセリフにもはっきりと入れました。世の中には悪いことをしたり人を不幸にしながらお金を得て、それを嘘で塗り固めてきれいに見せている人もいます。やはりまっとうな努力をしてお金を稼いだり評価されるべきだと思いますので、この映画ではそんな価値観を大切にしました。それと、極道の一家である黒崎家の3人きょうだいの生き様の描き方です。彼らがどんな人生を選び取っていくのかをメッセージとして描きました。

Q この黒崎家の3人の子どもたちは個性的ですね。

A宏洋好きなアニメのキャラクターをバカにされたときにだけキレるとか、とくに序盤はそんな他愛のない部分で譲れない3人のケンカのシーンが多いですが、彼らには100%本気で怒ってもらいました。彼らにとっては人生の命題ですが傍から見ると笑えるおバカさ加減は、私自身の弟や妹のささいなことでの争いごとを見てきたので、その要素を面白おかしく取り入れたんです。

Q ではその黒崎家の長女・一葉、長男・慎司、次女・美鈴のキャスティングについてお聞かせください。

A映画『グレーゾーン』宏洋3人の中では長女役の西原愛夏さんがまず決まりました。目がキリッとした格好良さが組長の娘役としてのドスの利いた演技に活きると思いました。それとアクションは初めてでしたが身体が柔らかいとのことで、鍛えたらきっとできるだろうと思ってキャスティングさせていただきました。
西原さんはこの映画が初のお芝居だったとのことでアクションの稽古から一緒にやりました。出番の多い役どころなので大変だったと思いますがとてもメンタルが強いんです。ダメ出しをされても翌日には元気に現場にやって来るポジティブな方でした。やはり目力がとてもよくて、出来上がった映像を見ていいキャスティングができたと思いました。
次に決めたのは黒条奏斗くんです。彼はクランクインの3ヶ月ほど前に「時代劇ミュージカル新撰組-狂宴哀歌-」で共演していました。殺陣もよく動けて、そのミュージカルでは披露していませんがとても歌も上手です。「時代劇ミュージカル新撰組-狂宴哀歌-」が初芝居とのことでしたが、その後にはミュージカル『テニスの王子様』への出演も決まったとのことで、きっと彼は今後もっと伸びるだろうと感じていたんです。役者になるために大学を中退して大阪から東京に出てきたとのことで、とても気概があるなと思っていて、今回声をかけさせていただきました。
奏斗くんも初の映像作品ということで、重圧は大きかったんじゃないかと思います。慎司は説明役でかつ早口でしゃべるキャラクターでしたが、見事に演じてくれたなと思います。演出する身としては一度共演してどんな事ができるか分かっていましたが、その期待に応えてくれました。
美鈴役はなかなか決まりませんでした。癖のある役なので一歩間違うとスベリ役になってしまうんです。美鈴の持つ独特のオンとオフの切り替えができる人でないといけないと探しているところに青山ひかるさんを紹介されて、お忙しい方だとも聞かされていたのでダメ元でオファーしたら快諾していただけました。
青山さんはグラビアアイドルのイメージが強いと思いますが、お芝居もたくさん経験されていて、こちらから何か言うこともありませんでした。西原さん、奏斗くんを引っ張っていってくれて、助けられましたし、キャスティングできてよかったなと感じています。

Q 監督に主演と、現場では大変だったのではないでしょうか。

A映画『グレーゾーン』宏洋自分が出ているシーンを自分でチェックするので単純に時間は2倍かかってしまい、スタッフへの負担は大きくなってしまったなと思います。とくに「宏洋の芝居がダメだったので撮り直します」と自分にダメ出しするのが気まずかったです(笑)。日没などの関係で時間がないときには助監督の佐野さんらが状況を見て動いてくださったので、スタッフには感謝の気持ちでいっぱいです。そもそも私も初監督だったので、最初に「いろいろわからないことも多いですがよろしくお願いします」と宣言していましたので、撮影監督の藤本さんらも絵作りの提案してくれたり、状況を理解して先回りをして準備していただけました。人生で初めて絵コンテも描きました。藤本さんは最初は読み解くのにだいぶご苦労されていましたが(笑)、一週間くらい経つ頃には僕の考えを察した意思疎通ができるようになっていて本当にありがたかったです。

Q 本作を通じての新しい発見などはありましたか。

A宏洋こうして一作品を監督として撮ってみて、脚本や役者としての活動に比べて全体のことを考えることが多いものだと感じました。今回の撮影ではいろいろな都合で泊まりがけでの撮影ができなかったため、毎日早朝に集合してロケ地に移動していたのでスタッフ、キャストみんな負担が大きかったと思います。ロケ地選びも都内から日帰りできるエリアに限定されますし、9月の撮影だったので日没も段々と早くなる時期でした。その日に撮りきれなかった場合には脚本を書き直して調整することもありました。次回作ではもう少し余裕を持って、泊まりがけで撮影ができるようにしたいです。

Q 宏洋さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A宏洋この『グレーゾーン』を楽しんで観ていただきたいです。極道の映画というと、ハードな作品が多いイメージですが、この映画はお子さんも楽しめるように作りました。真面目なシーンもあれば、ふざけたシーンもある、明るい映画にしようと思って作りました。極道映画、アクション映画、ヒューマンドラマ、そして謎解きの要素もあります。何度か観ていただけますと前半の伏線の意味もより楽しめますので、ぜひ何度も劇場に足を運んでいただけたらと思います。

Q宏洋さんからOKWAVEユーザーに質問!

宏洋この映画は人気YouTuberさんがたくさん出演していて、主題歌もYouTuberのウタエル Utaelさんにお願いしました。皆さんが映画の中で見てみたいYouTuberさんは誰でしょう。次回作のキャスティングの参考にしたいです。

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■Information

『グレーゾーン』

映画『グレーゾーン』2021年6月4日(金)よりシネマハウス大塚ほかにてロードショー

関東に君臨する極道、黒崎家と白川家。彼らは長い間、敵対しており、今なお激しい抗争が絶えなかった。そんな中、黒崎家の当主・黒崎弦信が暗殺された。刑事が密かに容疑者とみなしたのは、黒崎家の後継者争いをしていた弦信の三人の子どもたち。黒崎家に拾われて使用人として働く灰原龍は、刑事の依頼で三人の情報収集をし始める。だが、その事件の裏には、世代を超えて家族が抱える深い闇と秘密が潜んでいた・・・。

宏洋
西原愛夏 青山ひかる 黒条奏斗 和田奈々 浪花ゆうじ 絹張慶
仁科克基(特別出演) 中村ゆうじ

主題歌: 「灰色の空」(作詞:宏洋 作曲・歌唱:ウタエル)
監督・脚本: 宏洋

配給協力: アイエス・フィールド
製作・配給: 宏洋企画室

公式サイト: http://www.is-field.com/g-zone/
公式ツイッター: https://twitter.com/grey_zone_movie

©2020 宏洋企画室.


■Profile

宏洋

映画監督/俳優 宏洋(映画『グレーゾーン』)1989年2月24日生まれ、東京都出身。
脚本・主演・プロデュースを務めた映画『君のまなざし』(17)が国際ニューヨーク映画祭で最優秀長編作品を受賞。役者として、「時代劇ミュージカル新撰組 狂宴哀歌」(19)に桂小五郎役、舞台「遠山の金さん 天下を揺るがす女」(21)に黒田兵庫役で出演。アクション作品への出演が多く、悪役や三枚目の役柄を得意とする。

https://twitter.com/hiroshi2ndsub

ヘアメイク:伊藤里香


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