Vol.1006 いまおかしんじ、小槙まこ(映画『葵ちゃんはやらせてくれない』)

いまおかしんじ、小槙まこ(映画『葵ちゃんはやらせてくれない』)

OKWAVE Stars Vol.1006は映画『葵ちゃんはやらせてくれない』いまおかしんじ監督と主演の小槙まこさんへのツーショットインタビューをお送りします。

Q 映画化の経緯についてお聞かせください。

A映画『葵ちゃんはやらせてくれない』いまおかしんじ撮影は昨年の6月、1回目の緊急事態宣言が明けてすぐです。企画はそれよりも半年くらい前に「何か企画はないですか」という話があって。“死んだはずの川下さんが蘇る”という企画は以前にも『川下さんは何度もやってくる』という映画を撮っていて、これをシリーズにしてライフワークにしたいなと思っていました。それで新しく書いていたシナリオがあって、提案したのが始まりです。

小槙まこ葵ちゃん役にはオーディションで選んでいただきましたが、台本を読んだ時は、川下さんが蘇って、過去にタイムスリップするのが面白いなと思いました。どんな映像になっていくのかは予想できなかったので、撮影が始まるのが楽しみでした。

Q 葵ちゃん役についてはどのように受け止めましたか。

A小槙まこ葵ちゃんは母子家庭で育っていて恋愛に踏み込めない子、と私の中で勝手に裏設定を考えていたら、現場で監督から「もっとヒロイン感を出して、かわいらしくして」と言われたんです。私との共通点も持たせたいとも思っていたので、私は家族を大事にしているので、そこから葵ちゃんも家族を大切にしていて、思いやりのある心の優しい子にしようと切り替えました。

Q 「葵ちゃんとやりたい」という川下さんが蘇る理由についてはどう受け止めましたか。

A小槙まこ蘇るということ自体が現実にはないと思いますが、台本を読んだときはその設定も「あ、そういう世界観なんだ」と素直に面白いと受け止められました。

いまおかしんじタイムスリップものの映画は他にもたくさんあるのでこの設定自体は無理なく観られるかなと思っています。そこに僕の個人的な経験が加わっています。大学時代の川島さんという先輩が40歳を前に自殺してしまったんです。すごくショックな出来事でしたし、自分の身近な人が亡くなるのも初めてだったので、こんな人がいたということを伝えたいと思って、映画監督としてはそこにフィクションを載せてできればいいのかなと思いました。
この“川下さんが蘇る”という設定は、出会う女性が変われば何回でもできるなと。それで今回は僕も先輩も映画研究会だったのでその設定にしました。映研には“あおえちゃん”という先輩が好きだった子がいたので、そういう実際にあった出来事をフィクションでコーティングしてできたのがこの映画です。先輩が死んでしまった本当の理由は分からないので想像するしかないですが、生前「セックスしたい」とずっと言っていたので、その思いは残してあげたいなと思いました(笑)。

Q では、川下さんとのシーンは演じてみていかがでしたか。

A映画『葵ちゃんはやらせてくれない』小槙まここの映画の中で川下さんは3回蘇ってもいつも一途な気持ちでいますが、葵ちゃんは気持ちが動かされることが多かったんです。川下さんのモデルになった方がいらしたことは今初めて聞いたのですが、何でこんなに気持ちを動かされてしまうのだろうと演じながら思っていたので、監督の先輩のお話を聞いてすごく納得できました。

いまおかしんじ台本を書いているうちに、葵ちゃんも川下さんのことを好きなのではと思い始めたんですね。そんなふたりの好き同士なのにうまくいかない話にしようと変えていったところはあります。

小槙まこ学生だと両思いでもすれ違ったりしますよね。

Q 川下さん役の森岡龍さんらとの共演についてはいかがでしたか。

A映画『葵ちゃんはやらせてくれない』小槙まこ皆さんと初共演だったので、私は人見知りで距離を縮めるのが苦手ですが、森岡さんはよく話してくださる方で、役やシーンのことも積極的に話していただいたので、大きな存在でした。

いまおかしんじ森岡くんらとは以前に別の映画で仕事しているので、お互いに分かっているところもありますし、先輩の話もしましたがそれに因われずに役の中で自由に演じてほしいと伝えました。以前に撮った『川下さんは何度もやってくる』の川下さん役の佐藤宏さんはすごく太っていたんです。森岡くんから「合わせた方がいいですか」と聞かれたので「今回は別の話だから合わせなくていい」と言っていたんですが、コロナ自粛明けの撮影だったからか、森岡くんは太っていて(笑)。役作りではなく「2ヶ月自粛していたら太っちゃった」ということでした。

Q 2曲歌も披露されましたがどちらも印象的です。

A小槙まこ歌はこれまで仕事で何度かはありましたが、本格的なのは初めてで、ギターもこの撮影で初めて弾いたんです。

いまおかしんじ失敗してもいいから無茶振りを重ねようというのが今回の狙いでした(笑)。それでミュージカルぽいものにも挑戦しようと。歌詞も自分で書きましたが、以前に「歌詞もセリフと同じだ」と言われたことがあるので、そういうつもりで書きました。

Q 映研のシーンは、BBQなど楽しそうでしたね。

A小槙まこ学生に戻った気分になりました。というより、私はサークル活動をしていなかったので、何かサークルに入っていたらこういう気分になれたのかなと思いました。BBQのシーンはアドリブが多くて、誰かしら焼けてないお肉を食べさせようとしたり、見えないところでイタズラしてくるんです(笑)。でもあのシーンがあったからこそ、みんなと仲良くなれたと思います。

いまおかしんじ三上寛さん以外は若い人しか出てこないから、みんなが楽しそうにしている輪に入れないなと思っていました(笑)。

Q ラブシーンについてはいかがだったでしょうか。

A小槙まこ初めてだったので、どう演じるのか、どんな演出がつくのかも現場でしか分からなかったので、始まる前は緊張もしましたし、“頭真っ白”でした(笑)。でも、監督がどのシーンよりも丁寧に演出してくださいました。服を脱ぐということだけでも難しいのですが、どういう順番がいいのかから細かく演出していただけました。

いまおかしんじラブシーンは難しいです。ある種のサービス的なセクシーさを伝える部分とお芝居としての感情表現も伝えなければならないです。本当は食事するシーンと同じように自然に撮れればいいなと思いますが、僕も毎回頭真っ白になっています。
昔ピンク映画を撮っていたときは、60分の作品でフィルムを4回替えることから、15分に一回ずつセックスシーンを、といったお願いをされていました。今回はそういう縛りもありませんし、ラブシーンがストーリー上の流れでふさわしいところにあればいいと思っているので、全体のバランスなどはあまり考えていなかったです。

Q この映画を通じて恋愛観についてはどう感じましたか。

A映画『葵ちゃんはやらせてくれない』小槙まこ恋愛はこの人のために何かしたい、というのが大事なのかなと思います。葵ちゃんは、川下さんのために、と思っているうちに自分の中でも気づかないうちに川下さんに対する気持ちが変化していくので、それが恋愛には大事なのかなと思います。それと台本を読んだ時点では感じなかったのですが、純粋な葵ちゃんが積極的になっていくのは、川下さんの力もあるのだろうなと。演じていて葵ちゃんの心の変化が感じられました。

いまおかしんじモデルになった先輩は亡くなる40歳手前まで素人童貞だったので、「何で世の中の女性は先輩にやらせてくれないんだ」と思うところがあって、これはセリフにも入れましたが、ちょっとした女性への敵意があるんです(笑)。だからこそ恋愛は奇跡的なことですし、うまくいくことは難しいことなんだと、そういう要素を映画の中に入れました。たとえ幽霊であっても、全然うまくいかなくても、明日につながる希望のようなものを感じられればいいなと思って、台本でも現場でも手探りでやってきました。

Qいまおかしんじ監督、小槙まこさんからOKWAVEユーザーに質問!

いまおかしんじ「ゆいま~る」という沖縄の言葉を聞いたことがありますが、意味を忘れてしまいました。検索して調べてもいいのですがそうするとまた忘れそうです。いい機会なのでぜひ教えてください。

小槙まここの映画にちなんで、皆さんの忘れられない恋愛をお聞かせください。

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■Information

『葵ちゃんはやらせてくれない』

映画『葵ちゃんはやらせてくれない』2021年6月11日(金)より6月17日(木)までシネマート新宿限定レイトショー
6月19日(土)より6月25日(金)まで大阪シアターセブンにて1週間限定公開

映画監督志望の男・信吾の前に、1年前に自殺した大学時代映画研究部の先輩だった川下さんの幽霊が彼の命日に突然現れる。川下さんが語るには、大学時代に片思いをしていた後輩・葵ちゃんとセックスがしたくて蘇ってきたのだという。川下さんの葵ちゃんとやりたいという願いを叶えるため、もしかしたら川下さんが葵ちゃんとやれる唯一のチャンスだった大学時代のあの日に、川下さんと信吾はタイムスリップする。そこには懐かしい大学時代の葵ちゃんがいた。果たして川下さんは過去をやり直し、念願の葵ちゃんとやる事ができるのか!?おかしくも、ちょっと切ないタイムスリップ・ラブストーリーが始まる。

小槙まこ 松㟢翔平 森岡龍
佐倉絆 三嶋悠莉 増田朋弥 田中爽一郎
三上寛

監督: いまおかしんじ
配給: キングレコード

http://aoichan-movie.com/

©2021キングレコード


■Profile

いまおかしんじ

いまおかしんじ、小槙まこ(映画『葵ちゃんはやらせてくれない』)1965年生まれ、大阪府出身。
映画監督として、数多くの作品を手掛ける。

https://twitter.com/Imaokashinji1

小槙まこ

1994年10月6日生まれ、大分県出身。
女優として映画やドラマ、舞台、CMなどに活躍中。

https://blue-label.jp/management/mako-komaki/
https://twitter.com/mako_komaki


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