Vol.1012 井上祐貴、木下彩音(映画『Bittersand』について)

井上祐貴、木下彩音(映画『Bittersand』)

OKWAVE Stars Vol.1012は映画『Bittersand』(2021年6月25日公開)主演の井上祐貴さんとヒロイン役の木下彩音さんへのインタビューをお送りします。

Q 台本を読まれて、どのように感じましたか。

A映画『Bittersand』井上祐貴学生時代のちょっと重い出来事が背景にあるので、それがどうなっていくのだろうと台本に引き込まれました。終盤から伏線がどんどん回収されていくのは個人的にも好きな作品です。高校3年生と25歳の暁人たちが同時に描かれていくので、一回読んだだけですべてを理解するのは難しかったですが、読めば読むほど面白さを感じました。

木下彩音監督のオリジナル脚本ということで、監督の実体験なのかなと思わせるリアルな話だったので違和感なく読めました。台本を読みながら、高校3年生と25歳の年齢差を演じ分けるのは初めての経験になるので、どう演じたらいいのか、学生時代と大人のギャップをどう見せられるかをすごく考えました。撮影のときも、学生のシーンと大人のシーンの撮影を行き来することもあって、気持ちの切り替えをしっかりできるように演じていきました。

Q 役柄についてはどう受け止めましたか。

A井上祐貴暁人は、見た目や存在感は薄いけれど、芯の強い人間だと感じました。きれいな思い出ではない過去に真正面から向き合っていくのは簡単なことではないです。むしろ避けて生きていきがちなのが人間だと思うので、そこに真正面から向き合っていく暁人たちは強いなと思いました。

木下彩音絵莉子とは似ているところが結構多いんです。私もあまり感情を表に出さないのと、自分で考えて答えを出そうと思っているので、絵莉子の性格のところでは演じていて迷うことはあまりなくて、役に入りやすかったです。

Q 高校生と社会人の7歳差の役柄を演じる上ではいかがでしたか。

A井上祐貴高校生ならすでに声変わりもしているし、もしかすると気持ちの違いしか無いのかもしれませんが、井葉とのシーンでも、高校時代と社会人になってからも二人の関係性は変わっていないけれど、それでも高校生の頃と7年後のワチャワチャ感は違うだろうから、そんな暁人と井葉の変化を考えながら演じました。

木下彩音私は、絵莉子が25歳になったときに、芯のある、自分のやりたいことができている女性だったらいいなと思いました。高校時代の出来事があって、いまの25歳の絵莉子がいるので、少し声のトーンが暗かったり、いつも何か考えているように見えるようにと意識しました。

Q お互いの共演はいかがでしたか。

A映画『Bittersand』井上祐貴共演は初めてですが、同じ事務所なので面識はありますし、他の事務所の俳優さんよりも親近感はあります。木下さんはホリプロタレントスカウトキャラバンの2年先輩ということや、僕が主演したウルトラマンシリーズの1つ前の作品に出演されているみたいな共通点があったので、そんな会話から入れたのも大きかったです。

木下彩音私は井上くんが選ばれたスカウトキャラバンを見に行っていて、その後に会う機会はあまりなかったから、私が一方的に知っていると思っていました。今回の撮影の合間にはウルトラマンの撮影のときの話をできたのもうれしかったです。

井上祐貴僕からしたら同じウルトラマンシリーズに出ていた先輩でもありますから(笑)。

木下彩音現場ではスケジュールがタイトだったので、役の話をしていることの方が多かったです。

井上祐貴僕からするとそれも少なかった印象で、本当にタイトな撮影だったんです。僕はワンシーン空くこともほとんどなかったですし、移動中は疲れすぎてみんな寝てました(笑)。もちろん、監督とはディスカッションしたこともありましたが、もっと時間があったらもっといろんなディスカッションができたのかなと思います。

Q 杉岡知哉監督は長編映画初監督とのことでしたが、どんな演出でしたか。

A井上祐貴僕も木下さんもオーディションで選んでいただいていて、とくに3年前の僕は何も分かっていなくて「それが暁人らしい」と言っていただいて選ばれたんです。そういった経緯だったのでそのままの自分として現場に入って、ワンシーン毎に監督とはディスカッションしながら撮影していったので、大まかな指示、のようなことはなかったです。
台本を読んだときも、どこかしら監督自身と重なる部分はあるのかなと感じましたし、現場でディスカッションしているときも、監督の中には明確な映像があるんだと感じることも多かったです。全部がフィクションではないのだろうなと思いますし、明確なイメージを伝えてくださるので、僕らも想像しやすかったですしワクワクしました。

木下彩音監督は最初に演じるときに私たちの意見を聞いてくださって、それで1回撮っていただけるんです。その後に「ここはこうしてみようか」とアドバイスや色付けをしてくださったので、やりたいようにさせていただける環境でありがたかったですし勉強にもなりました。

Q 井葉役の萩原利久さんとの共演はいかがでしたか。

A映画『Bittersand』井上祐貴彼はとても面白かったです。「自分は井葉とは最も遠い存在なんだ」と言っていて、現場に入った全員から「いやいや、井葉の要素を一番持っているよ」と言われて、それで現場で井葉として過ごした結果「自分でもこんなに井葉に近いとは思わなかった」と。現場のムードメーカーでしたね。

木下彩音本当に明るくて、カットがかかってもかかっていなくても、井葉のあのテンション感で過ごしていました。

Q 撮影の中で印象的だったことはいかがでしょう。

A井上祐貴高校のシーンは同世代が集まっていたので、みんなで和気あいあいとして楽しかったです。
僕は暁人がいじめられるシーンが苦しくて悲しい気持ちになってしまいました。遠藤史也くん演じる澤村に暁人が水を掛けられるシーンがあって、僕は2回水をかぶったんですが、普通のお芝居であれば例え水をかぶるのでも何回も演じられますし、演じる前には何とも感じていなかったのですが、やはりいじめられるシーンは芝居だと分かっていてもつらい気持ちになりました。こんな思いをしている人が少しでも減ってほしいと思いましたし、画面を通してそういう気持ちが伝わればいいなと思いました。

木下彩音絵莉子は暁人とのシーンが多かったのですが、やはり高校時代の教室のシーンはみんなが集まっていたので印象に残っています。それと黒板に描かれたクラスの相関図を見た時は、あんな風にはっきりと描かれてしまうと自分でもとてもつらいなと、絵莉子の気持ちに入り込みすぎてしまいそうになりました。

Q 井上祐貴さん、木下彩音さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A井上祐貴自分の思い出したくない過去に対して向き合うのはしんどいし、振り返らなくてもいいんじゃないかと思う人も多いかもしれません。それでも暁人たちは正面から向き合って、本当は何があったのか暴いてやるという気持ちで向かっていきます。暁人は絵莉子への想いだけで一歩踏み出していきますので、もし何か伝えられてないことがあって、この映画が一歩前に踏み出すきっかけになればうれしいです。

木下彩音高校時代にトラブルがあっても、7年後のみんなはちゃんと前に向かっていて、絵莉子も自分のやりたいことができています。将来どうしようか迷っている人や、いまつらい思いをしている人も、絶対いつかは解決するし明るくなれると信じてもらいたいです。それを後押しできる映画になればいいなと思います。

Q井上祐貴さん、木下彩音さんからOKWAVEユーザーに質問!

井上祐貴皆さんは変えたい過去はありますか。

木下彩音自分たちの高校生の頃に流行っていたことを教えてください。

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■Information

『Bittersand』

映画『Bittersand』2021年6月25日(金)シネ・リーブル池袋、UPLINK吉祥寺ほか全国順次公開

吉原暁人25才、さえない日々を送るサラリーマン。
ある日、高校時代に想いを寄せていた石川絵莉子と、思いがけない再会を果たす。しかし彼女にとって、暁人を含めたその頃の思い出はすべて、忌まわしい“黒板事件”によって、拒絶すべき過去となっていた。そして暁人も、その頃から自分が一歩も前に進めていないことに気付く。
悪友・井葉の力を借り、暁人は自分のため、そして絵莉子のために、「記憶を塗り替える」企てを進めるが…。

監督・脚本: 杉岡知哉
出演: 井上祐貴 萩原利久 木下彩音
小野花梨 溝口奈菜 遠藤史也 搗宮姫奈
つぶやきシロー 米村亮太朗
柾木玲弥 森田望智

配給: ラビットハウス

公式サイト: bittersand.net
公式twitter: @bittersand_eiga

©Bittersand制作委員会


■Profile

井上祐貴

井上祐貴、木下彩音(映画『Bittersand』)1996年6月6日生まれ、広島県出身。
2017年「第42回ホリプロタレントスカウトキャラバン」審査員特別賞受賞。2018年ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」でデビュー。2019年「ウルトラマンタイガ」主演に抜擢。主な出演作に、連続ドラマ「ひまわりっ 宮崎レジェンド」、映画『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』(20)、オトナの土ドラ「13(サーティーン)」、『NO CALL NO LIFE』(21)など、『明け方の若者たち』(22)が控える。

https://www.horipro.co.jp/inoueyuki/
https://twitter.com/inoue__yuki
https://www.instagram.com/inoue_yuki_/

木下彩音

2000年2月21日生まれ、京都府出身。
「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン」グランプリ。現在「THE突破ファイル」(日本テレビ系 木曜19:00~)の突破交番シリーズに巡査役として、「めざましテレビ」(フジテレビ系 月~金5:25~)ではイマドキガールとして出演中。出演作品には「ウルトラマンR/B(ルーブ)」(テレビ東京系)、映画『我只在乎你(WISH YOU WERE HERE) 』(19、中国にて公開)、『記憶の技法』(20)、『ブレイブー群青戦記ー』(21)他がある。

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メイク: 松山麻由美


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