Vol.1048 女優 鳴海唯(映画『偽りのないhappy end』について)

女優 鳴海唯(映画『偽りのないhappy end』)

OKWAVE Stars Vol.1048は映画『偽りのないhappy end』(2021年12月17日公開)主演の鳴海唯さんへのインタビューをお送りします。

Q 主演オファーについてどう受け止めましたか。

A鳴海唯ドラマデビューした「なつぞら」のすぐ後に松尾大輔監督からオファーをいただきました。女優の仕事を始めて1年ほどで主演のオファーをいただいたので、ありがたいという気持ちと自分に務まるのかという不安な気持ちの両方でした。後で聞いたところでは監督は「女優経験の浅い方がナチュラルな演技ができると思ってあえてキャスティングした」とのことでした。
台本を読ませていただくと、自分がそれまでに挑戦したことがない役だという第一印象でした。それまでは明るい役を演じることが多かったのと、自分の性格ともかけ離れている役を演じるのも初めてだったので、自分のお芝居の引き出しを増やせる機会にもなると感じて、ワクワクとドキドキの気持ちでした。

Q エイミの役柄についてはいかがでしたか。

A女優 鳴海唯(映画『偽りのないhappy end』)鳴海唯私自身はエイミのような過去のコンプレックスはないのと、3つ上の兄がいて、姉という立場ではないので、どのようにアプローチすればいいのかなと思いました。また、当時21歳で27歳の役を演じることになったので、年齢層も上げる必要があって、難しい部分が多かったです。
監督からは「基本的に、あまり作り込まないで欲しい」と言われていました。私自身は、事前にプランを立てて現場に行くタイプなので、初めての挑戦でした。そのままで演じるのかという不安もありましたが、現場では周りにいる役者さんが皆素敵な方々で、自然と気持ちを作っていくことができました。
それと、私はずっとショートカットで、自分の普段のマインドとも合っていると思うのですが、私は髪を伸ばすと年上に見えるようで、エイミ役で初めて長い髪でお芝居に臨みました。見た目が違うと自分でも気持ちの切り替えがうまくできました。

Q 現場の雰囲気はいかがでしたか。

A鳴海唯基本的にはこの映画の持っている緊張感と同じような空気感がある現場でした。でも、ロケで宿泊していた民宿はとても温かいご家族が経営されていて、そこでみんなでバーベキューをする機会もあって、エイミの気持ちを引きずることなく、オンオフを切り替えて過ごせました。

Q 前半の妹・ユウ役の河合優実さんとの共演はいかがでしたか。

A映画『偽りのないhappy end』鳴海唯最初はやはり自分がお姉ちゃんになれるのかと不安もありましたが、イン前に優実ちゃんとワークショップで一緒にお芝居をさせていただいて、セリフがなくても伝わってくるものがあったので、自然とお姉ちゃんになることができました。役柄的には私が演じるエイミが中学卒業と同時に単身上京したという、普通の姉妹とは違う関係性なので、優実ちゃんともっと仲良くなりたいという気持ちと役柄的に距離を保たなければならない気持ちの狭間で揺れていました。とはいえ、妹と距離感がありすぎてもいけないので、休憩時間にはお互いにプライベートでは洋服好きという話で盛り上がったりもしました。そういう距離感を意識しながら演じていました。

Q その妹が失踪してしまってから大きく物語が動いていきますが、そこで出会うヒヨリ役の仲万美さんとの共演はいかがでしたか。

A映画『偽りのないhappy end』鳴海唯仲万美さんは役柄的にも自分の中から出すというお芝居が多くて、私がそれを受け止めるという関係性でした。万美さんは立っているだけでパワーが漲っていたので、二人で支え合うシーンもありますし、それに負けないようにという気持ちではいました。とはいえ、カメラが回っていないところでは万美さんから気さくに話しかけていただけたので、二人のシーンは気負いせずに自然と演じることができて、お芝居の掛け合いは本当に楽しかったです。

Q 琵琶湖周辺のロケはいかがでしたか。

A鳴海唯私は関西出身ですが、琵琶湖にはこの撮影で初めて行きました。やはり海かと思うくらいの広さが第一印象でした。琵琶湖が映るだけで絵になるし、出てくるシーンは全て大事なシーンです。この映画には欠かせない存在なので、ぜひ観ていただきたいです。その琵琶湖の上でのボートのシーンは本当に厳しかったです。早朝から撮っていたので、体力的に厳しかったのと、そのシーンのエイミは精神的にも追い詰められていたので、私の体力と役柄がリンクしていて、自然にリアルでいいカットが撮れたと思います。

Q 印象的な撮影エピソードをお聞かせください。

A鳴海唯琵琶湖で出会う中学生のアカリに、エイミが実家で妹の映像を見せるシーンの撮影が印象に残っています。そのシーンではエイミが見ないようにしていたものを改めて突きつけられることになるのですが、演じるのには苦戦しました。監督からは「もっと内側から」と言われながらカットを重ねていただきました。監督は表面的なことはあえて言わずに、内面的な表現で演出してくださったので、自分の中にあるものを引き出すという芝居を初めて表現できた機会にもなって、私自身も苦手としていた部分を克服できたような気持ちになりました。ですので、とても思い入れのあるシーンになりました。
それと、妹のユウと渋谷の街を巡るシーンも印象深かったです。渋谷の街を散策したことがなかったので、高校生になったような気分で楽しかったです。

Q 本作主演を通じて、新しい学びや発見はありましたか。

A鳴海唯初主演をさせていただいて、ただ演じるだけではなく、座長としてお芝居以外のところにも目を配らせて動かなければならないということに気づかされました。ひとりでも多くの人にこの映画を届けたいという気持ちを誰よりも私が強く持っていなければならないと思いましたし、スタッフさんとの関係や、いろんな人たちをリスペクトした上でお芝居に臨まなければならないんだということに気づかされました。主演を務めさせていただいたことへの周りの方々への感謝の気持ちを持ち続けることが大切だと感じています。

Q 2021年を振り返って、ご自身にとってどんな1年でしたか。

A鳴海唯いろんなことに挑戦させていただいた1年でした。始球式に出させていただいて、それがきっかけでバラエティ番組にも出演させていただきましたが、思いもしなかったことだったので光栄でした。2年前から出演させていただいていた派遣会社のWEBCMのTVCMにも出演できて、電車の中で自分の出ているCMや広告を見て、少し成長できたかなと感慨深さもありました。いつかは実現したいけれどまだまだ先かなと思っていたことができた1年でしたので感謝の気持ちでいますし、まだまだやりたいことはたくさんあるので、まだ先と思わずに、いつチャンスが来てもモノにできるように準備していたいと思います。

Q 鳴海唯さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A鳴海唯この映画は、出てくる一人一人が人には言えない悩みを抱えていて、その中で生まれてくる関係性の中で、隠していた自分の過去と向き合わなければならなくなる、見つめたくなかった自分と向き合わなければならない瞬間がある映画です。自分と近い存在だと思っていた妹の知らなかったことに気づかされたり、言葉で表すのが難しい感情表現が描かれていますので、ぜひ劇場で観ていただいて、いろんな気持ちになっていただけたらと思います。

Q鳴海唯さんからOKWAVEユーザーに質問!

鳴海唯外国映画を観る時、字幕と吹替のどちらで観るのが好きですか。ぜひ理由を含めてお答えください。

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■Information

『偽りのないhappy end』

映画『偽りのないhappy end』)2021年12月17日(金)よりアップリンク吉祥寺ほかにてロードショー

中学を卒業してすぐに地元滋賀を離れ、ずっと東京に住むエイミは、母親が亡くなった後も一人で滋賀の田舎で暮らしている妹・ユウに、「東京で新しい人生を始めない?」と誘う。はじめは拒んでいたユウだがなぜか急に東京に来ることを受け入れ、一緒に暮らし始めるが、引っ越してきて早々、ユウは行方不明に…
そんな折、エイミは同じく妹が行方不明になっているヒヨリと出会う。エイミに、地元の琵琶湖で若い女性の遺体が見つかったと警察から連絡がくるが、見つかった遺体はユウではなく、なぜかヒヨリの妹だった。再び巡り合ったエイミとヒヨリは、共に犯人を捜すことになるが思わぬ方向へ…

鳴海唯 仲万美
馬渕英里何 カトウシンスケ

監督・脚本: 松尾大輔
配給・宣伝: アルミ―ド

公式サイト: itsuwarinonai-movie.com
Twitter: @itsuwarinonai
Facebook: @itsuwarinonai
Instagram: @itsuwarinonai

(C)2020 daisuke matsuo


■Profile

鳴海唯

女優 鳴海唯(映画『偽りのないhappy end』)1998年5月16日生まれ、兵庫県出身。
2018年、雑誌「Hanako」の表紙モデルなどを務め、2019年にNHK朝の連続テレビ小説 「なつぞら」でドラマデビューし注目を集める。CMでは、TEPCO、アイン薬局、ワコールスポーツブラ、人材派遣のレバテックなどに起用され、着実に活躍の場を広げつつある。

http://www.mkroom.info/artist/narumiyui/
https://www.instagram.com/narumi_05/?hl=ja

衣装クレジット: シャツ:ØØØØ


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