OKWAVE Stars Vol.1059は映画『北風アウトサイダー』(2022年2月11日公開)に出演の櫂作真帆さんへのインタビューをお送りします。
Q 本作出演の経緯をお聞かせください。
A櫂作真帆監督・主演等を務めた崔哲浩さんが自分の半生や周りで起きたことを盛り込んで舞台上演した2作品を基に新たに作った映画ですが、私はその舞台には関わっていなくて、その後崔さんの手掛けた別の舞台作品に出演させていただいていました。その時に崔さんからこの映画についての出演オファーをいただきました。元になっている舞台「ザ・警鐘(シグナル)」を私は観ていなかったのですが、私がすごくお世話になっている監督の方が観劇されていて「この舞台は映画にするべきだ」と絶賛していたのを知っていましたので、ぜひ出演したいと思いました。
Q 台本の印象はいかがでしたか。
A櫂作真帆最初にいただいた台本と完成した映画の台本とではかなり雰囲気が異なっているんです。台本段階での好人物が悪役になっているくらい大きな変化があったんです。最初のイメージとは全く違っていて、どんどんシーンが追加されて、今の形に膨らんでいきました。乱闘シーンでは、自分の想像が追いついていなくて、撮影に立ち会った際に「こんな壮大なシーンだったのか?!」とびっくりしたと同時に「おにーちゃーん!」と叫びたい気持ちになりました。
Q 4人兄妹の末妹ミョンヒ役をどう受け止めましたか。
A櫂作真帆ミョンヒは台本を読んだ時はおっとりしたイメージでしたが、「明姫」と書くと説明されて、自分のことよりも家族や周りの人が幸せであることを願うような人物だと受け止めました。私とはだいぶ性格が違うので、ミョンヒの行動には驚かされることもありました。舞台では私とはだいぶイメージの違う方が演じていらっしゃったので、この映画では私なりのミョンヒが出せたらいいなと思いました。それで妹というよりもお兄ちゃんたちと対等な立場でいられる人物にしようと思って演じました。
ミョンヒを演じる上ではこの物語の主な舞台である「オモニ食堂」を大切にしたいとも思いました。映画終盤に出てくる結婚披露宴の場面で、出てくる料理は中国料理なんです。在日の方に聞くと結婚式では実際、中国料理が多いそうですが、「オモニ食堂をやっているのに何で朝鮮の料理じゃないんだ」とキムチだけは置いてもらったりしているんです。そんなところにも拘って演じていました。
Q 家族役の皆さんとの共演はいかがでしたか。
A櫂作真帆次男チョロ役の伊藤航さん、三男ガンホ役の上田和光さんとは普段から接していて本当にお兄ちゃんのように見えてきて、兄妹ということを意識しなくても自然と演じられるようになりました。崔さんのヨンギとは17年距離がある役柄なので、帰りを待ち望んでいた分、実際に目の前に現れた後の怒りや悲しみを素直に受け入れるまではどのように関係を埋めていくのかは悩みましたが、みんな優しく接しやすい方々でしたので、演じやすかったです。
Q 印象的だった撮影エピソードはいかがでしょう。
A櫂作真帆最初に集まってから7ヶ月くらいの撮影期間でした。夏の場面を冬までかかって撮影していたので、白い息が出ないように氷を舐めたりして演じていたんです。
そんな撮影が終わってから、「ナレーションを入れます」と崔さんに言われてナレーションはミョンヒを演じる私がやることになりました。
Q 本作を通じて新しい発見などはありましたか。
A櫂作真帆自分の出番以外でも現場にいる時間が長かったんです。生で見たお芝居と、カメラを通して見える映像のお芝居では随分印象が違うと感じました。時には生の演技ならではの良さがなくなってしまうこともあるのですが、「どうしてこんなお芝居をするのだろう」と思って撮影の様子を見ていたら、映像で見るとすごくいいお芝居になっていて、勉強になりました。演じている瞬間は自分がどう撮られているのか分からないので、それを映像で見るのは興味深かったです。
Q 特にどんな人にこの映画をお勧めしたいですか。
A櫂作真帆家族にあまり会っていない方には特にぜひ観ていただきたいですね。それと親世代の方にも観ていただきたいです。私も年に数回しか帰省していないので、この映画に出演して、ふと親とはあと何回会えるのだろうかと考えてしまいました。とはいえ、ずっとオモニの面倒を見ていたミョンヒでも後悔はあっただろうから、家族に対しては今できる限りのことをできればいいなと思いました。
Q 櫂作真帆さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
A櫂作真帆7ヶ月間、意見を出し合って試行錯誤しながらみんなで作った映画です。誰かが苦しい時には誰かが支えている現場でした。一つの役をこれだけ長い期間演じる機会はこれまでになかったので、演じ始めの時期に比べて、相手との関係性もできてきて、みんなの思いが詰まった映画になりました。二度見ていただくと、一度目とは印象の違った映画になっていると思いますし、大長編で登場人物も多いので新しい気づきもあると思います。別の登場人物の目線で観ていただくと別の物語がありますので、ぜひ何度でも観ていただけたらと思います。
Q櫂作真帆さんからOKWAVEユーザーに質問!
櫂作真帆『北風アウトサイダー』の冒頭のお葬式の場面でこの家族はガチャガチャと騒いでしまいます。
皆さんへの質問ですが、絶対に笑ってはいけない場面で思わず笑いそうになってしまったエピソードがあったらお聞きしたいです。
■Information
『北風アウトサイダー』
2022年2月11日(金・祝)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
大阪府生野にある在日朝鮮人の町。
みんなの母代わりであるオモニ(オカン)の葬儀が行われていた。
15年前に失踪した長男・ヨンギはそこに現れない。
オモニが始めた店の借金に追われ、ヨンギを除く3兄妹たちは途方に暮れる。
そんな中、ヨンギが帰ってくる・・・。
変わり果てた長男に困惑する兄妹たち。
家族とは・・・。
様々な人の想いがすれ違うなかで、大きな愛によって、はたして家族の絆は取り戻せるのか。
崔哲浩 櫂作真帆 伊藤航 上田和光
永倉大輔 松浦健城 竜崎祐優識 並樹史朗 岡崎二朗
監督・脚本・プロデューサー: 崔哲浩
配給: 渋谷プロダクション
公式サイト: https://www.kitakaze-movie.com/
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■Profile
櫂作真帆
1985年生まれ、兵庫県出身。
関西で俳優活動開始、上京後に新宿梁山泊「EBI大王」(金守珍演出)出演。その後も新宿梁山泊「唐版 風の又三郎」、劇団野良犬弾公演などを多数の舞台に参加。映画「交渉人 THE MOVIE タイムリミット高度1000mの頭脳戦」(松田秀知監督)や、ドラマ、舞台、CMに幅広く活躍する。
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