Vol.1067 女優 上原実矩(映画『この街と私』について)

女優 上原実矩(映画『この街と私』)

OKWAVE Stars Vol.1067は映画『この街と私』(2022年3月4日公開)主演の上原実矩さんへのインタビューをお送りします。

Q 本作主演についてのご感想をお聞かせください。

A映画『この街と私』上原実矩撮影は3年前(2019年)になりますが、オーディションを受けてからトントン拍子で主演に決まって、すぐに衣装合わせやリハーサル、撮影が始まったんです。スケジュール表を見ると明らかに自分の出番が多いので、徐々に自分が主演なんだという自覚が出てきました。それまでは自分のお芝居をすることに精一杯で、現場の核になる役割を担うのが初めてだったので、今まで主演された方がどんな姿勢で現場にいたのかを思い返しました。皆さんとても自然な様子だったし、そういうところに助けられていたんだと思うと、私に座長が務まるのかと葛藤する日々でした。私自身が現場で疲れてモヤモヤしている時と、演じた美希も制作会社の仕事で疲れているのがリンクしていて、今思うと、美希役に反映できたと思います。この作品を通して良い経験ができたなと思います。

Q 美希のキャラクターについてはどう受け止めましたか。

A上原実矩周りが見えなくなってしまったり、自分が追い求めているものと現実のギャップがあるということでもがいていることを大事にしました。美希はテレビ番組制作会社のADですが、誰にでもある経験だと思います。監督はADを経験しているのでその時の話を聞いたり、私の経験も組み合わせて、等身大の女の子の若気の至りのようなものが出ればいいなと思いました。今こうして客観的に振り返ると、美希はいろんな人に支えられているんだなあと分かるのですが、撮影当時は私も美希と同じように周りを見る余裕がなくて、現場で起きる全てのことにイライラしてしまうこともありました。でも思い返せば、私自身が他の人のゆるさに当時はイラッとしたことが、やはり美希とリンクしていたと思います。

Q 本作は永井和男監督の経験が基になっているとのことですが、演じる上でどんなお話をされたのでしょう。

A上原実矩監督はAD時代の経験と「地域発信型映画」として葛飾区を舞台に制作することが決まっていた本作の脚本を考えた経験を組み合わせたそうです。美希がファンという設定の天竺鼠の川原克己さんを監督もお好きで、「どう神と崇めているか」とか(笑)、本作のロケハンはどんな風にしていったのかなど、監督が自分の経験を集めて映画にしたように、私も監督の話をいろいろ聞いて一つにまとめて美希のキャラクターに当てはめていきました。

Q 撮影現場の様子はいかがだったのでしょう。

A映画『この街と私』上原実矩割と少人数で和気藹々として、全体に距離の近い、話しやすい現場でした。ただ、スケジュールはタイトだったので、そういう意味ではセカセカしていたり、疲れが見える現場でもあったのですが、愉快に過ごしていました。撮影を通じて葛飾の印象的な場所を巡ったり、地元の温かいエキストラの方たちと撮影しました。

Q よしもとのお笑い芸人たちが本人役で出演しています。

A上原実矩皆さんそのままの役で出ているんですが、バッドボーイズの清人さんとの共演シーンは、居酒屋で居合わせて、声をかけようか迷うという美希との距離感と私自身が清人さんと接していた時間がほとんど同じくらいせわしなかったんです。天竺鼠の川原さんとのシーンもご本人はふら〜っと現場にいらっしゃって、撮影を終えて同じように帰られていったので、本当に本人役そのままでした。撮影期間中、いろんな方が入れ替わり立ち替わりいらっしゃったのも、美希と同じような感覚でした。

Q この映画を通じて新しい発見などはありましたか。

A映画『この街と私』上原実矩3年前のものを見返すことってあまりないと思います。当時できることはやり切って、その後には他の現場も経験していますし、コロナもあって、当時から心情や環境の変化もあります。この映画を観ると恥ずかしさもありますが、そう思えるのは成長しているからだと思います。当時は美希に共感して同じようにぐるぐるしながら一歩踏み出したくらいの気持ちでいましたが、今の私は「こんな時もあったな」と笑って思えるようになったので、観ていただいた方々がご自身の思いと重ねていただければいいなと思います。厳しいことを言われても美希が何とか頑張っている姿に共感していただいてもいいし、美希はいろんな人に支えられているということを感じてもらってもいいと思います。

Q 上原実矩さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A上原実矩日常の些細な出来事を描いた短い作品ですが、忙しいとそれでも楽しく過ごせていられるのは誰かのおかげということにも気づけないこともあると思います。それは身近な人に限らず、美希であれば、大ファンである天竺鼠さんも日常の支えなんだと思います。そういうことに気づいてちょっと心が軽くなる映画だと思います。私自身、映画館は好きな場ですのでぜひ軽い気持ちで観に来ていただけたらと思います。

Q上原実矩さんからOKWAVEユーザーに質問!

上原実矩仕事に疲れている時の癒しやストレス発散法は何でしょうか。

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■Information

『この街と私』

映画『この街と私』2022年3月4日(金)よりアップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開

ADをしている23歳の村田美希は、お笑いの番組が作りたくて制作会社に入ったが、深夜に街の良さを紹介する関東のローカル番組『この街と私』の担当として休みなく働いている。彼氏の翔也と同棲している部屋には寝に帰っている状況で、彼氏の話もろくに聞けていない。ある日、お笑いの特番に企画を出したものの、一蹴されてしまった美希だが、『この街と私』の街頭インタビューを初めて一人で任せられる。撮ってきた素材を見たディレクターに、「使えない」と言われた美希は…

上原実矩
佐野弘樹 宮田佳典 伊藤慶徳
LiLiCo 川原克己(天竺鼠) ですよ。 大西ライオン 大溝清人(バッドボーイズ)

監督・脚本・編集: 永井和男

制作: よしもとクリエイティブ・エージェンシー
配給: アルミード

公式サイト: http://konomachitowatashi.com/
Twitter: https://twitter.com/thiscityandme
Facebook: https://www.facebook.com/thiscityandme

(c)2019地域発信型映画「この街と私」製作委員会


■Profile

上原実矩

女優 上原実矩(映画『この街と私』)1998年11月4日生まれ、東京都出身。
俳優・モデル。映画『君に届け』(10)で俳優デビュー。独特な個性から、『暗殺教室』(15/羽住英一郎監督)、『来る』(18/中島哲也監督)や『青葉家のテーブル』(21/松本壮史監督)など多数の映画やドラマ、大手企業広告に出演。主演を務めた『ミューズは溺れない』(21/淺雄望監督)では、第22回TAMA NEW WAVEコンペティションでベスト女優賞を受賞。

https://www.hirata-office.jp/talent_profile/woman/miku_uehara.html

衣装:ORANGE GERBERA


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