OKWAVE Stars Vol.1077は反町隆史さんへの主演を務めた「WOWOWオリジナルドラマ今どきの若いモンは」(2022年4月9日〜)についてのインタビューをお送りします。
Q 演じた課長、石沢一のキャラクターについてどう受け止めましたか。
A反町隆史石沢は人間味のあふれたキャラクターだと思います。原作を一度読んでから台本を読み、原作のどんなところを大事にしているのか、どんなところを視聴者に伝えようとしているのかを把握して再度原作を読み直し、そこから石沢のキャラクターを作っていきました。石沢はすごく分かりやすいキャラクターですが、過去の石沢のエピソードもあり、昔は今とは違ったということも描かれています。人間として成長している石沢を捉えた台本になっているので、共感できますし、演じる上でも入りやすかったです。
Q 演じる上でどんなところを意識しましたか。
A反町隆史石沢はストレートには言わないんです。アドバイスも少し捻った言葉ですし、そもそも真面目なこともそんなには言わないです。ただ、人とのつながりのようなものを大事にしているので、そういったところを意識しました。彼の良さは自分の目線ではなく、相手の目線に立つところです。部下に対して決して命令ではなくて、麦田の目線、舟木の目線になるのが良さですし、自分もそうありたいなと思っているところなので、演じていて共感できました。
僕自身、学生時代にサッカーをやっていて学んだのが、厳しい練習でも隣で仲間が辛そうにしていたら同じ気持ちになって助け合うチームワークです。それを先輩や先生方から学んで、今につながってもいるんです。
それと、このドラマは放送30分枠で3エピソードなので、展開を早く見せられる良さもあります。1時間ドラマならところどころに“間”も必要になりますが、連続ショートドラマ展開なのでスーパーサラリーマンを演じてしまっても違和感がないんです。石沢を演じる上ではこの尺は演じやすいし、自分自身、新鮮でした。
Q 麦田や舟木のキャラクターは反町さんにはどう映りましたか?
A反町隆史麦田のがむしゃらに一生懸命なところは、失敗しても石沢から見れば失敗ではないので微笑ましくも見えました。打てば響くような、成長していっているところがいいなと思います。
Q 現場での様子はいかがでしたか。石沢のようにアドバイスする機会もありましたか。
A反町隆史僕が若手の頃もそうでしたが、男同士では何か聞いたりすることはあまりないんです。それよりも僕は先輩方の背中を見て学ぶことが多かったです。「こういう状況でも笑っていられるんだ」「冷静でいられるんだ」と気づかされることが多かったんです。だから、自分を出すことよりも、役として全うすることが大事であり、役を全うするということは自分の感情はまず脇に置いておくものだと。僕は主演ばかりではないのでわかるんですが、現場の空気は主役の方が現場でどう過ごしているかでその現場も決まってくるんです。僕はなるべく楽しく過ごせるようなにしたいなと思っています。そういう意味で若手に声をかけることは意識していました。
Q 部下役の福原遥さん中村海人さん(Travis Japan/ジャニーズJr.)との共演について、石沢と麦田、舟木の関係性ではいかがだったでしょう。
A反町隆史彼ら自身はいろいろなところで揉まれてきていますので、麦田や舟木よりも柔軟ですし、役に徹していた印象です。そういう意味では自分が若い頃よりもふたりとも真面目ですよね(笑)。役者自身の人間性を隠そうとしても視聴者はどこか感じとれるものなので、役を離れた時に何をしているかもそうですし、ふたりともそれが良い方に役に出ているのかなと思います。麦田はまっすぐなキャラクターなので石沢が少しくだけた芝居をしていても、麦田の目線に戻してもらえるので、僕自身演じる上で助かっている部分もありました。
Q 反町さん自身は「今どきの若いモンは」の後には何が思い浮かびますか。
A反町隆史やはり「大変だな」と思います。スマホやネットなどを通じて得られる情報量も多いですし。しかもそれがここ10数年の出来事なので、それが積み上がっていくと将来どういった人間社会になっていくのか、むしろ楽しみです。
「今どきの若いモンは」というセリフに続くのは良い言葉も悪い言葉もありますが、僕が若い頃にも人間関係の部分で「今どきの若いモンは」と言われたものです。ですので、やはりいつの時代でも人とのつながりの部分は大切にして欲しいなと思っています。今の時代は会話もスマホを通じてかもしれませんし、居場所がわかるだけでコミュニケーションが成り立つこともありますよね。そんな時代にこのドラマは人間同士のやり取りを通じて、「この瞬間っていいな」というものがあると思うんです。生きている中で「これは幸せだった」と思えることはそれほど多くはないと思います。ただ、小さな幸せを自分が普段から感じられるかどうかでもあると思うんです。この人間関係はいいな、というものはスマホだけで表せられるものではないですし、そんな小さな幸せを感じ取ってもらえればと思います。
Q 若い頃の自分に今だから言えるアドバイスはありますか。
A反町隆史僕は俳優デビューが19歳だったので、それこそがむしゃらに生き急ぐように現場に立ち続けていました。今思えば、もう少しゆっくりと構えていても良かったのかなとは思います。役者というものは早咲きよりも遅咲きの方がいいと思っていて、人間としての経験や引き出しをもっと増やしてから役者として表に出ても良かったのかなとは伝えたいです。
子どもに伝えていることでは、「頑張りすぎない」ということですね。人よりいい点数を取ることも大切ですが、どんな状況でも平均点を取り続けられるのであれば、それはどんな状況でもバランスよく生きる力があるのだと思います。ひとつだけ飛び抜けているのではなく、バランスよく生きるということの方が難しいと思いますし、頑張りすぎずにそれができた方がいいなと思います。
Q 石沢はブラックコーヒーが欠かせないとのことですが、反町さん自身が仕事をする上で欠かせないものなどはありますか。
A反町隆史モノではありませんが、ルーティーンはあります。現場に入る時は少し早く起きる、早く入る、ということを心がけています。とくにここ10年は目覚まし時計をかけていないんです。大体同じ時間には自然に目が覚めます。起きてから朝に30分くらい台本を読むことにしています。その日の撮影分はもう頭の中に入っていますので、連続ドラマなら少し先の分ですね。
Q 「今どきの若いモンは」というタイトルにちなんで、年齢を重ねての変化を感じることはいかがでしょう。
A反町隆史若い頃からは自然と自分の気持ちも変化して、今の年齢になると全部の時間を許して楽しめるようになりました。昔は、もっとこうしたいという焦りや時間の使い方、欲がありました。自分自身、役者として10代から年齢を重ねてきたからということもありますし、子どもを育てたことも大きな変化になっているのかなと。積み重ねてきたものが今につながっているのだと思います。
Q 反町隆史さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
A反町隆史この「今どきの若いモンは」はさまざまなテーマの共感できるエピソードがあると思いますので、麦田のような若い社会人の方や石沢課長世代の方に楽しんでいただければ。そして、石沢課長の背中を見るように、皆さんの先輩の背中を見ると何となく答えも見えるのではないかと思います。
■Information
「WOWOWオリジナルドラマ 今どきの若いモンは」
2022年4月9日(土)22:30〜
毎週土曜全8回放送/全22話
とある商社、三ツ橋商事営業部。そこに一見コワモテのその男、課長・石沢一がいた。「今日も残業だ」「働き方改革のうまみなんて降りてこない」と嘆く若手社員たち。彼らの愚痴に「……ったく」と鋭い視線を向ける石沢。その言葉の先を待たずに若手社員たちは逃げていく。
そんな中、彼の部下に配属された新入社員の麦田歩が緊張と不安を抱きながら出社すると……。指導をしてくれる先輩・舟木俊はよく分からない横文字用語ばかりで仕事についていけず、全員がテキパキと仕事をこなし、部署の空気にもなじめない。ひとりデスクでお弁当を食べるのが唯一の心休まる時間だ。すると、突如麦田の目の前に現われた石沢。「ったく、今どきの若いモンは……」という石沢の言葉に麦田は!?
石沢は良い上司なのか?どこか謎めいた影のある私生活に“ある疑念”を抱きながらも、石沢という上司の存在に麦田や若手社員たちは。
反町隆史
福原遥 中村海人(Travis Japan/ジャニーズJr.) 水崎綾女 藤井隆 萩原聖人
原作: 吉谷光平「今どきの若いモンは」(Cygames/サイコミ連載中)
https://www.wowow.co.jp/drama/original/imadoki/
YouTube「WOWOWofficial」チャンネルにて第1回(第1話〜第3話)の配信が決定!
https://www.youtube.com/user/wowowofficial
製作著作: WOWOW
■Profile
反町隆史
1973年12月19日生まれ、埼玉県出身。
ドラマ、映画、CMなどに大活躍中。
https://www.ken-on.co.jp/sorimachi/
オフィシャルスチール: 井上琢也(井上美術株式会社)
ヘアメイク: iNOMATA (&’s management)
スタイリスト: 吉野誠
ジャケット/タリアトーレ(伊勢丹新宿店)、カーディガン、クルーネック/ともにスローン、パンツ/カナーリ(コロネット)、時計/パネライ(オフィチーネ パネライ)、その他スタイリスト私物