OKWAVE Stars Vol.1080は丸美屋食品ミュージカル『アニー』(2022年4月23日〜)に出演のマルシアさんへのインタビューをお送りします。
Q 昨年の東京公演は2公演のみで中止になってしまいましたが、今年の公演にかける想いをお聞かせください。
Aマルシア昨年は「悔しい」の一言でした。『アニー』はアニー役をはじめ、子どもたちがメインのミュージカルです。私たち大人はコロナ禍ですので中止の事情を理解できる部分もありますが、子どもたちは心の置き場がなかったと思います。心が痛むとはこういうことなのかと。せめて私たち大人が冷静でいないとならない、と思うくらい、子どもたちの涙に感情が揺さぶられました。長い稽古を経て、初日が千秋楽になってしまったので、気持ちの整理は簡単ではありませんでした。
今回の公演は、昨年と子どもたちは全員変わりますし、大人キャストもウォーバックス役が変わるなど、さまざまな変化があります。新たな気持ち、エネルギーを持って参加させていただきますし、すごく楽しみです。
Q ハニガンのキャラクターをどのように捉えていますか。
Aマルシア何でハニガンはあんなに強い性格なのか自分でも分析しながら演じています。物語上の1933年のアメリカは荒んでいて、みんな必死に生きているんです。それはアニーもハニガンも同じです。生きるためには仕事をしなければならなくて、その結果ハニガンはちょっと不向きな仕事を得たことで、慣れていない子どもたちへの対応が厳しく見えるのかなと思います。周りの女性は伴侶となる男性がいるのに対し、自分は恋人もいないのに子どもの世話をしている、というギャップも感じているのだと思います。育てられた環境もよくなかったのだろうし、そんな彼女の事情があって、それでも必死に生きているということを踏まえたいです。だからこそ強い性格やはっきりしたセリフにもなっていますが、根っこの部分は普通の女性でありたいとハニガン本人は思っているのだろう、とプロフィールを作った上で、結果的にヒール役になるのかなと思います。
Q 演じる上での考えをお聞かせください。
Aマルシア相手が変わると芝居も変わっていきます。相手がどんなボールを投げてくるのか、稽古の中で自分も変わっていきます。何度も演じていると慣れてきますが、自分の中にあるハニガンを新たにしたいですし、強弱をつけたハニガンを作っていきたいです。ハニガンは子どもたちとの芝居が多いので、今回の子ども達がどんなボールを投げてくるのか。今までも活発なチームもあれば大人しいチームもありましたので、反応しながら作っていくものになると思います。記者会見の際にアニー役の山崎杏さん、山本花帆さんと会って、ふたりの性格が全然違っていたので、それだけでも両チームの芝居は変わってきます。それによってちょっと荒れたハニガンにも、ちょっと控えめなハニガンにもなるので、自分でも楽しみにしています。
Q アニー役の山崎杏さん、山本花帆さんの印象はいかがでしょうか。
Aマルシア非常に印象に残っているのは杏ちゃんです。記者会見での記者さんから「今どんな気持ちですか」という質問に「私は輝いています」と答えていて。そんな言葉が子どもの口から出るのかと、この子はきっと面白いアニーを演じるだろうと直感しました。言いたくても言えないような言葉を発したのが素晴らしくて、彼女のワクワクしている気持ちが「輝いている」という言葉になったんだろうなと。多分、すごくストレートなアニーになる印象で、楽しみです。
花帆ちゃんは、杏ちゃんがよりはっきりしている分、謙虚に見えました。でも花帆ちゃんも裏ではすごく努力している様子が感じられました。
ふたりとも色が違って、真逆な蛍光色なので、どんな風にステージで羽ばたくのか楽しみです。それを受けて他の子どもたちにどんな化学反応が起きるのかも楽しみです。
共通点もあって、二人とも美人!(笑)
毎年アニーが交代して、それによって芝居も変わっていって、だからこそ37年も続いているし、そこが『アニー』の大きな魅力なんだと思います。
Q 作品を通しての魅力についてお聞かせください。
Aマルシアアニーを通して元気になる、というとても明快なテーマだと思います。同時に一番難しいテーマだとも思います。アニーは絶対諦めないしポジティブです。これは私たち大人でもなかなかできないことです。アニーは諦めなかったから幸せになれるので、私たちはそれを見て感動もするし、自分に置き換えて、自分も諦めずに、前向きに、幸せに生きようと思わされます。それを素晴らしい台本、メッセージ、歌で作られたミュージカルですので、子ども向けのようでいて、大人が観ても感動できます。すべてのパズルが整ったミュージカルだと思います。
Q 大人キャストについての印象をお聞かせください。
Aマルシアウォーバックス役の葛󠄀山信吾さんは記者会見の際に初めてお会いして、すごく謙虚な方でウォーバックスにぴったりだと思いました。ウォーバックスの人を包む力が葛󠄀山さんから伝わってきて、いいチームになりそうだと思いました。どこまで踊れるのかという楽しみもあります。
リリー役の島ゆいかさんもぴったりで、「リリーはプチ・ハニガンだから、そのくらいハジけてね」という話をしました。そういう話をすることも大事なコミュニケーションだと思うんです。
グレース役の笠松はるちゃんは昨年からご一緒していて、とても安定感がある方なので安心していられます。彼女とのやりとりが多いので、今年はもっとコメディタッチな芝居ができるといいなと思っています。彼女はとても真面目なグレースを演じているので、それが際立つことで新たな化学反応も起きるのではないかと思います。一回経験した分、さらに大きく育てていこうという気持ちでいるので、お互いの芝居の反応が合えば最高なものになると思っています。
ハニガンとウォーバックスとは1シーンだけなのが残念ですが、新しいキャストが入ると今までと全然違う作品になるので、俯瞰でみんな見ながら稽古できればと思っています。
Q 過去2年演じてこられて、どんな準備をして臨むものでしょうか。
Aマルシアこのミュージカルは、子どもは2チームあるので1日1回ずつステージに立ちますが、大人は1日2回立つんです。これが何日も続くというのは未体験で、大人は相当鍛えられます(笑)。体力づくりからしっかりやらないとならないので、いい経験をさせていただいています。自分の健康管理が大事で、今回も日頃からのトレーニングに加えて体幹など、体力面で鍛えるところから、踊りに関しても、昨年からバレエを再開して準備しています。
Q 稽古場の雰囲気はどんなものでしょうか。
Aマルシアコロナ対策で厳しい状況の中ですので、ワイワイ賑やかにはいきませんが、お芝居について言い合えるような環境にできればいいなと思っています。私から直接ということではなく演出家を通して話すこともありますが、大人、子ども関係なく、コミュニケーションを取りたいです。いい作品を作るためにも大人と子どもで区別することなく、私は子どもにも対等な気持ちで接するようにしています。それと今回はこれまでに演じてきた経験を踏まえて、稽古初日から本番に近いことをやっていこうと思っています。
Q 歌と踊りの部分での意気込みなどお聞かせください。
Aマルシア私が踊るのは弟ルースターと、リリーとの3人のシーンです。リリーはプチ・ハニガンなので彼女との組み合わせがどうなっていくのか楽しみです。このシーンの男性はルースター一人なので、ぜひ頑張ってリードしていっていただきたいなと思っています。
Q コロナの時代でのエンターテインメントについて思うところをお聞かせください。
Aマルシアいつの時代もエンターテインメントは絶対必要だと思います。そして、私も含め、みんな何かしらコロナで苦しんでいたり我慢していると思うんです。だからこそ、やるからには最高のステージをと思っています。お客様が特別な時間を作って来ていただく、ということの意味は一昔前とは変わってきていると思います。みんなが集まってワイワイする場というより、皆さんに元気になってもらえるようにという気持ちが強まっていますし、私たちもお客様からの拍手などでいただくエネルギーを今までよりも強く感じるようになりました。だから私は1秒も無駄にしたくないですし、感謝の気持ちを稽古の時から持ちながら、本番では100%以上のものをお見せするのが仕事だと思います。そういうエンターテインメントはもっと必要になってくると思います。
Q マルシアさんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
Aマルシア『アニー』には、諦めない、勇気、前進するという大テーマがあります。私たちも何かしら、コロナ禍で工夫しながら生きていますし、ぜひ『アニー』を観て、勇気や前向きさを受け取ってください。私もアニーを見ていて、負けられないなと思うんです。無邪気な子どもたちを見ていると、さまざまな計算をできるようになった大人の私たちに、子どもの自分を思い出させてくれる大事な時間にもなっています。自分で生きる力をもらえる、背中が押される作品だと思います。
■Information
丸美屋食品ミュージカル『アニー』
2022年4月23日(土)〜5月8日(日)新国立劇場 中劇場
舞台は1933年のニューヨーク。世界大恐慌直後の街は、仕事も住む家もない人であふれていました。誰もが希望を失っているなか、11歳の女の子アニーだけは元気いっぱい。11年前、孤児院の前に置き去りにされたというのに、いつか両親が迎えに来ると信じて、逆境にひるむことなく前向きに生きています。そんなある日、大富豪オリバー・ウォーバックスの秘書グレースに気に入られたアニーは、クリスマスの2週間をウォーバックスのもとで過ごすことに。ウォーバックスは、アニーを養女にしたいと思うようになります。しかしアニーは、本当の両親と暮らすという夢をあきらめきれません。その強い気持ちに打たれたウォーバックスは、懸賞金をかけて彼女の両親を捜すことにします。ところが、それを知った孤児院の院長ハニガンと弟ルースター、その恋人のリリーは、懸賞金目当てに悪だくみを始めて…。アニーの夢はかなうのでしょうか?
出演: 山崎杏、山本花帆、葛󠄀山信吾、マルシア、笠松はる、財木琢磨、島ゆいか 他
全席指定: 8,700円(税込)
★スマイルDAY:4月25日(月)・4月27日(水)13:00公演、 17:00公演、全席指定:特別料金6,700円(税込)
公式HP: https://www.ntv.co.jp/annie/
©NTV
■Profile
マルシア
1969年2月14日生まれ、ブラジル・サンパウロ州モジダスクルーゼス市出身。
1989年のデビュー以来、舞台、映画、ドラマ、バラエティなど幅広く活躍中。
https://www.watanabepro.co.jp/mypage/20000004/