OKWAVE Stars Vol.1092は映画『君たちはまだ長いトンネルの中』(2022年6月17日公開)主演の加藤小夏さんへのインタビューをお送りします。
Q 演じたアサミ役についてお聞かせください。
A加藤小夏アサミは亡くなってしまったお父さんの気持ちを引き継いでいかなければならないという意思もありますし、彼女自身もいろいろ調べて、社会を良い方向にしていこうとしています。世の中を変えられるというポジティブな思考と強さを兼ね備えた女の子だと受け止めました。誰に対しても真っ直ぐ、正直な子でもあるとも感じました。
最初は監督の思うアサミと私が考えてきたアサミとイメージが合わなかったんです。私としては監督の考えるアサミを演じたいと思ったので、「もっと表情で演じてほしい」「もっと怒って」といった意見をいただきながらお芝居を調整していきました。
私とアサミはあまり似ているところがないんです。アサミは先生であっても間違っているところにははっきりと間違っていると言います。私はさすがにそんなことはできませんが、アサミは正しいことをしているので、気持ちが乗らないということはなく、むしろ、演じているうちに私も言わなければならないという使命感に変わっていきました。無理に演じることなく、自然とアサミの気持ちに自分自身が重なるようになっていきました。
Q 学校が舞台の映画です。同級生役の方々との共演はいかがでしたか。
A加藤小夏中谷勇気役の定本楓馬さんとは、撮影前のリハーサルの時から、演じていてリズムが合う感覚がありました。定本さんは本当に優しい方で、私が一人でボソボソとセリフの練習をしていると、隣でセリフを返してくれるんです。この中谷くんという役は色々な気持ちがあるのだろうけど、根底にある前向きな性格を感じて、私もアサミとして演じていてワクワクもしました。安倍晋太郎役の北川尚弥さんは現場にいらっしゃると周りが明るくなるんです。一緒にお話ししていると何を言っても笑っていてくれる安心感があってありがたかったです。それと、撮影をした昨年の8月はとても暑くて、北川さんがいつも汗びっしょりだったのも印象に残っています。とくに学校の廊下のシーンは冷房も効いていないし、太陽が当たるので、そこで汗びっしょりな北川さんがかわいそうでもあり、年上ですけれどかわいらしくも見えました(笑)。
Q アサミは国会議員や新聞記者のような大人に対しても切り込んでいきます。
A加藤小夏タレント議員の武藤あつしは、芯の部分でいい方向に変えたいという強い思いを持っていますが、それが実現できない苦しさも感じている人物です。それを演じる蒼木陣さんは目でその本心を語りかけてくるのが伝わってきて、この人なら安心だと感じ取れたのが印象に残っています。
記者の荒畑通役の高橋健介さんはとても面白い方でした。初めて現場でお会いした時はクールな雰囲気でしたが、その翌日からは現場でずっとふざけているんです(笑)。安倍役の北川くんと高橋さんと私の3人で演説を見に行くシーンで高橋さんは「席をいま立っちゃえ」とずっと小声で何か言っていて、初日とは全然違う人が来たという印象でした。
Q 本作を通じての学びや気づきはありましたか。
A加藤小夏今回が長編映画初主演でした。自分のことで精一杯だったところがあって、男性キャストの多い現場でしたが、もっとみんなを巻き込んで楽しく現場を引っ張っていけたらよかったなというのが、反省点です。
作品としては、ラストシーンを撮っていて、私自身、清々しさを感じて、前向きになれる映画だということを再確認できました。
Q 世の中を変えたい、という気持ちを持つ役柄を演じましたが、ご自身で何か変えたいと思うことはありますか。
A加藤小夏自分のことになりますが、家では気持ちの浮き沈みがあったり、それで疲れてしまうことも多いんです。役でいろいろな感情を経験させていただいているので、家では落ち着いて過ごせるようになりたいです(笑)。
Q 加藤小夏さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
A加藤小夏固定概念なく映画を観ていただきたいです。私は高橋アサミちゃんをいかに嫌な女の子にしないかを重点においていたので、アサミちゃんを少しでも好きになってもらえたら嬉しいです。
■Information
『君たちはまだ長いトンネルの中』
2022年6月17日(金)池袋HUMAXシネマズ他にて全国順次公開
高校生たちが日本の未来を問う社会派青春ストーリー。
元財務省の父、高橋陽一郎の影響をうけていた高橋アサミは、高校3年生にして、政治に対し人一倍強いイデオロギーを持っていた。それゆえ、政治経済の授業でも、疑問に思ったことを先生に問いかけ、論破するほど。外部相談役の二階堂議員から注意を受けても、自分で調べ自分で辿り着いた答えを曲げることはなかった。
とはいえ、まだアサミはどこにでもいる女子高生。彼女ひとりでこの国を救えるわけもなく、自分ができる事といえば、父が他界したのち面倒みてもらっている親戚・長内夫婦の店や、衰退していく商店街を少しでも盛り上げることぐらい。
最初の頃、アサミをクラスの厄介者だと思っていた同級生の安倍や中谷も、少しでも自分たちの未来を明るくしたいと奮闘するアサミの姿や行動を見ているうち、次第に応援するようになる。
ある日、アサミと中谷は商店街のお祭りについて取り上げてもらおうと地元の若手新聞記者の荒畑に掛け合いに行く。
その帰り道、元戦隊ヒーローとして活躍していたタレント議員の武藤と遭遇する。
またとないチャンスと思いアサミは、武藤に駆け寄り「総理大臣に会わせてほしい」とまさかの直談判。
そのあと、急展開がアサミに巻き起こる・・・。
20年以上デフレとパンデミックに見舞われたこの国で、自分たちに何ができるのか、その問いを青春映画として昇華した異色の作品。
加藤小夏
北川尚弥 定本楓馬 蒼木陣 高橋健介 川本成 萩野崇
モト冬樹 かとうかず子 他
監督・脚本: なるせゆうせい
経済監修: 藤井聡
原作・原案: 消費税増税反対botちゃん「こんなに危ない!?消費増税!」(ビジネス社刊)
配給: トリプルアップ
■Profile
加藤小夏
1999年6月26日生まれ、東京都出身。
フジテレビ「痛快TVスカッとジャパン」の人気コーナー胸キュンスカッとで地上波初出演でヒロインを演じ話題に。連続ドラマ初出演作「I”s」(18)でもいきなりヒロインの一人に抜擢。映画本格出演作『踊ってミタ』(20)でもヒロインを務め、連続ドラマ「取り立て屋ハニーズ」(21)では主演を務めるなど、現在多くのドラマや映画に出演している。また長編映画の主演は今作が初となる。さらにはアパレルブランド「ForWe」をプロデュースするなど多岐に渡り活動している。
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ヘアメイク: 原田琴実
スタイリスト: RYUSEI MORI(DEXI)