OKWAVE Stars Vol.1105は映画『甲州街道から愛を込めて』（2022年8月5日公開）に出演の有里まりなさんと古瀬リナオさんへのインタビューをお送りします。
Q 本作ではオーディションで役を掴んだとのことですね。
A
有里まりな元々『れいこいるか』をきっかけにいまおかしんじ監督の作品を観させていただいていて、そんな時にこの映画の出演者を公募しているのを見つけて、いい機会だと思って応募しました。とくに主人公が音楽活動している女の子ということと、若者たちの物語だったので、出たいなと思いました。
オーディションでは演技の部分よりも、お話をした時間の方が濃密でした。その時間もとても楽しかったです。決まった時は嬉しさと驚きでぐちゃぐちゃな気持ちになりました。
古瀬リナオ事務所からこのオーディションを教えていただいて、こんな機会はないなと思ったのと、私は旅をしながら車の中でおしゃべりするようなロードムービーが大好きなので、この映画からもまさにそのワクワク感を感じて出たいなと強く思いました。決まった時は嬉しくて、何度も夢じゃないかと確認しました。
Q リリコ役、マナミ役についてお聞かせください。
A
有里まりなリリコのツンツンした口調や態度は自分とは重ならない部分だったので難しさも感じました。ですが、人物を解きほぐしていくと、彼女がミュージシャンとしてくすぶっている部分や周りの人と上手く関わることができない部分などに、すごく共感を覚えました。リリコは伝えたり表現することが苦手で不器用なだけで、内面はまた違った部分もあるので、口ぶりがそれこそ上辺だけのセリフのようにならないように、体に馴染むような役作りを心掛けました。
古瀬リナオマナミは言っていけないようなこともバーっと言ってしまうところに目が行きがちだと思います。でも、マナミ自身は真っ直ぐで、真面目で素直な子だということが段々と分かってきました。一つ一つを大切に真っ直ぐに向かっているからこそ、ちょっとひねくれて素直になれないリリコとはぶつかってしまうのかなと思いました。マナミの特徴的な口調は台本にも書かれていて、オーディションの時はどういうことなんだろうと探り探りでしたが、現場では監督からもアドバイスをいただきながら落とし込んでいくことができました。
Q いまおかしんじ監督の現場はいかがでしたか。
A有里まりな監督はぽんっと現れて、ぽんっと話して去っていくような方でした。
古瀬リナオ飄々とされていて、俳優としても出ていらっしゃる時の雰囲気そのままでした。
有里まりなリリコはツンツンしているようでアホっぽい愛らしい部分もあって、そこは監督が作っていかれた部分でもあるのかなと思いました。リリコが急に発声練習し始めるようなところはそうなんだろうなと思います。
古瀬リナオ最初、マナミのどういう部分を掘り下げていこうかと考えていたときに、「今はいろいろ考えて、現場に入ったら何も考えずにその場の空気に乗って楽しくやればいいよ」と言っていただけて。その時は頭では理解しながら実際にできるのかなとも思いましたが、始まってみると、細かい演出もほとんどなくて、それこそ空気感やシーンの感情を作っていただけたので、ずっとマナミとしていられました。
Q お互いに共演されていかがでしたか。
A
有里まりなリリコとマナミはずっと一緒にいるので、古瀬さんと過ごす時間も長かったのですが、一緒にいると居心地の良さを感じていました。リリコとマナミが1歳違いで私たちも同様と、共通点が多いので、パートナーとしてよいお芝居できたなと思います。もちろんツンツンせずに、いつも古瀬さんに「かわいい、かわいい」と接していました（笑）。
古瀬リナオ私は有里さんを格好いいなと見ていたり、強がっている中のかわいらしさも見えて、役柄に近い関係性でいられたので、安心感もありました。
Q 甲州街道を同行するタイチ役の遠藤史也さん、ルミ役の和田瞳さんとの共演はいかがでしたか。
A有里まりな4人とも20代で年齢も近かったので、打ち解けるのも早かったです。撮影は明大前からスタートして、ある程度スリーリーに沿って甲州街道を辿りながら撮影していったので、物語の進行に合わせて役者同士の関係性も共に作りながら進められましたし、非常に楽しい現場でした。
古瀬リナオおふたりとも、カメラが回って役に入る時の集中力がすごかったです。すごく引っ張っていただいたなと思います。
有里まりな遠藤さんはアドリブをどんどん入れてこられるので、私も楽しくなってどんどん乗っかっていきました。
古瀬リナオそうなんです。それもすごく楽しかったです。
有里まりなそんな風にみんなで作っていく楽しい現場でした。
Q ロードムービーということでは、撮影はどのように進められたのでしょう。
A有里まりな山梨に向かう途中の相模湖など、順撮りに近い形で撮っていただきました。でも車内シーンは最終日にまとめて撮ったり、ライブのシーンも別日ですので、全てが順撮りということではなかったです。
古瀬リナオ同じルートで自分たちも移動していたので、「マナミたちは車内でこんな感じだっただろうな」と、移動の様子を実感できたのがよかったです。
Q 撮影エピソードをお聞かせください。
A有里まりなT.C.R.横浜銀蝿 R.S.の翔さんとの共演シーンが印象深いです。3人でセッションさせていただいて、その場で録音したものを使っていただいているんです。お芝居の中でも翔さん自身のお人柄のままストレートにセリフを投げてくださるので、楽しみながら演じることができました。
古瀬リナオマナミの初恋の相手に会いに行くというこの旅の目的地に着いたとき、その土地の山並みなどを見て、私自身の故郷に帰ってきたような居心地の良さと懐かしさを感じられたのが印象的でした。そこで農作業している相手を見つける芝居から、すっかり世界に入り込むことができました。私自身がマナミのような経験をしたように感じられて、その没入感には鳥肌が立つくらい感動しました。
Q エンドロールの映像は見ていて楽しくなりますね。
A有里まりな撮影の中盤あたりで、真冬の朝、雪が積もっていてとても寒かったですが、こんな仲間たちとこういう風に音楽ができたらいいなと思いながら演じたのが思い出深くて、楽しいシーンですね。
古瀬リナオ楽しく取り組みましたが、これはエンドロールの特別な演出なので、この4人で実際にこんな風になったらいいのになと、切ない気持ちにもなってしまいました。
Q 本作に出演されて、新しい発見などはありましたか。
A有里まりな初めての主演で、役に向き合っていく中で思ったのは、今できることを全てやろうということでした。そんな全身全霊で力を出し尽くすような力の使い方はとても学びになったと思っています。
古瀬リナオ準備をしていく段階はひとりぼっちなので不安しかないのですが、いざ現場で他の3人や監督と関わっていくと、役が伸び伸びと広がっていくような感覚を味わうことができる濃密な日々でした。ここまでそれを体感できる機会はあまりなかったので、新たな発見であり学びでした。
Q 有里まりなさん、古瀬リナオさんからOKWAVEユーザーにメッセージ！
A有里まりな10代後半から20代くらいでは、生きづらさや自由になれない部分など、悩みを抱えている方も多いと思います。そんな方がこの映画を観て、自分だけではないということや、こんなちょっとアホな人たちがいるんだと思っていただいて、ひとつの救いになるといいなと思います。また、30代以上の方にはこういうことあったなと、ちょっと恥ずかしがれるような映画になればいいなと思います。
古瀬リナオロードムービー好きとしては、一緒にドライブしている気分で楽しんでいただけたらいいなと思います。周りから見れば小さなことかもしれませんが、4人それぞれには大きなことですし、一緒に悩んだり前向きになるところを共有していただけたらいいなと。映画館を出た後は私たちのように少しでも明るい前向きな気持ちで帰ってもらえたら嬉しいです。
■Information
『甲州街道から愛を込めて』
2022年8月5日（金）よりシネマート新宿にて公開、ほか全国順次ロードショー
メンバーとケンカ別れしてバンドが解散した、売れないミュージシャンのリリコ。リリコの友人で彼氏にフラれたばかりのメンヘラ女子マナミ。元ミュージシャンでフリーターのタイチ。タイチの彼女で量産型女子のルミ。ふとした事がきっかけで、マナミが高校時代に片思いしていた男の子に告白するため、4人の男女は車で甲州街道を旅する事になる。生きる事がヘタな4人の小さな旅を描く青春ロードムービー。
出演： 有里まりな 古瀬リナオ 遠藤史也 和田瞳
伊藤和哉 高村悠志 西野真澄 中嶌俊介 尾崎蓮 広瀬彰勇
翔（T.C.R.横浜銀蝿 R.S.）
監督： いまおかしんじ
脚本： 中野太
製作・配給： キングレコード
配給宣伝：ブラウニー
公式サイト： mayonaka-kinema.com
公式Twitter： @EroticaQueen21
©2022キングレコード
■Profile
有里まりな
12月18日生まれ。
女優として活動中。
https://twitter.com/marina_arisato
https://www.instagram.com/marina_arisato/
古瀬リナオ
5月13日生まれ。
女優として活動中。
https://mobile.twitter.com/rinaofuruse
https://www.instagram.com/rinaofuruse/