Vol.1112 女優 田中美晴(映画『とおいらいめい』について)

田中美晴(映画『とおいらいめい』)

OKWAVE Stars Vol.1112は映画『とおいらいめい』(2022年8月27日公開)にて三姉妹の次女役でトリプル主演を務めた田中美晴さんへのインタビューをお送りします。

Q 本作の出演のきっかけをお聞かせください。

A田中美晴(映画『とおいらいめい』)田中美晴シネマプランナーズにオーディションの情報が載っていて、「世紀末」「三姉妹」と書かれたテーマに興味を持ち応募しました。私自身、三姉妹の真ん中なので、余計に「三姉妹」という題材に惹かれたのかもしれません(笑)。オーディションでは、長女役の吹越ともみさんと偶然同じ回だったので、顔合わせで二人揃って合格だったと知ってさらに嬉しかったです。

Q 台本の印象についてお聞かせください。

A田中美晴想像以上に優しいお話だと感じました。「世紀末」と「三姉妹」という題材だったので、いったいどんなお話になるんだろうと思って台本を待っていました。「彗星の衝突により人類の滅亡が数ヶ月後に迫った2020年」で、世の中ではいろいろなことが起きているけれど、三姉妹の周りには心地よい空気が流れているなあと。映画の終わり方も含めて、大橋隆行監督は相当優しい方だと感じました(笑)。実際、お会いした監督のお人柄も優しくて、現場でも伸び伸びと演じさせていただきました。
設定に関してはありそうでなかった話なので面白いなと感じました。腹違いの姉妹ものということでは『海街diary』のようでまた違いますし。ゆったりと三姉妹にスポットを当ててもらいながら、穏やかな日常のすぐ近くに世紀末という大きな背景ゆえの危うさもある、という点に引き込まれるものがあると感じました。

Q 三姉妹の次女・花音役をどのように受け止めましたか。

A田中美晴(映画『とおいらいめい』)田中美晴花音は姉のことも妹のこともすごく大切にしています。3人で過ごしていたいという思いが強いのだけれど、その気持ちを表面に出すのは苦手なんだろうなと思いました。そういう表現は苦手だけど、ちゃんと愛情はある、ということを意識しました。
この三姉妹の中では花音が自分に近いかなと思いました。監督からは「花音は基本、フラフラ、ゴロゴロしている」と言われましたので(笑)、家ではゴロゴロ、歩いている時も右に左にフラフラと、ゆったり演じました。3人で暮らし始める前にどんな仕事をしていたのか姉に聞かれてもはぐらかすシーンがありますが、裏設定はなかったので、自分なりに花音がどう生きてきたのか考えて演じました。

Q 海の見える素敵なロケーションでしたね。

A田中美晴岡山の瀬戸内海の近くで撮影していました。さわらが有名で、さわらのお刺身がとても美味しかったです。
撮影開始は2020年の3月で新型コロナウイルスの感染が拡大する直前だったので、まだみんなでご飯を食べに行く機会もあって、みんなの距離感が近づいて、一致団結できました。8月に花音と絢音の子ども時代、12月に屋内シーンなどの撮影をしました。

Q 現場の雰囲気はいかがでしたか。

A田中美晴アットホームな現場でした。八百屋の耕三役で出演もされている藤田健彦さんが制作も担当されていて、現場ではお弁当の準備などもしていただいていたんです。みんなのパパみたいな感じで、みんな甘えつつ頼りにしていました。

Q 姉・絢音と妹・音を演じた吹越ともみさん、髙石あかりさんとの共演はいかがでしたか。

A田中美晴一緒にいて居心地が良かったです。ともみさん演じる絢音、あかりちゃん演じる音がいて、私の演じる花音と、バランスが良くて、あまり悩まずに演じることができました。いまでも会えば「お姉ちゃん」「音」と呼びそうになるくらい役が染みついているので、役として共演したというよりも、姉妹として一緒にいた感覚が強いです。お互いにいい意味で一生懸命打ち合わせするようなことはなく、自然とやってみて馴染んでいたので、フィーリングで演じることができたなあと思います。

Q 花音と小学生の同級生・良平との関係のところはいかがでしたか。

A田中美晴(映画『とおいらいめい』)田中美晴良平役のミネオショウさんは大橋組の常連というイメージがあって、何か困ったら聞けばいいと思って頼らせていただきました。

Q 印象的だった撮影エピソードをお聞かせください。

A田中美晴今回、衣装は自己管理だったんです。2020年部分は冬の話で、服の組み合わせも多かったので、「このシーンは、こっちの続きだから衣装はこれだよね」とお互いに確認し合っていましたが、あるシーンを撮り終えて「いい感じだったね」と声を掛け合っていたところで「あ、上着が違っていた」なんていうことがあって、あたふたしてしまったのが印象に残っています。そんなハプニングも思い出深いです。

Q 12分の長回しもあったそうですね。

A田中美晴日が沈むのを狙った一発勝負でしたが、意外と日が暮れるまでの時間は長いなという印象でした(笑)。日が沈む直前の動きだけが指示されていて、他は自由だったので、3人でお芝居の息を合わせることをがんばりました。その時のセリフもその場で出てきたものなんです。

Q 完成した映画をご覧になってご自身ではどう感じましたか。

A田中美晴映像がきれいだなというのが第一印象で、2時間半の長編ですが、長さよりもゆったりしている印象の方が大きくて、この時間がずっと続いてほしいなと思いました。自分で姉妹の一人を演じましたが、この三姉妹が幸せであってほしいなと感じました。
コロナ前に企画された映画ですが、意図せず、今の時代に合った作品になっているなあと、大橋監督には予知能力があるのかななんて思いました(笑)。

Q 特にどんな方におすすめしたいですか。

A田中美晴老若男女どなたでも観ていただける映画ですが、とくにちょっと疲れている方におすすめしたいです。私はこの映画を観て、大切な人や大切にしなければと思う人の顔を見たくなりました。そういう人がいる方、いるけれどあまりいい関係ではない方も含め、この映画を観ていただくと心の中に何か去来するものがあると思います。

Q 本作を通じて新しい発見などはありましたか。

A田中美晴何があっても日常は傍にあるのだなあと思いました。それと、何をする、というよりも、誰といる、ということが一番大事なのかなと思いました。大人になると仲の良かった兄弟姉妹でも疎遠になりがちですし、ふとしたことで家族の絆を思い出すきっかけになればいいなと思います。

Q 田中美晴さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A田中美晴この映画は、世紀末には似つかわしいくらいゆったりした時間が流れています。その中で、異母姉妹の三姉妹が再会します。この姉妹がどうなっていくのかをぜひ見守っていただけたらうれしいです。そしてラストシーンを観て皆さんがどう感じるのか、ぜひ劇場で観て感じていただけたらと思います。

Q田中美晴さんからOKWAVEユーザーに質問!

田中美晴池袋でおすすめの台湾スイーツのお店を教えていただきたいです。最近、台湾スイーツにハマっています(笑)。

回答する


■Information

『とおいらいめい』

映画『とおいらいめい』2022年8月27日(土)〜9月23日(金)池袋シネマ・ロサにてレイトショー公開

彗星の衝突により人類の滅亡が数ヶ月後に迫った2020年。小学生だった1999年にノストラダムスの予言を信じ、家出をした長女・絢音と次女・花音と、その後生まれた腹違いの妹・音が、初めて一緒に生活することになる。
絢音は、彗星の衝突を前にシェルターの個室の設計を担当しており、暴力によるシェルター強奪の危険と隣り合わせの日々。花音は、帰郷を機に、妻とうまくいっていない妻子持ちの小学校の同級生・良平と再会。音は、未成年ながらひょんなことから飲み会サークルと出会い、飲んだ帰りに花音が良平にキスするのを目撃。
互いに踏み込めず、すれ違う三姉妹は、世界の終わりを前に、本当の家族になれるのか。

出演: 髙石あかり 吹越ともみ 田中美晴
ミネオショウ 大須みづほ 森徠夢 武井美優
藤田健彦 しゅはまはるみ

企画・製作・配給: ルネシネマ
監督・脚本: 大橋隆行
原作: とおいらいめい(2004年上演舞台)

公式サイト: runecinema.com/tooiraimei/
Twitter:: https://twitter.com/tooiraimei
Facebook:  https://www.facebook.com/rune.tooiraimei/

©ルネシネマ


■Profile

田中美晴

田中美晴(映画『とおいらいめい』)1992年12月25日生まれ、埼玉県出身。
2005年デビュー。2019年に制作された、日仏合作ショートムービー『MINORI』にミノリ役で出演し、フランスで話題に。2022年1月公開の『フタリノセカイ』、2月公開の『Be Here Now』に出演。その他、ヒロイン役で出演する待機作品あり。「京成スカイライナー」、「三菱電機」、「小林製薬・キュアレア」のCMにも出演している。

https://www.gristoffice.com/tanaka-miharu
https://www.instagram.com/tnk_miharu/
https://twitter.com/miharu_tanakayo


関連インタビューとQ&A