OKStars Vol.459 女優 大野いと

OKStars Vol.459はSABU監督最新作『天の茶助』にヒロイン・ユリ役で出演の大野いとさんへのインタビューをお送りします!

Q 『天の茶助』出演が決まった時はどう感じましたか。

A『天の茶助』大野いとすごく嬉しかったです。頑張ろうという気持ちになりました。松山ケンイチさんとの共演にもワクワクしました。どんな方なんだろうという興味も大きかったです。

Q 言葉を発することができないユリ役についてどう受け止めましたか。

A大野いと難しいだろうなと思いました。私自身は、気持ちが高まると声に出してしまうこともありますが、ユリはそういう時でも声を出せないから、実際に演じていても、思わず声が出そうになってしまうこともありました。ユリは言葉を話せないまま生きてきたから、声を出すことができる私自身とはきっと違う人生を生きてきたんだろうなと思いました。そこを埋めるのが大変でした。

Q 茶助と出会ってユリの人生は大きく変わっていきますが、茶助を演じた松山さんとの共演はいかがでしたか。

A『天の茶助』大野いと台本で読む茶助もすごく素敵でしたし、松山さんが演じる茶助を見て、もっと好きになりました。発しているセリフは台本のままなのに、すごく優しさが感じられました。茶助とユリが抱き合うシーンでも優しさを感じて、ユリは茶助を好きなんだと私自身も実感できました。

Q 役柄などについて松山さんとは話したりしましたか?

A大野いと役柄についてはほとんど話しませんでしたが、食事につれていって頂いたり、現場で緊張をほぐして頂いたりして、いつも助けて頂いていました。

Q 沖縄ロケについてはいかがでしたか。

A『天の茶助』大野いと楽しくて、本当に沖縄でロケができて嬉しかったです。沖縄でなかったら、こんな独特な雰囲気は出なかったと思います。沖縄の人たちは本当に穏やかで。疲れた顔も私は一度も見ませんでした。最初と最後の商店街でのシーンは沖縄の皆さんと一緒に撮影をしましたが、朝から夜までですごく大変だったのに、最後まで皆さん笑顔で感動しました。それまでも沖縄は好きでしたけど、以前の10倍好きになりました。

Q エイサーなどをやっている中での撮影はいかがでしたか。

A大野いとすごく迫力がありました。エイサーや七福神の船が出てきたり、鈴の音が鳴ったり、現場にはすごくパワーがみなぎっていました。

Q SABU監督から何か指示をされましたか?

A大野いとSABU監督に初めてお会いした時に、「最後のシーンがユリにとっての見せ場なので、大げさには演じないでほしい」と言われました。それを聞いて「なるほど」と思いました。ユリは大げさなことをする子ではないし、嫌味のない女の子になったらいいなと思いました。言葉が話せないと、身振りや表情で相手に伝えようとしますが、段々と大げさな表現になってしまうと思います。でも、感情を出しきる最後のシーンでも、心から出てくる純粋な素直な気持ちが大切なんだと理解しました。茶助が途中から全身刺青の入ったキャラクターになりますが、それでもこの人は大丈夫なんだと思って茶助のことを好きになったのかなと思います。

Q 本作はひとりひとりの運命を天界の脚本家たちが書いている、という斬新な設定ですが、そういう運命や占いのようなものをどう捉えていますか。

A大野いと占いは大好きですけど、いいものだけを信じています(笑)。悪いものよりもいいものだけが心に残るので、テンションを上げるためのものかなって思います。

Q この役は自分がやる運命だった!というようなことを感じたりしますか?

A大野いとみんなが作ってくれたと思ってますね。

Q 運命は自分で変えていける、という力強いメッセージが根底に流れています。

A大野いと私も変えていけると思います。でも、運命を変えていけると思えるような意思は、過去から来ていると思うので、そのためには出会いが大切だと思います。そして、自分のことを信じてくれる友だちとどれだけ出会えるか、それを見つけるのも自分なんだと思います。

Q 撮影中の、ちょっとした“感謝の気持ち”を感じたエピソードをお聞かせください。

A『天の茶助』大野いと映画の最後のシーンを撮り終えた時、沖縄のエキストラの方たちが拍手をしてくれたんです。嬉しかったですし、むしろこちらが皆さんに拍手をしなければならないのに、感動しました。感謝の気持ちでいっぱいになりました。

Q ベルリン国際映画祭のコンペ部門に選出されましたが、映画祭に参加された感想をお聞かせください。

A大野いと私はすごく幸せ者だと感じました。一生に一度の体験だと思って、いろんなものを吸収しながらレッドカーペットを歩くことができて、自分自身もいっしょに輝くことができたかなと思います。

Q 大野いとさんからOKWaveユーザーにメッセージを願いします。

A大野いと『天の茶助』を観ると、いろんな人生があるんだと感じられます。そして誰も同じ人生ではないと、ちゃんと感じることができるのがこの映画の魅力のひとつだと思います。自分の人生は変えられるんだと思ってもらえたらもちろん嬉しいですし、この先は明るいかなと少しでも感じてもらえたらすごく嬉しいです。笑いどころもたくさんあり、沖縄の風景もきれいなので、たくさんの方に観ていただきたいです。

Q大野いとさんからOKWaveユーザーに質問!

大野いと茶助は天界から地上にやって来ますが、皆さんは天国ってあると思いますか?

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■Information
『天の茶助』

『天の茶助』

2015年6月27日(土)より全国ロードショー!

天界。白い霧が漂い、どこまでも続くような広間。そこでは数えきれぬほど多くの脚本家が白装束で巻紙に向かい、下界の人間たちの「シナリオ」を書いていた。人間たちは彼らが書くシナリオどおりに人生を生き、それぞれの運命を全うしているのである。茶番頭の茶助は脚本家たちに茶を配りながら、そんなシナリオの中で生きている人間たちの姿を興味深く眺めていた。中でも、口のきけない可憐で清純な女性・新城ユリへの関心には恋心にも似た感情があった。そのユリが車に跳ねられて、死ぬ運命に陥ってしまったことを知る茶助。ユリを救う道はただひとつ、シナリオに影響のない天界の住人・茶助が自ら下界に降り、彼女を事故から回避させるしかなかった…。

監督・脚本・原作:SABU
出演:松山ケンイチ、大野いと、大杉 漣、伊勢谷友介、田口浩正、玉城ティナ、寺島進
配給:松竹メディア事業部/オフィス北野

公式サイト:chasuke-movie.com

©2015『天の茶助』製作委員会


■Profile

大野いと

大野いと1995年7月2日生まれ、福岡県出身。O型。
2009年よりモデル活動を始め、2011年、映画『高校デビュー』の主演・長嶋晴菜役で俳優デビュー。映画の代表作に『愛と誠』(12/三池崇史監督)、『愛を歌うより俺に溺れろ!』(12/福山桜子監督)、『ツナグ』(12/平川雄一朗監督)、『偉大なる、しゅららぼん』(14/水落豊監督)、『ライヴ』(14/井口昇監督)など。TVドラマの出演作に「高校生レストラン」(11)、「南極大陸」(11)、「最高の人生の終り方 エンディングプランナー」(12)、「黒の女教師」(12)、「東野圭吾ミステリーズ 第4話 レイコと玲子」(12)、「あまちゃん」(13)、「山田くんと7人の魔女」(13)、「巫女に恋して」(14)などがある。
http://www.horipro.co.jp/onoito/

スタイリスト:古田千晶
ヘアメイク:三宅 茜