OKStars Vol.469 ダンサー アダム・クーパー&ラウラ・モレーラ

OKStars Vol.469はアダム・クーパーさんとラウラ・モレーラさんへの『兵士の物語』についてのインタビューをお送りします。

Q 『兵士の物語』の今回の公演で感じたことは何でしょうか。

Aアダム・クーパー演出・振付のウィル・タケットとは25年に渡る良い関係を築いてきましたが、彼は実にユニークな振付師です。今回、彼とのコラボレーションにより、自分にとってのミュージカルやバレエといった原点に立ち戻るいい機会となりました。

Q ラウラ・モレーラさんにとってはバレエにとどまらないチャレンジングな取り組みになったかと思いますが、難しさを感じたところをお聞かせください。

Aアダム・クーパー&ラウラ・モレーラ『兵士の物語』ラウラ・モレーラ私は長年バレエをやってきたので、今回台詞があるというのが一番難しさを感じたことでした。台詞自体は少ないのが救いでした。私にとって英語は母国語ではないのでイントネーションなどを考えることもありました。ただ、アダムがクリエイティブに支えてくれたので、良い挑戦ができたと思います。

Q イゴール・ストラヴィンスキーの音楽が使われる本作の作品との関係性についてお聞かせください。

Aアダム・クーパー『兵士の物語』では物語に音楽とバレエが融合しています。ナレーションだけではなく、音楽やダンス、そしてダンサーが台詞も話すので、難しい話を分かりやすくする良い試みだと思います。ウィル・タケットは今回の新キャストでこの表現ができると考えたのではないかと思います。

Q おふたりがコラボレートされた印象をお聞かせください。

Aアダム・クーパー僕とラウラは知り合って12年経ちます。長い時間に渡る関係性が築けたので、出会った当初よりもだいぶウマが合うようになったと思います。今回の役柄で、僕が演じる兵士は感情的な役柄で、その点でもラウラの演じるお姫様との関係性もうまくいっていると思います。

ラウラ・モレーラ最初はまだ経験が浅かったので、何でもうまくやるには一苦労がありました。それが今ではアダムとも息が合ってきていると思います。今回はダンスも台詞もあるので、アダムから学ぶことがたくさんあります。

Q イギリス本国と日本での観客の反応の違いなどは感じますか。

Aラウラ・モレーラ日本にはよく来ますので、私にとっては外国というよりも第二の故郷のようなものです。日本の観客は作品の背景や文化までも理解しているように思います。客席からのそういった反応が見られることは私にとってとても嬉しいことです。

アダム・クーパー日本では皆さん寛容さをもって受け入れてくれます。イギリスではバレエはともかく、演劇に関しては結構皆さん辛口ですね(笑)。

Q 今回のカンパニーの特徴をお聞かせください。

Aアダム・クーパー&ラウラ・モレーラ『兵士の物語』アダム・クーパー以前の公演とはかなり違います。ハラハラドキドキできる要素が増しています。ウィル・タケットはキャストの使い方が上手です。舞台上にものすごいエネルギーを盛り込んでいるし、パフォーマンスする上でタフさが求められるし、僕らへの難易度はかなり高くなっています。アレクサンダー・キャンベルが扮する悪魔は動きも台詞もかなりエネルギッシュになっています。全体に人物像が深堀りされていますし、衣装もグレードアップしています。

Q 作品のテーマ性について、伝えたいことは?

Aアダム・クーパー本作では誘惑に対する警告というテーマが描かれます。これは古今東西、時代を問わずどこででも通じるストーリーだと思います。

Q 『兵士の物語』を通じて新たな発見などはありましたか?

Aアダム・クーパーウィル・タケットと取り組んだ振付などでクリエイティブな知識が増したと思います。台詞やダンスも上達していると思いますので、自分はアーティストになれた実感があります。

Q OKWaveユーザーにメッセージをお願いします。

Aアダム・クーパーエネルギーに満ちたステージです。兵士はある種の犠牲者です。本当にやりたいことと誘惑の間で揺れ動く兵士の物語が描かれます。昨年『雨に唄えば』公演がありましたが、すぐに日本に戻って来られて嬉しいです。『兵士の物語』は本当にユニークな公演になっています。

ラウラ・モレーラ日本での公演ができて嬉しいです。全く新しいキャストですし、ウィル・タケットの演出も本当に素晴らしいです。フレッシュなものをお見せできると思います。

Qアダム・クーパーさん、ラウラ・モレーラさんからOKWaveユーザーに質問!

『兵士の物語』を観た方からはぜひ感想などお聞かせください。
また、悪魔の誘惑というテーマについての皆さんの意見もお聞かせください。

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■Information

『兵士の物語』

『兵士の物語』東京芸術劇場 プレイハウス
2015年7月24日(金)~8月2日(日)

休暇をもらい、故郷の母に会いに行こうとするひとりの兵士が、ふとしたことで悪魔に魂を奪われてしまいます。
彼は心(ヴァイオリン)を悪魔に渡し、そのかわりにお金や物、なんでも手に入れることが出来るという、奇妙な本をもらいます。
兵士はこの本によって、この世でくらべるもののないくらい大金持ちになります。
しかも、ある国の王女を嫁にする、というような幸せな日々が続きます。
しかし、兵士の心のなかでは、癒されないものを感じ始めます。
いまの幸せだけでなく、貧しかった時代の、あの幸福も忘れられない。
母と一緒に暮らせば、過去と現在のふたつの幸せを手にすることが出来るに違いない。
彼はお姫様とふたりで自分の生まれ故郷の村を目指します。
故郷の土を踏もうと、まさに国境を越えんとした途端、悪魔が現れ…。

音楽:イゴール・ストラヴィンスキー
演出・振付:ウィル・タケット
出演:アダム・クーパー(兵士)、ラウラ・モレーラ(王女)、サム・アーチャー(ストーリー・テラー)、アレクサンダー・キャンベル(悪魔)

料金:12,000円(全席指定・税込)

http://www.parco-play.com/web/play/soldier/


■Profile

アダム・クーパー&ラウラ・モレーラ『兵士の物語』

アダム・クーパー

1971年イギリス、ロンドン生まれ。
16歳でロイヤル・バレエ・スクールに入学し、2年後の1989年にロイヤル・バレエに入団。1994年にはプリンシパルダンサーの座を極め、あらゆる一流バレリーナとパートナーを組み、ケネス・マクミランやウィル・タケットとも再三に渡って共演を重ねる。1997年まで同カンパニーにとどまり、現在もゲストアーティストとして出演している。ダンサーとしてのみならず、振付家、演出家、俳優、ウェストエンドのミュージカルスターとしても世界をまたにかけて活躍を続ける。
十代の折からロイヤル・バレエと共に「白鳥の湖」をはじめ、彼自身のプロダクション「オン・ユア・トーズ」「危険な関係」でも何度も訪れてきた日本を第二の故郷と呼んでいる。

ラウラ・モレーラ

スペイン・マドリード生まれ。
ロイヤル・バレエ・スクールで教育を受け、1995年にカンパニーに加わり、2007年にプリンシパルに昇格。
「ロイヤル・エレガンスの夕べ」の日本でのダンス・ツアー・プロダクションに参加し、日本および世界でこのカンパニーの指導に当たり、成功を収めている。