OKWAVE Stars Vol.506は映画『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』(2015年12月4日公開)のプロデューサーで、原作者チャールズ・M・シュルツさんの息子であり、本作の脚本も担当したクレイグ・シュルツさんへのインタビューをお送りします。
Q 『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』映画化の経緯は?このタイミングになった狙いなどはありますか。
Aクレイグ・シュルツ父は2000年2月に亡くなりましたが、その後のアメリカでは新聞さえも姿を消しつつあって、子どもたちが“ピーナッツ”のコミックスを見る機会も減ってしまっています。また、ファンの方々に向けても何か新しくワクワクできるものが必要だと思いました。今回、映画ということで若い方々にも観ていただける機会になりますし、ファンの方々にも何か再発見して楽しんでもらえたらと思いました。そして、映画をきっかけに“ピーナッツ”のコミックにも触れていただいて、我々が学んだように、人生の教訓のようなものをまた皆さんに楽しんでいただけたらと思いました。
Q 脚本も手がけられましたが、どういうところを大事にしようと思いましたか。
Aクレイグ・シュルツ今回の映画ではいろんな想いや二次的な要素が層となって重なっていますが、焦点に置いたのは、50年間の父の作品に対して敬意を表することでした。ですので、これまでに発行されたコミックスを見返してアイディアを詰めていきました。内容そのものというよりもテーマ的なものを見出すことで、より大きなものにしていきました。
Q チャーリー・ブラウンをはじめ、キャラクターたちの魅力はどんなところにあると思いますか。
Aクレイグ・シュルツ僕は作品と身近なところで育ったのでまさに兄弟のような存在です。キャラクターはみんな独特ですけれど、どこかしらの要素が僕たちの中にちょっとずつあるんじゃないかと思います。チャーリー・ブラウンのようだったり、ルーシーのようだったり。このキャラクターたちは言わばピアノの鍵盤のようなもので、ドの音がチャーリー・ブラウンだとしたら、その他の音が他のキャラクターなんだと思います。
Q 今回、初めて3D/CGアニメーションを取り入れましたが、実際に映像をご覧になってどう感じましたか。
Aクレイグ・シュルツ最初に観た時は嬉しかったです。8年くらい前に3Dでのキャラクターを見ましたが、その時はまだまだという印象でした。その後、スティーブ・マーティノ監督がいくつか3D作品を手掛けた後に最新の技術を使って作ってきてくれたのを見て、それが素晴らしかったです。今回の作品では、最初に教室のシーンが出てきますがキャラクターがしっかりと描けていて、自分の肩の荷がちょっと下りた気にもなりました。
Q 大人が出てこない、子どもの世界を描くことで伝えたいことは何でしょう。
Aクレイグ・シュルツバランスというものが厄介でした。子どもたちのセリフが大人びた洗練されたものばかりというよりも、食事のスパイスのようにちょっとずつ効かせていくのが大事です。ライナスのようにキャラクターによっては洗練された言葉を多く喋ってはいますが、それだけではなく楽しさも出さなければならないし、かといってそれだけでも映画としての感覚が損なわれてしまいます。コミックスの1コマとは考え方が違いますので、そのバランスをとることには気を使いました。
Q スヌーピーの空想力で生まれたフライング・エースについてお聞かせください。
Aクレイグ・シュルツ今回フライング・エースはぜひ登場させたいと思いました。空中戦などダイナミックな動きを出せるので、とくに小さな男の子向けにより楽しんで観ていただけると思いました。今回はチャーリー・ブラウンのラブストーリーが主軸にあるので、そのバランスで男の子に楽しめる要素として取り入れました。日本の皆さんはあまりご存知ではないかもしれませんが、スヌーピーはその空想力でフライング・エース(第一次世界大戦の撃墜王)に扮します。父が描いたレッド・バロンというライバルとの空中戦やその背景についてはファンの方々の反響が大きかったので、この映画でも登場させました。
Q クレイグ・シュルツさんからOKWAVEユーザーにメッセージをお願いします。
Aクレイグ・シュルツ日本の友達の皆さんに映画を楽しんでいただきたいと思います。友達やご家族と観て楽しんでください。
Qクレイグ・シュルツさんからOKWAVEユーザーに質問!
クレイグ・シュルツ『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』の登場人物の中で、皆さんにとって最も共感する、自分の性格に近いキャラクターは誰でしょうか。
■Information
『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』
2015年12月4日(金)TOHOシネマズ スカラ座他全国ロードショー
やることなすことうまくいかない不器用な少年、チャーリー・ブラウンにとって、毎日はバラ色というわけにはいかない。凧をあげれば必ず木に絡まるし、野球をやっても一度も勝ったためしがないからだ。万事この調子でルーシーや妹のサリーにはからかわれ、飼い犬、というより親友のスヌーピーにもあきれられて、もうため息しか出てこない。
しかし、そんなチャーリー・ブラウンの日々に大きな変化が訪れる。クラスに赤毛の女の子が転校してきたのだ。彼女を一目見るなり、胸の高鳴りを覚えるチャーリー・ブラウン。なんだろう、この気持ち!?そう、彼は恋に落ちたのだ!彼女に話しかけたい、と思い立った彼は花を手に、彼女の家の玄関までスヌーピーに付き添ってもらうが、最後の一歩で勇気を出すことができないのだった。
一方、スヌーピーは大冒険の旅に出発する。空想好きな彼は、犬小屋の屋根からパイロットのフライング・エースになりきり、兄弟たちをクルーに迎え、パリの空へと出撃したのだ。宿敵レッド・バロンを倒すというミッションに燃えて危険な飛行を行う彼は、キュートなパリジェンヌのフィフィに出会って一目惚れ。ロマンティックな空のデートとアクロバティックな戦いに身を投じる!
だが、チャーリー・ブラウンがピンチとあらば、いつだって彼のそばへと戻ってくるのがスヌーピー。小さな赤毛の女の子と踊りたい、とチャーリーが思えば華麗なダンスの手ほどきをするし、いつでも背中を押してあげる。「自分を変えたい」と決意したチャーリー・ブラウンはそんなスヌーピーの応援に応えてダメな少年から一歩前に踏み出し、赤毛の女の子と話すことができるのだろうか……?
監督:スティーブ・マーティノ
脚本:クレイグ・シュルツ、ブライアン・シュルツ、コーネリアス・ウリアーノ
日本語吹替え版キャスト
チャーリー・ブラウン:鈴木福
赤毛の女の子:芦田愛菜
サリー:小林星蘭
ルーシー:谷花音
配給:20世紀フォックス映画
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/snoopy/
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PEANUTS © Peanuts Worldwide LLC
■Profile
クレイグ・シュルツ
“ピーナッツ”の原作者、チャールズ・M・シュルツの4番目の子どもとして生まれる。チャールズ・シュルツ未亡人のジーン・シュルツと同じく、チャールズ・M・シュルツ・クリエイティブ・アソシエイツの仕事を通し、兄弟を代表して父の遺産を引き継いでいる。本作で、息子のブライアンと執筆パートナーのコーネリアス・ウリアーノと共に、ライターおよびプロデューサーとして協力している。熱烈な飛行家のクレイグは、20年に渡って、サンタローザでチャーター便の会社を経営していた。現在、妻のジュディと共に、カリフォルニア州サンタローザに在住。