OKWAVE Stars Vol.508はミュージカル『DNA-SHARAKU』(2016年1月10日開演)にてナオト・インティライミさんとW主演する小関裕太さんへのインタビューをお送りします。
Q 『DNA-SHARAKU』の出演についてのご感想をお聞かせください。
A小関裕太最初は僕とナオト・インティライミさんのW主演の話と聞いて、僕の中では大きな衝撃でした。アーティストのイメージがあるナオトさんとミュージカルの舞台でタッグを組むということにちょっと不思議な印象を受けました。ミュージカルは音楽があって、その上に感情を載せていくものなので、音楽をすごく愛しているナオトさんとご一緒できるのはものすごく大きなことなんだろうなと、想像しきれないくらいいろんなことが膨らんでいきました。そういう「今回はこんなこともあるのかな」という自分の想像した疑問がすごく楽しかったです。その後、他の共演者の方々が決まったのを聞いて、さらに大きな衝撃が走りました。たとえばイッセー尾形さんの名前を見るだけで想像を膨らまして最後は「恐れいります」という気持ちになったりしました(笑)。
Q 主演ということについてはいかがですか。
A小関裕太すごく楽しみです。初めて主演を務めた時はものすごいプレッシャーで、自分はどういう立ち位置で周りに対してどこまでやればいいのだろうという戸惑いがすごくありました。今はそれも楽しみでしかなくて、この物語の主人公を演じるからこそ得られる役の人格もモチベーションになっています。物語を伝える主軸としての大きな責任もありますが、自分が如何ようにもできる可能性がとても大きいのでワクワクしています。この話を聞いた時もそうですし、作り始めた今もワクワクしています。
Q 原案が冲方丁さんということで、社会性とSFが混ざった話になるのかなと思いますが、物語をどう捉えていますか。
A小関裕太タイトルにもなっている“DNA-SHARAKU”というものは人間の中にある魂のようなもので、簡単に言うと人間の芸術性のことです。日本人の芸術の原点でもある浮世絵を描いた写楽がこの物語では大きな存在です。物語は4つの時代に分かれていて、未来の社会を支配している人工知能はその芸術性を恐れています。芸術性を持つことで人は争ったり戦争をしたりすると、人工知能が計算ではじき出し、それを無くすために芸術の根本になっている写楽を消そうとします。それで“DNA-SHARAKU”を持つ者を過去に向かわせて写楽を処刑し、芸術性そのものを消そうとしています。SF舞台なので設定は新鮮ですし、想像しきれないです。舞台の技術も照明をはじめ、すごいものが出てきます。音楽も井上ヨシマサさんですし、エンターテインメントとして楽しい部分や、派手な部分がたくさんあります。一方で「芸術の大切さとは」というメッセージを伝えていく壮大な作品だと思います。
Q 演じる結城連についてお聞かせください。
A小関裕太過去、現在、近未来、遠い未来、という4つの時代のうち、近未来の素朴な若者を演じます。2045年の設定ですが、その時代でも少しずつ芸術が禁止されていきます。世間から芸術活動をバカにされたりすることに対して、嫌悪の気持ちや悲しみ、怒りを持っている青年です。連くんは芸術を愛していて、そこは僕も同じですが、連くんの自己主張の強さや、世間に対して「自分の存在を分かっていない」と言えるような強さを持っているところは僕とはちょっと違うところです。ただ、年代も近いですし、性格も好きなことも近いので、役柄を演じるにあたって特別に準備することは今のところはないです。
Q そんな芸術を愛している人が写楽を狙う立場になるのですね。
A小関裕太皮肉ですよね。芸術を大切にしている人が芸術の根本を消そうとしているんです。2116年の未来は人工知能に人間が支配されている設定で、その人工知能は“DNA-SHARAKU”を持つ者に“DNA-SHARAKU”の根本を狙わせようとしているので、すごい皮肉だと思います。
Q どんな舞台になっていくでしょうか。
A小関裕太曲数も多いですし、物語を曲で動かすようなイメージだと思います。今はまだ譜面を読んでいる段階ですが井上ヨシマサさんの曲はすごく面白いです。ヒットメーカーですので、聴きやすいですけど、ちょっと奇抜でそのバランスが独特ですし、そこが楽しみな要素だと思います。歌詞は演出・脚本の小林香さんが書いていて、物語の人物が感じる感情が描かれています。ポップな曲調からラップのようなもの、哀しみを歌っているものもあれば、未来に対する欲望を歌っているものまで幅広いです。今回は重要な役が多くて、しかも歌えるキャストの方がすごく多いので、一つの曲の中でいろんな方が歌うというところも見られると思うので、それも面白い要素だと思います。
Q 現時点で一番楽しみなところは?
A小関裕太僕としては美術と映像が楽しみです。映像は、最先端の映像技術を扱うライゾマティクスの齋藤精一さんが担当されます。視覚から入ってくるエンターテインメントは印象にも残りますし、迫力もあると思います。美術については、僕は「ガラスの動物園」という舞台が好きで、とくに照明と美術が好きだったので、今回それを担当した美術の方が入ってくださるので、個人的にもすごく楽しみなところです。
Q どんなことを大切に演じたいですか。
A小関裕太メッセージ性です。重要な人物がたくさん出てきますが、ストーリーの大事な部分や人物の中で一番お客様に伝わってほしい感情を自分の中で考えてできれば、お客様にとってより分かりやすくいろんなメッセージを伝えることができるんじゃないかなと思います。見ているだけでご自分と重ね合わせて見てもらえれば、この作品の持つ価値はすごく大きくなると思います。
Q どういった方たちに観て欲しいですか。
A小関裕太僕は子どもたちにも観てほしいです。歌や映像など、いろんなところにエンターテインメント要素が盛りだくさんなので、内容が分からなくてもワクワクすると思います。逆に内容が分からないからこそ吸収することができるものもあると思います。それができるのは頭で考え過ぎない子どもだと思います。子どもにしか感じ取れない感覚を大切にして欲しいと思います。僕は子どもの頃に「メリー・ポピンズ」という作品の虜になりましたが、登場人物のバンクス氏が銀行を解雇されることの意味は学校で勉強するまでは分かっていませんでした。それでも自分の根本のようなものがその作品を好きになるのはその時にしか経験できないし、その時期に作品に触れたから僕はタップダンスに憧れて、それが今の仕事にもつながっていったんだろうなと思います。今でもその当時に感じていたことが潜在的に残っているので、子どもたちにはこの作品で衝撃という形で出会ってほしいと思います。
■Information
『DNA-SHARAKU』
東京公演:2016年1月10日(日)~24日(日)新国立劇場 中劇場
大阪公演:2016年1月28日(木)~31日(日)シアターBRAVA!
福岡公演:2016年2月6日(土)~7日(日)キャナルシティ劇場
2116年、人工知能が支配する日本。そこでは「創造する心」が否定されていた。
感情の高ぶりは同時に争いも生み出す恐れがあるため、社会を不安定にさせる。人工知能はそう判断し、「創造する心」を忌み嫌っていたのだ。
人工知能の判断に従って、未来政府は日本人の持つ豊かな「創造する心」を根絶やしにするため、タイムトラベルで過去に遡り、歴史上の優れた芸術家や文化人など、強い「創造する心」を持つ人物を2116年に連行し、彼らの「創造する心」を破壊する行為を繰り返していた。
そんな中、人工知能が必死に探していたアーティストがいた。その名は東洲斎写楽。江戸・寛政年間に、活動わずか10 か月で歴史の闇に消えた謎の天才浮世絵師である。写楽を探そうとする人工知能は、二人の青年を追手として選び出す。2016年に生きる柊健二と2045年に生きる結城連だ。1793年に送り込まれた二人。そこで彼等が出会ったのは、幕府の出版統制や文化弾圧と戦いながらも「面白いこと」を追求する江戸の人々だった。
やがて二人は「創造する心」を守るため、未来政府と戦う事を決意する。時空を越えた冒険の最後に、彼等が出会う未来とは…。
原案:冲方 丁
演出・脚本・作詞:小林 香
音楽:井上ヨシマサ
映像:齋藤精一(ライゾマティクス)
出演:
ナオト・インティライミ 小関裕太(W主演)
新妻聖子 坂元健児 田野優花(AKB48) ミッツ・マングローブ
藤岡正明 Spi 大野幸人 Miz
朝海ひかる 中川晃教 イッセー尾形 ほか
東京公演チケット料金:S席12,000円、A席9,000円(全席指定・税込)※未就学児童入場不可
お問合わせ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00~18:00)
大阪公演チケット料金:S席12,000円、A席9,000円(全席指定・税込)※未就学児童入場不可
お問合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(全日10:00~18:00)
福岡講演チケット料金:S席11,000円、A席8,800円(全席指定・税込)※未就学児童入場不可
お問合わせ:キョードー西日本 092-714-0159(平日10:00~19:00/土曜10:00~17:00)
http://www.dna-sharaku.com/
主催・企画・製作:NHKエンタープライズ
■Profile
小関裕太
1995年6月8日生まれ、東京都出身。
NHK「天才てれびくんMAX」(06~08)のテレビ戦士として活躍するなど、子役として俳優活動をスタートさせる。その後、舞台『ミュージカル・テニスの王子様』(11~12)や『FROGS』(13)など、ミュージカルからストレートプレイまで幅広いジャンルの作品に出演し、ドラマ「ビターブラッド~最悪で最強の親子刑事~」(14・CX)、「ごめんね青春!」(14・TBS)、テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞 大賞受賞作品「化石の微笑み」(15・EX)、「ホテルコンシェルジュ」(15・TBS)、映画『ぶどうのなみだ』(14)、映画『空と海のあいだ』(15)、『あしたになれば。』(15)、『Drawing Days』(15)など話題作に相次いで出演している。
http://ameblo.jp/koseki-yuta/