OKWAVE Stars Vol.512はA New Musical『JAM TOWN/ジャムタウン』に出演する水田航生さんへのインタビューをお送りします。
Q 『JAM TOWN/ジャムタウン』出演についてどんな感想を持たれましたか?
A水田航生最初は錦織一清さんが演出される舞台ということに惹かれて、しかもそれが“ニューミュージカル”という新しい形で作るということにも魅力的を感じ、出演が決まった時は本当に嬉しかったです。
Q 横浜を舞台にしたストーリーですが、横浜へのイメージは何かありましたか。
A水田航生中華街へ出かけたり、ドライブで通ったことがあったくらいで、何度も来たことはなかったんです。横浜は多種多様な人たちやものが溢れているイメージです。僕は大阪の出身なので、同じ港町の神戸が近いイメージですね。
Q 演じられるJ.Jという役についてはいかがでしょう。
A水田航生今回初めてハーフの役を演じるので、ちょっとした英語の部分にも説得力を持たせたいと思います。僕自身は英語を話せないんですが、共演の方々にハーフの方や英語が得意な方がいるので聞きながらやっていきたいと思います。J.Jはホテルの御曹司ですごくお金があるがゆえの寂しさを持ちながら育ってきた人物で、物語の序盤ではそういう寂しさを抱えています。松浦雅さんが演じるあゆみと出会って、J.Jの心の固まっていたものが溶けていって、彼自身、前に進めるようになります。
Q どのように役作りを進めていますか。
A水田航生原作があるものは読み込んで研究もしますが、今回のような原作のないものは自分の経験の引き出しを探ってみて、全く同じようなものはなくても近いものを引き出して、それを表現したり、似た感覚を自分の中で生み出してヒントにしたりします。その後は演出家の方と話し合いますが、そういう中で生まれるものを大事にしたいと思っています。共演者とのお芝居を通して対峙した時に自分がどう思うかという感覚も大事にしながら演じて、そういったことで役作りになっていくのだと思います。
Q 共演者の方々についてお聞かせください。
A水田航生筧利夫さんをはじめ、大先輩の方々ばかりの現場です。筧さんは稽古場でもとてもストイックで、稽古場での居方や取り組む姿勢でカンパニーを引っ張っていってくださいます。お芝居で一発目に立った時や演出される前の様子からも、役者としてとてもパワーの強い方だと思います。藤井隆さんはとてもいい方で、面白さもあるし、みんなに気を配っていて、誰よりも謙虚なので、「こんなにいい人がいるの?」と思ってしまうほどです(笑)。そういうおふたりが先陣を切ってくださっているので、僕は伸び伸びと稽古ができています。J.Jとの関わりが多いあゆみ役の松浦さんは僕よりも5歳年下ですがとてもしっかりしていて、自分の思っていることや考えていることをいい意味で気を使わずに発信できる方なので、まだまだ若いのに尊敬します。同じ大阪出身なので関西弁での会話が弾むのもいいところですね。
Q 錦織さんの演出はいかがでしょう。
A水田航生すごくフランクにみんなと話したり、稽古場を盛り上げてくださる方です。振付の練習日でも錦織さんはほぼ毎日稽古場にいらしていて、振付を見て何か思いついたことをお芝居の演出に活かしているのだと思います。台本にない台詞をその場で思いついたり、新たに計算して練ってきたものを「こう言ってみて」と演出されて、それが台本になっていくので、その瞬間ごとに作られていて、「天才だなあ」と思ってしまいます。あんなにスターの方が丁寧に話してくださったり演出してくださるし、挨拶も、笑顔で深々と頭を下げて「お疲れ様でした」と言う普段の姿勢も本当に勉強になっています。あれだけスターの頂点を極めた方が今でも謙虚でいらっしゃるということが大切なことなんだと感じています。
Q ミュージカルということで、歌についてはいかがでしょう。
A水田航生ミュージカルはこれまでも何本か出演していますが、歌は自分の中ではまだまだ発展途上で課題でもあるところなので、日々稽古、日々特訓しています。今回、サントラを出すので、先日、劇中歌のレコーディングもしました。CDに自分がほとんど1曲のソロパートを担当する歌が入る経験は初めてだったので、レコーディングの際には緊張もしましたが、そういうところから歌に触れていって本番ではそれ以上のものを出していきたいと思います。西寺郷太さんの曲はどれも格好良くて、普通に曲を聴くだけでも絶対に楽しんでもらえる作品になっていると思います。
Q 歌と合わせて、ダンスもあるということですが。
A水田航生ダンスは小学生の頃からずっとやっていましたが、今回の振付も担当されているYOSHIEさんや、Oguri(s**t kingz)さんは“スーパーダンサー”なので、その中でダンスをするのは大丈夫かなと緊張もしましたが、稽古を重ねて徐々にいい形になってきたので、先生に聞きながらブラッシュアップしていきたいと思います。
Q 本作の見どころをお聞かせください。
A水田航生いろんなエンターテインメントが盛り込まれていて、観ている人が休む暇がないような怒涛の畳み掛けになると稽古をしながら感じています。ダンス、歌、お芝居に加えて、さらに違う要素もあるので、一つ一つのシーンでの見せ方だったり、曲や振付、構成を新鮮に観ていただけると思います。錦織さんは「今回は様々な分野のトップの方々が集まったドリームチームだ」と仰ってくださったので、自分もそのドリームチームの一員になれるように自分のスキルの150%くらいを出せるようにやっていきたいと思います。
Q 水田航生さんご自身の2015年はいかがだったでしょう。
A水田航生2015年は自分の中身がすごく変わった1年でした。今までのステージから違う階に上がって、もう一回作り始めているような感覚でいます。2015年2月の『マーキュリー・ファー』という白井晃さんの舞台に出演して、役者としてもひとりの人間としても、改めて付きつけられたことが多くて、そこで立ち返って考える機会にもなりました。2014年には自分の将来に少し迷いや葛藤のようなものもありましたが、自分がどうなりたいかということがその時にクリアになって、その後も舞台に立つ中で自分の中でいろいろ整理ができた1年でした。それで新たなスタートができたと思っています。
Q 2016年の抱負は?
A水田航生この『JAM TOWN/ジャムタウン』から始まり、2016年の上半期は怒涛の日々になると思います。夏までに『JAM TOWN/ジャムタウン』を含めて3本の舞台に出るので、今までになかったことを年明けからやるのが未知で恐怖も少し感じています。でも自分がどうなるんだろうという楽しみの方が大きくて、自分でも予測がつかない領域に入るんだろうなと思います。舞台を3本終えた後に自分がどんな気持ちでいるのかも楽しみです。そういう中での瞬間ごとのインスピレーションや瞬発力を大切に生きていきたいなと思います。
Q OKWAVEユーザーにメッセージをお願いします。
A水田航生“ニューミュージカル”という冠が付いているように、新しい要素や試みが盛り込まれていて、日本のミュージカルだとは思わないような構成がふんだんに組み込まれている作品です。ミュージカルを観てきた人には違ったものを観ていると思えるような、しかも横浜が舞台の日本発のミュージカルを楽しんでいただけると思います。初めてミュージカルや舞台を観る方には、何かを考えさせるというよりもエンターテインメントで見せる舞台なので、休む暇もないミュージカルになるだろうと確信しています。ぜひご来場ください。
Q水田航生さんからOKWAVEユーザーに質問!
水田航生錦織さんが「ふとした日常をミュージカルにしたい」と話していたそうです。それにちなんで、質問は「これをやっている時が幸せだと思うことは何ですか?」ちなみに僕は寝ている時です(笑)。
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■Information
A New Musical『JAM TOWN/ジャムタウン』
2016年1月13日(水)~1月30日(土)KAAT神奈川芸術劇場
横浜港につながる運河に係留された船を改築したボート・バー。ぶっきらぼうだがどこか温かみを感じさせるマスターの橘祐司を慕って、今宵もなじみの客が集まっている。マスターの後輩で私立探偵の長谷川もそのひとり。
ある日の深夜、J.Jという青年と一緒に、泥酔してベロベロのあゆみという少女が現れた。マスターが介抱しようとすると、見覚えのある火傷のあとが目に入る。あゆみは離婚して以来何年も会っていなかったマスターの実の娘だったのだが…。
原案・演出:錦織一清
作詞・作曲・編曲:西寺郷太
振付:YOSHIE
作詞:金房実加
原作:齋藤雅文
脚本:斎藤栄作
筧利夫(マスター、橘祐司=ボート・バー「シップ」のオーナー)
松浦雅(あゆみ・ウィルソン=マスターの娘)
水田航生(J.J=ホテルの御曹司)
東風万智子(マリ・ウィルソン=あゆみの母)
藤井隆(長谷川耕作=探偵、マスターの後輩)
料金(全席指定・税込):
プレミアムシート:14,000円 ※チケットかながわのみのお取り扱い
SS席:10,000円、S席:8,000円、A席:6,000円、B席:4,000円
チケットかながわ:http://www.kaat.jp/
0570-015-415(10:00~18:00)
主催:KAAT神奈川芸術劇場、FMヨコハマ
■Profile
水田航生
1990年12月20日生まれ、大阪府出身。
俳優としてドラマや舞台で活躍。近年の主な舞台出演作に『VAMP~魔性のダンサー ローラ・モンテス~』、『金閣寺』、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『オーシャンズ11』、『マーキュリー・ファー』、ミュージカル『サンセット大通り』など。映像作品に韓国ドラマ「となりの美男<イケメン>」、映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』など。今後の出演作にミュージカル「エドウィン・ドルードの謎」、「マイ・フェア・レディ」、映画『太陽』(2016年4月23日公開)など。
http://ameblo.jp/egao-dofu/