Vol.514 俳優 桐山漣(「傘をもたない蟻たちは」)

OKWAVE Stars Vol.514はフジテレビのドラマ「傘をもたない蟻たちは」に主演する桐山漣さんへのインタビューをお送りします!

Q 土ドラ「傘をもたない蟻たちは」の加藤シゲアキさんが書かれた原作短編集の印象はいかがだったでしょうか。

A桐山漣独特の世界観があるなと思っていて、とくに寂しさを表現する言葉が読みながら、シビレたというか、とてもすごいなと思いました。たとえば「にべもなく、よるべもなく」の中では“レザージャケットのカビの匂いが僕にいじわるをするのだった”とか、表現方法がすごいなと。この作品をやるにあたって読ませていただいて、僕自身この原作のファンになりました。あらためて、主演させていただくありがたみと責任をひしひしと感じながら、それを喜びに変えさせていただいて演じています。

Q 演じたキャラクターについてお聞かせください。

A「傘を持たない蟻たちは」桐山漣演じた橋本純の全体像は台本を読んですぐに掴めました。原作とは少し違う設定で、「にべもなく、よるべもなく」の純が大人になって作家になっている、というところから始まります。純は落ち目のSF小説家で、過去に親友の村田啓介とのことがあって、恋愛に少しコンプレックスを抱えながら生きてきたんだろうなと思います。原作の持つ独特の雰囲気や世界観のあえて曖昧にしているところがこのドラマにも反映されていると思います。

Q 加藤シゲアキさんとの共演はいかがでしたか。

A桐山漣加藤さん自身も原作者としてではなく、ちゃんと啓介としていてくれてありがたかったです。ふたりのお芝居部分は原作にもない部分で、「にべもなく、よるべもなく」のふたりが育っていった15年先の話です。ふたりのシーンはその中学時代の話があってから、というベースの部分が大事だと思いました。その話は第3話で中学生役の方の出演で描かれますが、ふたりは何のカテゴリーにも属さない関係で、純はその時のことを心のどこかでずっと引きずりながら生きてきたんだと思います。純は恋愛からも逃げてきたから、恋愛小説が書けません。クリエイターとして作品を生み出すことの苦しさには自分の中身が無いことへのもがきや苦しみ、葛藤のようなコンプレックスが何倍にもなって自分に押し寄せてきているんだろうなと思います。なので、そのベースとなる中学時代から計算してお芝居を作っていきました。

Q ドラマの全4話の構造自体が面白い作りになっていますね。

A桐山漣純が過去を振り返る部分は第3話に出てくるので、第1話からしっかり観てほしいですね。これは純の物語ですが啓介の物語でもあるんです。「ごめん、俺のせいで…」という啓介のセリフが出てきますが、つまり啓介は純がコンプレックスを抱えていることに気づいているんです。中学時代、啓介から打ち明けられたことに対して、啓介自身は純よりも器用だからその後は何事もなかったかのように振る舞うことができていたけど、純の迷いを分かってしまっています。だから、純が恋愛小説を書けない悩みも分かっていて、純のところにやって来るので、これは啓介の話でもあるなと思うんです。

Q 桐山さんご自身についてお聞きしますが、2015年を振り返るといかがでしたか。

A桐山漣桐山漣2015年は2回主演をさせていただきました。僕自身、器用な人間ではないので一歩ずつ、今までやってきたことと、「こういう風になりたい」「こういうことをやりたい」と思ってきたステージに一歩ずつ踏み込むことができた年だったと思います。初めての時代劇もそうですし、たくさんお芝居をしたなと思える1年でした。

Q では2016年の抱負をお聞かせください。

A桐山漣お芝居をずっとやってきて今が一番楽しいです。その楽しさが自分の確固たるものになってきているので、自分が今楽しいんだという気持ちをこれからも忘れたくないですし、この先も学んでいきたいです。2016年は、それをより充実させて、自分で範囲を狭めることなくいろんな役にトライして、自分の可能性と引き出しがどれだけあるか探っていきたいと思います。そして、いま役者ができていることの周囲への感謝を忘れずにやっていきたいと思います。
仕事以外では魚の三枚おろしができるようになりたいです(笑)。「クルーズの免許を持っているのに魚の三枚おろしができないの?」と言われてしまったので、この機会にできるようになろうと思います。

Q 桐山漣さんからメッセージをお願いします。

A「傘を持たない蟻たちは」桐山漣土ドラ「傘をもたない蟻たちは」は、自分でも手応えを感じながら撮影をしてきました。原作のファンの方もたくさんいると思いますし、この世界観が好きな方も多いと思います。このオムニバスの短編小説をどうドラマ化するのかという期待も大きいと思いますので、その期待に同じ世界観の中で返していきたいなと思います。そしていい意味でその期待を裏切っていきたいと思います。そんなに暗い作品ではないですし、意外とバカみたいなシーンも撮っていますので、土曜の夜に笑ったり、ちょっと切なくなったりしていただけたらと思います。僕自身、いろんなお芝居の振り幅というものを経験できました。純役以外にも「インターセプト」では林役も演じていますので、そういったお芝居の振り幅を楽しみに観ていただけたらなと思います。

Q桐山漣さんからOKWAVEユーザーに質問!

桐山漣道路の信号が故障したら大事ですよね。右折ランプが点かなかったらいつまでも曲がれませんし、信号はどうやってケアしているのでしょうか。家の電球は切れてから交換しますけど、故障が起きることなく、いつ点検したり交換しているのだろうと気になっています。ぜひ詳しい方、教えてください。

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■Information

フジテレビ 土ドラ「傘をもたない蟻たちは」

「傘を持たない蟻たちは」2016年1月9日(土)~1月30日(土)23:40~24:05(全4話)

「傘をもたない蟻たちは」は、エリート・サラリーマン、女子高生、美大生など、“いまを生きる”さまざまな主人公たちが登場する6編(「染色」、「Undress」、「恋愛小説(仮)」、「イガヌの雨」、「インターセプト」、「にべもなく、よるべもなく」)の物語で構成される短編小説集。
土ドラ『傘をもたない蟻たちは』では、原作内の6編の物語から、「恋愛小説(仮)」、「インターセプト 」、「にべもなく、よるべもなく」という全く異なる魅力を持つ3編を取り上げ、加藤が紡ぎ出した小説の世界感を損なうことなく、それぞれの物語をいわば“因数分解”した上で再構築、原作とは一味違う映像作品としてアレンジを加えることにより、エンターテインメント作品として仕上げる。
全4話に共通する物語の主人公は、原作「恋愛小説(仮)」の主人公でもある若手小説家の橋本純。純は、“SF”しか書いたことがなく、以前執筆していた連載も終わり、2年も単行本を出しておらず、貯金を切り崩しながら生活をしている、いわば落ち目のSF小説家。そんな純に、彼が以前より世話になっている編集者・館山から仕事の依頼が舞い込む。仕事の内容は、若い読者向けのウェブマガジンに掲載する読み切りで、テーマは“恋愛”。恋愛小説など書いたこともなく、純は断ろうとするが、「これが、ラストチャンス」と館山に押し切られる。締め切り間際になっても、一向に筆が進まず部屋の中で悩み続ける純のもとに、幼なじみの村田啓介が現れる。恋愛小説が書けないと愚痴をこぼす純を励ます啓介。優しい啓介との会話の中から、作家デビュー当時に、熱狂的なファンが、自分のゴミを持って帰ってしまった出来事を思い出す純。その出来事から着想を得て、ようやく小説「インターセプト」(ドラマでは、原作「インターセプト」を純の妄想として映像化)を書き上げるが…。

キャスト:桐山 漣、加藤シゲアキ、阪田マサノブ、 足立梨花、渡辺 舞、武田玲奈、南沢奈央、竜 雷太 他
原作:加藤シゲアキ「傘を持たない蟻たちは」(KADOKAWA刊)
制作:フジテレビ 共同テレビ

http://www.fujitv.co.jp/kasaari/

(C)フジテレビ


■Profile

桐山漣

桐山漣1985年生まれ、神奈川県出身。
2009年に『仮面ライダーW』で左翔太郎/仮面ライダーW役でテレビドラマ初主演。主な出演作は『吉祥寺の朝日奈くん』『東京闇虫』『L♡DK』『呪怨 -ザ・ファイナル-』『群青色の、とおり道』『東京PRウーマン』等の映画、「スイッチガール」「37歳で医者になった僕」「空飛ぶ広報室」「ロストデイズ」「まんまこと~麻之助裁定帳~」「永久就職試験」「磁石男2015」等のTVドラマがある。2015年12月にPHOTOBOOK「キリヤマ レン」(ワニブックス刊)を発売。
http://ameblo.jp/renn-kiriyama/

※「漣」の漢字は正しくはシンニョウの「点」が一つです。