OKWAVE Stars Vol.541はWOWOWの「連続ドラマW 東野圭吾 カッコウの卵は誰のもの」(2016年3月27日放送開始)に出演の伊原剛志さんへのインタビューをお送りします。
Q 本作「東野圭吾 カッコウの卵は誰のもの」と原作者・東野圭吾さんの印象は?
A伊原剛志タイトルからは芸術的な作品をイメージしていました。若いスポーツ選手たちの活動的でエネルギッシュな「動」の部分と、僕が演じる悩みを抱えている男の「静」の部分があって、段々と謎が紐解かれていく話ですね。
東野圭吾さんの作品を読んだことはなかったですが、同じ大阪の出身で、地元も近いので親近感があります。高校も同じ学区ですが、東野さんの方が5歳年上です。どんな風に過ごされていたのか、機会があればお会いして話してみたいですね。
Q 本作の題材のDNAや才能を実感するようなことはありますか?
A伊原剛志このドラマでは、スポーツ選手にとって“スポーツ遺伝子”が大事なのか、当人たちの努力が大事なのかがテーマになっています。確かに、運動神経がいい両親からそういう子どもが生まれる可能性はあると思います。でも僕はそこからは努力がその才能を開花させるものだと思っています。競走馬は血統が大事だといいますが、人間はもっと複雑な感情がありますのでそれだけでもないですよね。
Q 演じた緋田宏昌の役柄についてお聞かせください。
A伊原剛志ずっと問題を抱えている男で、それが少しずつ紐解かれていき、親子関係などの秘密が解明されていくので、大事な面白い役だと思いました。
Q 土屋太鳳さんの演じる風美の父親役ということについてはいかがだったでしょう。
A伊原剛志太鳳とは「花子とアン」以来だったので、どんな風に成長しているのか楽しみでしたね。役柄の親子の関係性は初めからできているようなものでしたし、今でも「花子とアン」の時のまま「おとう」と呼ばれるので、自分の娘のような感覚で演じていました(笑)。今回久々に会った時に「そんなに忙しくて大丈夫か」なんて声をかけましたけど、まさに親目線ですね(笑)。
Q 演じて難しさを感じましたか。
A伊原剛志宏昌は部屋で黙っているシーンが多いので、それをどう表現するかは難しいです。台本を読んで自分が感じたように演じようと毎回トライしています。寡黙な役は好きですけど、演じるのはやはり難しいですね。
宏昌の役柄は衣装合わせに少し時間がかかりましたが、それを経て役のイメージが自分の中でできてきました。物語がどうなっていくのかが僕の役で決まるし、なぜこの男は黙ったままなのかというミステリアスなところを表現しなければならないので、そこは難しいところですね。
ミステリーは出てくる人物がミステリアスさをにおわせないと面白くならないと思っているんです。とくに僕の役にはそういうものが必要なのでそこを意識しながら演じています。
Q WOWOWのドラマは地上波の連続ドラマと作り方の違いなどはありますか。
A伊原剛志全6話分の台本を最初から渡されましたので、何回も読みました。順撮りではないので、そのシーンの時に自分の気持ちがどうなっているのか、何を知っている状態かを読み直すだけでも大変です。なので台本への書き込みは増えましたね。監督から役について「こうしてほしい」ということはありませんでしたが、役の気持ちのつながりを大事にしながら演じることを心がけました。
民放の連続ドラマは1話ずつ放送と平行して撮っていくので、結末はどうなるのだろうと思いながら撮影が進んでいきます。WOWOWのドラマ出演は2本目ですが、前回も結末が分かっている状態で撮りました。結末が分かった状態で撮っているので、演じる上では気持ちの流れを把握しておくのが大事ですね。表現の仕方も民放とは少し違いますので、WOWOWのドラマに出演するなら、WOWOWならではの作品に携わりたいなと思います。
Q 「連続ドラマW 東野圭吾 カッコウの卵は誰のもの」はどんなところに注目して観てほしいですか。
A伊原剛志東野圭吾さんのファンの方にも納得して楽しんでもらえるドラマになればと思っています。スキーのシーンも多いので、そういう動の部分と、僕の演じるような静の部分とのミックスなので、楽しめる要素がたくさんあると思います。
■Information
WOWOW日曜オリジナルドラマ
「連続ドラマW 東野圭吾 カッコウの卵は誰のもの」
2016年3月27日(日)22:00より毎週日曜放送、全6話(第1話無料放送)
親子2代でトップスキーヤーを目指す緋田風美と父・宏昌。風美からは、特別な運動能力を示すある遺伝子パターンが検出され、人目を引く容姿も相まってすでにメディアの注目の的だ。新たなスポーツビジネスの可能性を探る遺伝子研究者の柚木は、父娘のさらなる検査を申し出るが宏昌は拒絶。実は風美の出生には大きな秘密があったのだ。
全日本の強化合宿では、風美のほか、同じく“スポーツ遺伝子”を「持つ」がスキーに興味が無い伸吾、「持たない」が実績のある恵里香、和真、年齢的に限界を迎えている翔太ら若者たちが、さまざまな想いを抱えながら練習に打ち込んでいた。ところがそこへ「緋田風美をメンバーから外せ。さもなくば彼女に危害が及ぶ」という脅迫状が届く。
その頃、ある病院でひとりの青年が子どもたちに「才能」に関する物語を読み聞かせていた…。
原作:東野圭吾『カッコウの卵は誰のもの』(光文社文庫)
出演:土屋太鳳 本郷奏多 戸次重幸/伊原剛志
/真野恵里菜 高杉真宙 森永悠希 矢野聖人
/戸田昌宏 山下容莉枝 大鶴義丹 前田亜季 片岡礼子
/銀粉蝶 矢島健一 浅野和之
公式サイト:http://www.wowow.co.jp/dramaw/kakkou
■Profile
伊原剛志
1963年11月6日生まれ、大阪府出身。
映画、TVドラマ等に数多く出演。ブラジル映画『汚れた心』(12)にて第15回プンタデルエステ国際映画祭主演男優賞受賞。最近では、紀里谷和明監督のハリウッド初進出作『ラスト・ナイツ』(15)にただ1人の日本人俳優として出演したほか、テレビ東京「水曜ミステリー9 犯罪科学分析室 電子の標的2」(3月23日放送)に主演するなど、活躍中。