Vol.546 俳優 志賀廣太郎(『あやしい彼女』)

OKWAVE Stars Vol.546は『あやしい彼女』(2016年4月1日エイプリルフール公開)に出演する志賀廣太郎さんへのインタビューをお送りします。

Q 本作の印象をお聞かせください。

A志賀廣太郎台本を読んで、描かれていることがすっと入ってくる印象で、これはいい作品になるだろうなという予感がありました。

Q 主人公・カツの幼なじみである次郎を演じていかがでしたか。

A志賀廣太郎カツと次郎が小さい頃からいろんな苦労をしてきたことが白黒の映像で描かれますが、次郎はカツのことをもちろん好きなんだけど、戦友のような関係です。次郎からすると「俺がいないとカっちゃんはダメだろう」というくらいの自負は持っていると思います。

Q 若返ったカツ=節子との距離感はどう演じましたか。

A『あやしい彼女』志賀廣太郎最初に節子が現れた時はカツだとは全く思ってもいないし、節子がカツだと気づくまでの間はそんなに節子と会話をするシーンはなかったんです。多部未華子さんが73歳のカツの心を持った節子を演じましたが、正体が分かってからは「次郎」と呼び捨てにされてもカツだと分かっているので、カツといるように接しています。カツが若返ったのは嬉しいけれど、自分はそのままだし、複雑な気持ちですよね。若返ったカツのことを心配もしているので、終盤にある決断をしようとする節子に「これからやっと新しい人生が始まるんだぞ」と言うシーンは、次郎の複雑な気持ちを感じながら演じました。

Q 73歳のカツを演じた倍賞美津子さんと、カツが若返った節子を演じた多部さんの芝居はいかがでしたか。

A志賀廣太郎多部さんの芝居は倍賞美津子さんそのままでしたね。多部さんの中に倍賞さんがいるなぁと思いました。倍賞さんの撮影シーンを多部さんは見て参考にしていましたけど、真似するというよりはエッセンスを取り入れていました。

Q 多部さんが歌う歌はいかがでしたか。

A志賀廣太郎僕にとっては10代半ばから20代の頃の歌なので、思うところは大きいですね。多部さんは感情過多にならずに素で歌っていらっしゃって、聴いているこちらの方がのめり込んでしまいました。聴いていると当時のことが頭をよぎって、じんときましたね。節子がカラオケで「見上げてごらん夜の星を」を歌っているのを次郎が見ているシーンがありますが、その歌声にびっくりして、役を離れて自分自身に返ってしまったところもあります。

Q では「見上げてごらん夜の星を」「真っ赤な太陽」「悲しくてやりきれない」の3曲の中では、どれが個人的にはお好みですか。

A志賀廣太郎どれもいい歌だと思います。美空ひばりさんの「真っ赤な太陽」だけ聴いていた時代が違うので、自分のことを反映するなら「見上げてごらん夜の星を」と「悲しくてやりきれない」ですね。

Q 「若返ることができますよ」と言われたらどうしますか。

A『あやしい彼女』志賀廣太郎あまり若返りたいとは思わないですね。今ある自分がどういう経過をたどって今に至っているか分かっていますので、つらいこともありましたが、嬉しいこともありましたし、そういう積み重ねで自分がいると思っています。ただ、どの年齢に戻る、というよりも、以前から農業や漁業に興味がありましたので、その道での人生を送ったらどうなるか、と思うことはあります。今の仕事とも通じることだと思いますが、自然を相手に生産したり捕獲をしたりということは興味深いなと思います。

Q 『あやしい彼女』の見どころをお聞かせください。

A志賀廣太郎全体を観ていただきたいです。その中で皆さんに見どころを選んでいただければと思います。終盤の多部さんと小林聡美さんのやり取りや、もちろん多部さんの歌のシーン、フェスのシーンなど、注目していただきたいところはたくさんあります。

Q 志賀廣太郎さんからOKWAVEユーザーにメッセージをお願いします。

A志賀廣太郎すべての世代の方々に楽しんでいただける作品だと思います。この映画をご覧になってどこに自分が反映されているか発見していただけると嬉しいです。

Q志賀廣太郎さんからOKWAVEユーザーに質問!

志賀廣太郎ご自分が一番印象に残っている場所はどこですか。

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■Information

『あやしい彼女』

『あやしい彼女』2016年4月1日(金)エイプリルフール公開

周囲から煙たがられる73歳のおばあちゃん瀬山カツは、女手ひとつで娘を育て、望むような人生を生きることはできなかった。ある日、娘の幸恵と喧嘩し家を飛び出した先で、ふと目にした写真館に引き寄せられる。「このカメラでお姫様にしてあげますよ」という店主の勧めで写真を撮って店を出てみると、そこにはなんと20歳(ハタチ)に戻った自分がいた・・・!
20歳の麗しい容姿を取り戻したカツは、“神様がくれたチャンス?”とばかりに、髪型、洋服、そして名前も節子と変え、思い通りに生きられなかった人生を取り戻すために新しい生活を始める。
ある日商店街で開催されたのど自慢大会で、犬猿の仲のみどりに張り合うように得意の昭和歌謡を気持ちよく熱唱。その歌声は会場中を魅了し、音楽プロデューサーの小林や、孫の翼なども巻き込み、歌手になる夢が動き始めた…!
カツの行方を心配する次郎や幸恵などをよそに、大好きな歌を歌い、淡い恋もして…あきらめていた奇跡のような日々を送る節子。その姿は関わる人たちに、勇気や夢を与えていくが、そんな夢は長くは続かず・・・?

監督:水田伸生
脚本:吉澤智子
音楽:三宅一徳
劇中歌監修:小林武史
出演:多部未華子、倍賞美津子、要潤、北村匠海、金井克子、温水洋一、志賀廣太郎、小林聡美
配給:松竹
原作映画:「Miss Granny」(CJ E&M CORPORATION)
公式サイト:http://ayakano.jp

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■Profile

志賀廣太郎

志賀廣太郎(『あやしい彼女』)1948年生まれ、兵庫県出身。
1990年に青年団に入団し、舞台を中心に活躍。98年、じんのひろあき監督『もう、ひとりじゃない』で映画初出演を果たし、その後、味のある渋い声と確かな演技力で、TV、映画、CMなど活動の幅を広げ、様々な場面に欠かすことのできない存在に。
ドラマでは「アンフェア」(06/CX)、「ハゲタカ」(07/NHK)、「半沢直樹」(13/TBS)など多くの話題作に出演。そして「三匹のおっさん~正義の味方、見参!!~」(14/TX)では頭脳派のおっさんノリ役を好演。痛快で勧善懲悪な“おっさん”の活躍が視聴者の共感を呼び、翌15年にはシリーズ2作目が放送された。
主な映画作品は『川の底からこんにちは』(10/石井裕也監督)、『ジャッジ!』(14/永井聡監督)、『幕が上がる』(15/本広克行監督)など多数。

https://twitter.com/Schau1948spiel