OKWAVE Stars Vol.549は『闇金ドッグス2』(2016年4月9日公開)主演の山田裕貴さんへのインタビューを送りします。
Q 『闇金ドッグス2』が企画された時はどう感じましたか。
A山田裕貴続編ができると聞いた時はとても嬉しかったです。続編をやりたい気持ちはもちろんありましたが、好評だったという声を聞いて、こうやって実現させていただいたので、自信にもなりましたし、次はもっと面白いものにしたいと、さらにやる気も出ました。
Q 前作『闇金ドッグス』にはご自分では手応えなどありましたか。
A山田裕貴前作は演じた安藤忠臣がヤクザを辞めて闇金を始めるまでのエピソード0的な物語だったので、これから忠臣が自分で闇金をやっていくのに続きがなかったら困るなと(笑)。レンタルが好評という話を聞いて手応えは感じましたが、僕らは評価されてはじめて手応えを感じるものなので、現場では全力を尽くすだけですし、迷いながら演じてもいないので、今回はまた成長した忠臣を見せられるかなと思います。
Q 今回の台本を読まれた印象はいかがでしたか。
A山田裕貴闇金業にも慣れてきた時期で、その慣れによって問題が起きるという話だったので、前作よりも忠臣がもう少し闇金らしくスマートに会話ができるようにしようと思いました。例えば前作では使わなかった敬語を増やすことを監督に提案しました。闇金のプロとしての話術の幅だったり、それによってどんどん貸し付けたり、お金がもっと取れそうならジャンプさせるとか、そういう頭を使えるところまで来たなと思ったので、会話の間や声のトーンをうまく操って、人間を操っていくという感覚をより明確にしないといけないなと思いました。
Q 債務者との接し方ではどのように演じましたか。
A山田裕貴観察をするような芝居を心がけました。闇金のプロとして、表情や仕草などから人物を見抜いてお金を貸す、貸さないを決めることが重要だと思いました。見ているのは相手の目だけでも全体を見ていることを意識しました。それで今回は黒田大輔さんが演じている岡林にお金を追加融資してしまう甘さやそれで窮地に陥る、ということが大事かなと思いました。
Q 共演者の方々とのお芝居はいかがでしたか。
A山田裕貴とても楽しかったです。黒田さんとのやり取りはセリフや動き、表情など現場で生まれるものが多くて、演じているだけではなく心の底から何かが出てくる感覚があって、役が生きていると感じる現場でした。伊藤裕子さんとは、あのような美人の方を最後にどんどん打ち負かしていくのが楽しかったですね(笑)。どうやって本音を引き出してやろうかというシーンだったので、演じていてかなり“ドS”だったと思います(笑)。
青木玄徳さんの演じた須藤とはバディ感があって、良い空気感を作れていたと思います。青木さんが須藤の陽気な加減をうまく表現されていたので、忠臣のキャラクターも立ちますし、すごく助けられました。
Q 最後の勝負のシーンにはどう気持ちを作っていきましたか。
A山田裕貴同じ忠臣でも『ガチバン』シリーズでは殴り合いでしたけど、この『闇金ドッグス』では相手をどうやって出し抜くかが勝負なので、殴り合いではないですけど僕の中では格闘シーンの気持ちでいました。相手をイラつかせて本音を話させようとか、一気に喋ってからスッと引いて相手に話させようとか、忠臣は喧嘩慣れしているから、ボクシングの間合いのような感覚で楽しんでいるだろうし、駆け引きもうまいのだと思います。もちろん神経も使うだろうし、やってやろうという気持ちもあるので、そういった気持ちを作っていきました。
Q 本作に出演して、お金のやり取りについて何か気持ちの変化はありましたか。
A山田裕貴元々あまり貸したいと思ったことはないですけど、多分頼まれたら貸してしまうと思います。年下の人と食事に行くと経済的にきつい時でもつい自分が払ってしまうタイプなので「これから先もお金に苦労するんだな~」とは思いました(笑)。お金への執着はないし、僕はこの仕事を好きでやっているので、それで生活ができればいいなと思います。この作品に出たからといって、今後は友だちにお金を貸さないということはないし、利息もないです(笑)。
Q 役者として本作から得た気づきなどお聞かせください。
A山田裕貴毎回気づきや発見があります。いろんな役どころをやらせてもらってきたので、考えることも毎回違います。その中で僕の役者のベースとして変わらないのは人間味を大事にしたいということです。嘘っぽく見えないように、本当にそう思っているんだということを見せたいと思っています。「こういうキャラクターだから」ということではなく、僕自身が闇金をやってしまったらどういう感情になるんだろうと考えてその気持ちを忠臣に投入できたなと思います。それが表れているところは、現場のスタッフさんの空気も変わりますし、もしできていなかったらきっと劇場のお客さんの空気を変えられないと思います。ですので、丁寧に、でもいい意味で遊びもありつつ演じる、ということを今回の現場でも気づかされました。
Q 『闇金ドッグス2』に続いて『闇金ドッグス3』の公開(5月21日)も控えていますが、こちらでの忠臣の立ち位置はいかがでしょう。
A山田裕貴『闇金ドッグス3』での忠臣は、須藤のことを信頼したり昔の自分を重ねているところもあって、親や兄のような目で見守っています。最後に須藤の甘さがある時にパッと出て行くので“おいしい役”でもあるのですが、そういう時でもサラッと自分の仕事をするのが忠臣で、そういう意味でも良いスパイスになるんじゃないかなと思います。津田寛治さんとまた格闘もしますし、元々の台本にはなかった敬語を入れてみませんかと監督に提案して、敬語での会話もしています。制作スタッフさんから「あれはやられたよ」と津田さんが仰っていたと聞いて、津田さんにそう言っていただけたことがとても嬉しく、ちゃんと忠臣になれたなと思います。パート2とパート3は同じ時期に撮っていましたけど、闇金という職業を飲み込んで腑に落ちた状態の忠臣を『闇金ドッグス3』では見せられると思います。余裕すら感じられる、油断も妥協もしない忠臣がいます。僕の理想としては、今後も『闇金ドッグス』シリーズが続いて更に展開していってほしいと思っています。
Q 山田裕貴さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
A山田裕貴お金にまつわるメッセージや、お金で人が狂っていく姿が描かれます。闇金と聞くと取りつきにくいかもしれませんが、お金は身の回りに転がっているものなので、すごく共感できたり、怖いなと思ってもらえればいいなと思います。人間はお金でこんなに変わってしまうんだ、ということを見せられる作品なので、これからもそういうメッセージを見せていきたいです。きっと“闇金ドッグス7”くらいの頃にはもっと世の中を斬っていける作品になっていると思うくらい僕はやる気になっていますので、そのためにも僕も頑張りますし、皆さんもぜひ観に来てください。
■Information
『闇金ドッグス2』
闇金稼業も板についてきた元ヤクザの安藤忠臣。債務回収先で偶然再会した元ホスト・須藤司を雇い順調にラストファイナンスを回していた。常連客の岡林は、ジャンプもせずに毎回元金まで返済する優良顧客。そんな岡林は、場末のスナックのあざみママと密かに付き合っている。ある日、あざみから母親の手術代で200万円必要なことを聞かされ、安藤に追加融資を相談。返済能力を超えた金額に一度は躊躇する安藤だったが、今までの実績を信じて、条件付きで200万を貸してしまう。だが、岡林の稚拙な資金繰りが上手くいかず、行方をくらます。焦る安藤は、岡林の言葉を思い出し、スナックのママ・あざみの元に。しかし、このあざみが曲者で…。
出演:山田裕貴
青木玄徳・黒田大輔 菅野莉央 谷田 歩 十貫寺梅軒
波岡一喜/伊藤裕子
監督:土屋哲彦
企画・配給:AMGエンタテインメント
公式サイト:http://yamikin-dogs.com/
(C)2016「闇金ドッグス2&3」製作委員会
■Profile
山田裕貴
1990年9月18日生まれ。愛知県名古屋市出身。
2011年、テレビ朝日「海賊戦隊ゴーカイジャー」ゴーカイブルー/ジョー・ギブケン役で俳優デビュー。以降もドラマ関西テレビ「GTO」(12)、フジテレビCS「イタズラなKiss~Love in TOKYO~」シリーズ(13、14)、日本テレビ「HiGH&LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D.~」(15)、映画『ホットロード』(三木孝浩監督/14)、『ストロボ・エッジ』(廣木隆一監督/15)などに出演。
本作公開以降も、『ROAD TO HIGH&LOW』(5月7日)、『闇金ドッグス3』(5月21日)、『オオカミ少女と黒王子』(5月28日)、『ふきげんな過去』(6月25日)、『HiGH&LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D.~』(7月16日)が公開予定。また、初主演舞台「宮本武蔵(完全版)」(脚本・演出:前田司郎/8月19日~29日)も控えている。
http://ameblo.jp/yuki-yamada-we/
ヘアメイク:仲田須加
スタイリスト:小田優士(Creative GUILD)
衣裳クレジット:
・GDC ・Marbles ・DOWBL