Vol.562 西亜里沙(DRUM TAO)

OKWAVE Stars Vol.562はDRUM TAOの西亜里沙さんへのインタビューをお送りします。

Q 今回の新しいツアー「DRUM TAO 舞響~Bukyo~踊る○(わ)太鼓」についてお聞かせください。

A西亜里沙今回は「ハチャメチャに楽しい!」がテーマです。演出家からは「とにかく今までにないもの」と言われています。和太鼓の演奏からは絶対に考えられないような楽曲やショーになっていて、自分たちも今までにやったことがないものなので、すごく難しくもあります。全く違うジャンルのライブや舞台なども研究して、試行錯誤を繰り返して作り上げていきました。

Q どういう過程を経てショーの内容は作られていくのでしょう。

まず演出家からテーマが提示されます。今回はタイムトラベルをするように、演奏とともにプロジェクションマッピングを使って、宇宙空間や海などいろんな場所に行くような内容でした。そのテーマに合わせた和太鼓の楽曲を作っていきました。演奏もひとりひとりがインスピレーションを受けてフレーズや振り付けを提示して、意見を出し合って作っていきました。相当楽しいものになると思います。

Q 2月に行ったブロードウェイ公演はいかがでしたか。

A西亜里沙公演前日に全米で人気のあるTV番組「The Late Show with Stephen Colbert」に出演して演奏を披露することができました。それがすごく反響が良くてお客さんもたくさん来ていただけました。観に来たお客さんはアメリカ人の方々がほとんどで、現地の日本人の方からも「日本のショーにこれ程アメリカ人が訪れるのは珍しいことだ」と言われました。

Q 演奏への反応はいかがでしたか。

A西亜里沙やはりブロードウェイはエンターテインメントの本場ですので、最初はどういうショーなのか探る雰囲気でしたけど、演奏が始まると「これは何だ?」と段々とノッてきて、明らかに最初と最後では雰囲気も違って、楽しそうにされていました。最後はスタンディングオベーションで喜んでくれたので、こちらも嬉しかったです。

Q 世界各地で公演されていますが、海外での反応などお聞かせください。

A西亜里沙国によって違いますが、スペインは独特でした。手拍子も自由にリズムを刻んで、皆さんが楽しんでいたのが印象的でした。ヨーロッパではみんなで地面を踏み鳴らして盛り上がったりもします。アメリカではアンコールの時には立ち上がって一緒に踊っていたり、国によって反応が違うので面白いです。

Q 和太鼓はどう受け止められているのでしょう。

A西亜里沙神聖な楽器のように受け止めている方もいらっしゃいます。でも、やはり音への反応が大きいです。和太鼓独特の音圧がやはり響くのだと思います。和太鼓の演奏は言葉で説明が無いですし、音を感じて自由に楽しめるので、国籍も問わず楽しめると思います。お客さんが自分で感じてストーリーを作って観ていただいていたと思います。

Q 西さんの和太鼓との出会いは?

ADRUM TAO 西亜里沙西亜里沙私は兄弟が多くて、高校生の時に妹を幼稚園に迎えに行った時に初めて和太鼓に触れました。そこで先生たちから教えてもらって夏祭りで叩かせてもらったりしました。それと同じ時期に友人からDRUM TAOの公演に誘われました。和太鼓のショーをチケットを買ってまで観に行くのはどうなんだろうと最初は渋っていたのですが(笑)、友人が諦めずに誘ってくれたので観に行くことにしました。そうしたらそれがすごく格好良かったんです。DRUM TAOの演奏は和太鼓だけなのにメロディが聴こえてくるような感覚があって、そこにすごく興味が湧きました。和太鼓らしいリズムだけではなくて、いろんなリズムで叩いているので、グルーヴがあるんです。それまでは吹奏楽部でトランペットを演奏していましたが、本格的に和太鼓をやってみたいと思って始めました。

Q 和太鼓の魅力はどんなところにあるでしょう。

A西亜里沙聴いている側としては、触れられたくないところに触れてくるようなところでしょうか。時には厳しく、時には優しく体感できるところですね。打っている側としては無心になれるところです。響きに包まれるからなのか、入り込んでしまいますね。でも、全身全霊で叩かないと本当に出したい音は鳴ってくれないんです。誰でも叩けば音が鳴ってくれる楽器ですけど、その太鼓の音を鳴らそうとすると深い追求が必要です。それでその音が鳴ってくれるのを体感すると忘れられなくなりますね。

Q その域に達するまでにはどのくらい修練が必要なものなんでしょうか。

A西亜里沙最初にたどり着くまでは10年くらいはかかったと思います。今でも出したい時に出したい音をいつでも出せるわけではないので、まだまだ追求が必要です。最初に何かが来た感覚がつかめるまでは、そもそも何が違うのかさえ分かりませんでした。とにかく打っていくうちに、経験する中で感じ取るしかないんです。言葉で言い表すのは難しいのですが、どの楽器もそうだと思いますが、楽器の音を鳴らしてあげる、という感覚だと思います。とくに和太鼓は雨など天候によっても音が変わってきます。自分の一打が最高なものだと本当に音が抜けて自分の中に入ってきます。そういう音が出せた時には聴いている人もきっと理由は分からなくても涙が出てくると思います。

Q 海外で活躍したいと思っている人たちにメッセージをお願いします。

A西亜里沙海外を目指すことはいいことだと思います。私も海外に出てみて、何事も足りていないことや、こんなに違う世界があるんだということに気づきました。同時に日本はこんなにすごいんだということにも気づくことができました。やはり、日本だけにとどまらず、世界という単位で、物事を感じたり、吸収するということはすごく大切なことだと思います。海外で成功するということは簡単なことではないですけれど、そうしたいと思う人がもっと増えたらいいなと思います。そういう気持ちで活躍をして、日本の次の世代の方たちにその経験を伝えられると、日本という国ももっと大きくなれるんじゃないかと思います。

Q DRUM TAOは今後どのようになっていきたいですか。

A西亜里沙世界中にDRUM TAOの常設劇場ができて、どこに行ってもDRUM TAOが観られるようになりたいです。そしてDRUM TAOが生まれたところにも興味を持ってもらって、日本にもっと興味を持ってもらえたらいいなと思います。

Q 西亜里沙さんからOKWAVEユーザーにメッセージをお願いします。

A西亜里沙「DRUM TAO 舞響~Bukyo~踊る○(わ)太鼓」は和太鼓という概念を覆す、完全に想像を裏切る舞台になると思いますのでぜひ観に来てください。メンバーも和太鼓の演奏家だけではなく、新体操をやっていたメンバーや、シルク・ドゥ・ソレイユからも誘われたり、ラスベガスでマイケル・ジャクソンのショーに出ていたようなメンバーもいます。いろんなジャンルからも楽しめると思いますので、ぜひ観に来てください。

Q西亜里沙さんからOKWAVEユーザーに質問!

西亜里沙これからの日本のエンターテインメントに期待することは何ですか?

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■Information

DRUM TAO 舞響~Bukyo~踊る○(わ)太鼓

DRUM TAO 踊る○太鼓2016年7月15日(金)~24日(日)Zeppブルーシアター六本木

ほか全国計116公演

DRUM TAOの23年目の新作舞台は、これまでのイメージを一新する「ハチャメチャに楽しい!」がテーマ。TAO流ダンシング・ドラムあり、プロジェクションマッピングとのコラボあり、そして、ハイテクを駆使したパフォーマンスと、常識を大きく覆します。さらに、想像を超える近未来の衣装デザインに、DRUM TAOとタッグを組んで5年目になるコシノジュンコが挑戦。イメージを一新した“ダンシング・ドラム”です!

演出・制作:フランコドラオ
衣裳デザイン:コシノジュンコ

料金:7,500円(全席指定、税込)※6歳未満のお子様のご入場不可
問い合わせ:サンライズプロモーション東京:0570-00-3337(10:00~18:00)

http://www.drum-tao.com


■Profile

西亜里沙

DRUM TAO 西亜里沙9月7日生まれ。鹿児島出身。
1997年入団。
DRUM TAOは1993年に結成されたドラム・アート集団。大分県竹田市久住町を拠点に、独自の世界を創り続けてきた。