OKWAVE Stars Vol.572は映画『それいけ!アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ』(2016年7月2日公開)にゲスト声優として出演の中川家のお二人へのインタビューをお送りします。
Q おふたりの演じたキャラクターの紹介と、ルンダにとってはどんな存在でしょうか。
A剛ヌラは海の主ですが、僕らしくない低い声でゆっくり話します。「アンパンマン」を見ていて思うのは自分はなんて汚れているというか(笑)、初心にかえらされますね。でも子どもが中学生なのでもうちょっと早くに出られたらなとは思いました。
礼二ナンダはルンダにとって無くてはならない存在ですね。振り回されますけど、ナンダはルンダにやさしいです。自分もこういう性格ならいいなと思います(笑)。
Q 声優の仕事について、どんな練習や役作りをしましたか。
A礼二与えられたことに対してわざと外してみせたりするのが普段の僕らの仕事です。でも“信頼と実績のアンパンマン”ですので、この世界観をどう壊さずにできるかということでした。役作りというと自分が出てしまうので、自分を消しながらもゲスト声優としてやっているということをどう出すかは難しかったですね。老舗のところに行って勝手なことをするのはダメなように、アンパンマンの世界観を崩すのはダメだと思いましたので。そのさじ加減がうまくいったかどうか、楽しみでもあるし不安でもありますね。違和感なく楽しかったと言われるのが一番だと思います。
剛普段とは別の仕事ですので、普通に臨もうと思いました。自分の声がどう見えるか、という仕事を普段からしているわけではないので、監督さんの指示に従って、極力余計なことはしないようにしました。いきなり変なキャラクターを作ってくれば監督さんからは「違います」と言われてしまいますから。逆に、俳優さんが僕らのいるバラエティ番組に出ると、お笑いのイメージでテンションを上げて来られますけど、最初は普通でいいんですよね。
Q これから作品をご覧になるとのことですが、ご自分の声の演技への期待は?
A剛監督に言われるままに声を演じましたので、バラエティの仕事と違って完成形が想像できないですね。
礼二いろんな声で「ナンダ」を演じましたが、自分なりにやったものは全て覆されました(苦笑)。監督さんが言った通りに演じたのでどうなっているかは予想がつかないです。
Q ご自分が子どもの頃の「アンパンマン」の記憶と、お子さんと「アンパンマン」を見られた時の印象的なエピソードはありますか。
A礼二僕らが子どもの頃は放送していなかったです。でも、僕らが若手の頃は「アンパンマン」をネタにしていました。当時、ネタにしている芸人は多かったですよ。そのネタの切り口で芸風が分かるんです。
剛今でも若手はやっています。それだけ知られているということですね。
礼二それでまさか何年も経って声のお仕事をいただけるとは夢にも思わなかったですね(笑)。
Q ナンダとルンダはゼンマイのおもちゃのキャラクターですが、おもちゃにまつわるエピソードをお聞かせください。
A礼二自分たちは子どもの頃におもちゃを買い与えられた記憶があまりないんです。ふたりで同じおもちゃ1つで遊んでました。ゼンマイのおもちゃは大抵どちらかが巻きすぎて壊してました。僕の子どもはいままさに「アンパンマン」のおもちゃで遊んでます。「ちゃんと片付けなさい」という永遠のテーマがあって。ゼンマイ仕掛けのおもちゃがソファの隙間から急に「アンパンマン!」と声を出して出てきたり(笑)。娘が今より小さい頃に僕の鞄に勝手にアンパンマンのおもちゃを入れられたことがあって、新幹線の中で鞄の中から「メロンパンナよ」と声がしてびっくりしたことがあります(笑)。
剛僕もいろいろ買いました。おもちゃもですがDVDも買って一緒に見てましたが、大人がハマるんですよ。DVDの中で「これを見たら片付けようね」とアンパンマンが言ってくれるのがありがたかったです(笑)。子どもが小さい時はまさにアンパンマンとの生活でした。
Q 「アンパンマン」の作品の魅力は何だと思いますか。
A礼二やはり、純粋さですね。今の世間と真逆なのがすごいなと思います。とくに大人が見るとそう思います。自然とストレス解消になっているのでもっと見た方がいいです。大人には簡単な物語なので気軽に見られますし、没頭できるとも思います。
剛子どもは夢中で見てくれるし、いろいろ教えてくれるから大人は楽かもしれません(笑)。歯磨きも英語も国語も(笑)。見た後の半日はその通りに行動してくれますからね。
礼二仕上げにアンパンマンこどもミュージアムに行って、パンを買って帰れば素敵です(笑)。
Q もし「アンパンマン」の世界に参加できたらどんなキャラクターになりたいですか。
A礼二おばちゃんです。やっぱりこのメンバーは不動ですから、新しいキャラクターのワンポイントを。大阪のおばちゃんのようなキャラクターでみんなに飴ちゃんを配りたいです。
剛最近はパンのキャラクター以外も増えていますから、温泉マンとかでもいいですよ。アンパンマンは濡れたらダメなんだろうけど、そういう見方は大人だけで子どもは気にしないでしょうね。
Q おふたりは以前カバおくんが好きと言っていましたが、カバおくんのようなお子さんたちにメッセージをお願いします。
剛いつも事件の発端を作らされていますからね。もうちょっと落ち着けと思います。すぐお腹が空くし。カバおが「お腹が空いた」と言い出してみんな集まってきてばいきんまんもやって来るので、黙って食べに行けと言いたいです(笑)。でもそこがかわいらしいです。思ったままのことも言うし、憎めないですね。
礼二子どもの代表みたいなものです。
Q おふたりが思うヒーロー像や子どもの頃のヒーローをお聞かせください。
A剛僕らが子どもの時は漫才師です。ちょうど漫才ブームが来て寝ても覚めても漫才をやっていましたから。親や親戚のお兄ちゃんたちはちょっとバカにして見ていましたけど僕らには格好良く映っていました。“芸人様”という感じでした。それがこの世界に入って、当時憧れていた人たちに挨拶に劇場に行ったらパンツ一丁で寝てたりしたので、「夢壊さないでください」と言いました(笑)。
礼二僕もそういう目で見てましたね。人を笑わすのは格好いいなと子どもながらに思っていました。
Q わがままなルンダちゃんにちなんで、反抗期のお子さんを持つ親にアドバイスするなら?
A礼二僕もちょうどその時期なので悩んでいます。僕の言ったことの反対を言うんです。女の子は難しいですね(苦笑)。ちょっと注意しようものならプイッとされてしまいますし。その点、男親よりも嫁の方が冷静ですね。娘だけど一人の女性と向き合っているのと同じなので、むしろこちらが正解を教えていただきたいです。
剛女の子は難しいね。ボロッかすに言われるし。「ご飯行こう」「お父さんはいいでしょ」とか(笑)。女の子は嘘もうまいし、男の子とは違いますね。
礼二僕のところにお菓子を持ってきて「一緒に食べよう」と言うので食べたら、実は嫁に「お菓子はダメ」って言われていて、こちらは知らずに食べているのに一緒に怒られる(笑)。しかもこちらが先に怒られて、その間は知らんフリですよ。それで「大変だったね」とか言われるんです(苦笑)。
Q ご自分のキャラクターの見どころをお願いします。
A礼二ナンダは心がやさしいキャラクターです。最初は目立ちませんが、最後の方は活躍します。レールの上を走って機関車にもなって大活躍します。でも僕はここまで気は長くないし、「ナンダはやさしいな」と思いながらアフレコしていました。見習わなればなりませんね。
剛海水浴に行った時にヌラのことを思い出してくれたらと思います(笑)。海を汚さないようにお願いします。
■Information
『それいけ!アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ』
おもちゃの星のお姫様・ルンダは“みんなが自分のために何かしてくれる事が当たり前”と思っているワガママなお姫様。そんなルンダはやさしいロボット・ナンダといつも一緒。
ある日、ルンダは色んなものをおもちゃに変えられる大事なおもちゃスティックを落としてしまいます。
アンパンマンたちと一緒に、砂漠や海の中まで探しに行きますが、なかなか見つかりません。
そこへ、おもちゃスティックをねらってばいきんまんがやってきたから、さぁたいへん!
やなせたかし先生の残された楽曲「勇気のルンダ」をモチーフに元気100倍でお届けします。
監督:川越 淳
脚本:米村 正二
音楽:いずみたく・近藤浩章
声の出演:アンパンマン/戸田恵子 ばいきんまん/中尾隆聖 他
ゲスト声優:ルンダ/波瑠、中川家(ナンダ/礼二、ヌラ/剛)
原作:やなせたかし(フレーベル館刊)
テーマ曲:「勇気のルンダ」(バップ)
配給:東京テアトル
©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV ©やなせたかし/アンパンマン製作委員会2016
■Profile
中川家
剛:1970年12月4日、礼二:1972年1月19日生まれ。大阪府出身。
ABCお笑い新人グランプリ(96)で最優秀新人賞受賞他、多数受賞。01年M-1グランプリにて初代チャンピオンを獲得。東京へ進出後、ブレーク。TVのレギュラー番組を持つ他CMやTVドラマなど活動の幅を広げ、映画では『明日があるさTHE MOVIE』(02)、『スクール・ウォーズHERO』(04)に兄弟で出演。声の出演としては2011年テレビ東京のアニメ「遊☆戯☆王ZEXAL」にて本人役で登場、映画では2014年「ポケモン・ザ・ムービーXY『破壊の繭とディアンシー』」で初挑戦。剛はメレシー役、礼二がアルガス・スティール役として兄弟で出演した。