OKWAVE Stars Vol.610は「僕等の図書室 特別授業」(2016年12月24日~)に出演の滝口幸広さんと中村龍介さんへのインタビューをお送りします。
Q 2年ぶりに上演される「ぼくとしょ」シリーズへの出演についてお聞かせください。
A滝口幸広すごく楽しみにしていました。久々の公演ですが、毎回出演している僕らもお互いの話を楽しんでいたので、今回取り上げる作品も、出演者としても観る側としてもすごく楽しみだと思っています。
中村龍介僕も率直にうれしいです。初演の時に製作の方たちが「60年くらい続けたい」と言っていて、その言葉を僕らはずっと信じてきました。前回から2年ぶりで、2回目と3回目の間も2年空いていますが久しぶりという感覚はあまりないです。家に「ただいま」と帰るような感覚に近いです。
滝口幸広この作品に対する製作の方々の、面白いことが思いつかないとやらないという姿勢もありがたいしうれしいです。みんなで一緒に作っている感覚を普段以上に感じています。
中村龍介その分プレッシャーはあります。空いた間に自分たちは一段レベルアップしていないといけないし、逆にそういう期間を与えられているのだと思います。
自分たちが受け取る時点で台本が洗練されているので、後はそれをどう自分たちが磨き上げていくかだけだと思います。
Q 共演者に関してはいかがでしょうか。
A滝口幸広今回、原田優一さんが出演されるので、また違ったテイストが見られると思います。とはいえ、彼が入ることで全部持っていかれるんじゃないかというのが怖いです(笑)。別の舞台に出演していた時に演出家の板垣恭一さんと飲みに行った際に原田さんの話になりました。板垣さんからは「彼は圧倒的な技術を持っている。いい意味で盗みつつ、それだけではなく勝負もしなければならない」と言われました。原田さんのことは尊敬しているので、そういう人と一緒に舞台を作っていけるのが嬉しいです。勝負とは言っていますが仲間なので一緒に作っていくのが楽しみです。
それと、木ノ本嶺浩くんと本格的に共演するのは初めてです。同じ舞台に立ったことはありますが、役であまり絡んだことがないと思うので、身近な役者なだけに楽しみです。
Q 今回の題目についてお聞かせください。
A滝口幸広僕が読むのは「奥のほそ道」ですが、これを聞くと松尾芭蕉の半生が分かるような作品です。Eテレでギャグも入ったアニメでやりそうな内容です(笑)。松尾芭蕉がナビゲーションしている「奥のほそ道」をさらに客観的に見ているような感覚の作品です。話自体、重くもないし、押し付けがましくもないので、最初か2番目にちょうどいい内容だと思います。
中村龍介今の話を聞いて本を読みたくなったけど、舞台ではどんな話になるか想像つかないですね。僕が読む「たけくらべ」は、あらかじめ読んでみましたが難しかったです。役が多いのは何回かやってきたので慣れていますが、語り手が今まで自分一人だったのが今回は何人もいるので、どうなるのか分からないです。分かりやすくするには語り手はひとりの方がいいはずなので、ここは僕の中での戦いですね。それと、今までは声質で勝負をしてきましたが、今回は高い声を使える役がないので、声が低いまま演じ分けるのが課題です。
滝口幸広公演が終わった後に取り上げた本を読むと、また面白く感じるんですよね。前回「星の王子様」を読んで、その後に映画(『リトルプリンス 星の王子さまと私』)を観ましたけれど、自分はこの話をこんな風に読んでいたなと思って面白かったです。
Q リーディング公演の稽古はどのようにされるのでしょう。
A滝口幸広結構面白いですよ。これまで演出をされていた板垣さんと稽古をやる時には、板垣さんから「まずやってみて」と言われます。毎日の稽古も同じところを繰り返しやることはほとんどないので、毎回考えてきたことを披露して「ここはこうだね」と言ってもらう品評会のような感じです。より自分の考えが反映されやすいので、良くも悪くも自分次第なところが大きいです。今回は演出は西森英行さんという別の方なのでどうなるか分かりませんが、これまでは自分たちがやって面白ければそのままいくことが多かったです。前回は稽古の休憩中に「ひこうき雲」と言うセリフがある木ノ本がユーミンの歌(「ひこうき雲」)を歌い出したので、本番もセリフではなく歌わせよう、ということになりました(笑)。
Q リーディングと通常のお芝居の一番の違いはどんなところでしょう。
A中村龍介お客さんの想像力の部分です。僕らが動きで説明することが省かれるので、お客さんの想像力に託されています。そこでシンクロが起きた時の気持ち良さは大きいです。たとえ合わなかったとしても、そういう楽しみ方があるのかとこちらも勉強になります。そういうお客さんとのケミストリーですね。
滝口幸広理想としては、どちらにも取れるように読むことです。人間は悲しい時に泣きながら話すとは限らないですよね。それと同じで、言い方一つでその人の真意が見えない方がより人間味が出ると思います。それと、人間は真意を隠すものだとも思っています。悲しい時に無理して笑って喋っている時もあるので、観ている人がその人はこんなことを言っているけれど本心は違うんじゃないかと想像してくれると、人間としての厚みも出てくるし、どちらに捉えてもらっても面白いと思います。自分にはこう見えたけどこういう気持ちだったのかなと帰り道に思ってもらえたらうれしいです。
Q 「ぼくとしょ」シリーズで皆さんは国語の先生に扮していますが、ご自身は本当はどの教科の先生だと思いますか。
A中村龍介僕は美術か現代国語。この2教科の成績はほぼ5だったんですよ。
滝口幸広僕は雑学が好きなので、世界史の先生は合いそうです。
中村龍介でも脱線しそう(笑)。
滝口幸広世界史の先生になったら授業は面白いけど、進まないと思います。面白い雑学や都市伝説を教えるから、教科書読んで勉強しとけよ、と言うと思います(笑)。でも、もともと得意なのは理数系の科目です。物理の先生はできるかもしれません。
ほかのキャストでは井深克彦くんは国語の教員免許を持っているのと、演出の西森さんは昨年まで先生をされていたそうです。
Q滝口幸広さんと中村龍介さんからOKWAVEユーザーに質問!
滝口幸広ぼくとしょ◯◯という違うバージョンがあるとしたら、何が見たいですか。
中村龍介僕からは、今回、一番楽しみなのはどの作品ですか?
滝口幸広えー!でも優ちゃんになるんじゃない?
中村龍介前評判と実際は違うものだから。1位から6位まで付けてください(笑)。
滝口幸広6位の作品はやりません!(笑)
■Information
『僕等の図書室 特別授業』
【東京公演】2016年12月24日(土)~27日(火)有楽町朝日ホール
【大阪公演】2016年12月31日(土)サンケイホールブリーゼ
出演者を“国語の先生”、観客を“生徒”、公演を“授業”とした、まるで国語の授業のように舞台が展開していくリーディング公演『僕等の図書室』が特別授業として帰ってきます。
今回は、通常の公演の“大人も子供も楽しめる”童話や昔話とは一味趣を変え、聖夜に相応しく、“愛”の物語を6作品厳選し、少し大人のビターな味付けで「特別授業」としてお届け致します。
監修:板垣恭一
演出:西森英行
音楽・ピアノ演奏:伊藤靖浩
脚本:西森英行、吉増裕士、登米裕一、ほさかよう、赤澤ムック、加藤啓
出演:三上真史、滝口幸広、中村龍介、井深克彦/木ノ本嶺浩、原田優一
チケット料金:5,980円(全席指定、税込)
<授業内容>
◆三上の「クリスマス物語」 三上真史 ft. 木ノ本嶺浩&中村龍介
◆たっきーの「奥のほそ道」 滝口幸広 ft. 三上真史&木ノ本嶺浩
◆りゅうの「たけくらべ」 中村龍介 ft. 滝口幸広&井深克彦
◆かっちの「不思議の国のアリス」 井深克彦 ft. 全キャスト
◆みねの「細川忠興とその妻」 木ノ本嶺浩 ft. 原田優一&三上真史
◆「マッチ売りの少女」原田 原田優一 ft. 中村龍介&滝口幸広
http://le-himawari.co.jp/galleries/view/00132/00407
■Profile
滝口幸広
1985年5月29日生まれ。
TVドラマ「ウォーターボーイズ2」で俳優デビュー。ミュージカル「テニスの王子様」で人気を博し、TVでは「正しい王子のつくり方」「ポチたま」「戦国鍋TV」「あさイチ」「仮面ライダードライブ」など多数出演。「戦国★男士」では主役の伊達政宗を演じた。舞台では「冒険者たち」「タンブリング4」「僕等の図書室」シリーズ、「ドリームジャンボ宝ぶね」などに出演。2015年主演公演「滝口炎上」で徳川家光役を演じた。現在は放送中のトークバラエティ「モテ福」などバラエティにも出演中。
http://ameblo.jp/takiguchi-sd/
中村龍介
1985年2月12日生まれ。
CM「トメダインコーワフィルム」にメインキャラクター止田止太郎役として出演し人気を獲得。近年は舞台を中心に活動し、2016年は少年社中演「三人どころじゃない吉三」「インフェルノ」、加藤健一事務所「誰も喋ってはならぬ!」など年末までに6本の舞台作品に出演。その他出演作に映画『インターン!』『表と裏』、TV「PANIC IN-脱俺-」「メサイア影青ノ章」「ウルトラマンオーブ」など。また2017年夏には映画『メサイア外伝(仮)』の公開を控える。