Vol.630 俳優 北村有起哉(舞台「ハムレット」インタビュー)

OKWAVE Stars Vol.630は舞台「ハムレット」(2017年4月9日~)に出演する北村有起哉さんへのインタビューをお送りします。

Q 製作発表を終えられて、本作出演に対してどんなお気持ちでしょうか。

A北村有起哉ワクワクしています。台本もまだ手にしていないので現実味はまだ無かったのですが、こうやって勢揃いすると、本当に始まるんだなという気にさせられます。初対面の方もいらっしゃいますが、控室でもみんないい雰囲気でしたので、これからが楽しみです。

Q これまで「ハムレット」に対する思い入れはあったでしょうか。

A北村有起哉シェイクスピア作品としても、「ハムレット」という演目は一番多く観ている作品です。僕だったらこうするのに、と考えながら観てもいたりもしました。今まで客として観ていたのが立場が逆になるので、批評される側になってもそれさえも楽しもう、という気持ちでいます。気合が入りますし、注目もされる作品ですので、あまり空回りだけはしないようにしようと考えているところです。

Q ホレイショーという役柄についてはいかがでしょう。

A北村有起哉演出のジョンと話した時に、ホレイショーのイメージを聞かされました。ホレイショーはハムレットが最後まで信頼をおいていた人物です。ハムレットはいろんな人を騙して自分の実態が分からないようにしていましたが、ホレイショーにだけは本当のことを語っていました。友情だけではない、ハムレットが一目を置く人物とは何なのかをじっくり探していかないと、と思っています。それによって見えてくるものがあるので、自分のセリフだけを読み解こうとするのではなく、周りの役者のセリフをヒントにしようと思っています。ハムレット役ということでは内野さんとの関係性も大事にしないといけないと思っています。僕が作品に関わる大切な背骨のような存在にならなければならないので、しっかり準備していきたいです。

Q 内野聖陽さんとはどのようなコミュニケーションをとっていこうと考えていますか。

A北村有起哉「ちゃんと痩せましたか」とか、まずは雑談からですね(笑)。気を使いすぎてもしょうがないし、かと言って静かすぎる稽古場もつまらないですからね。内野さんとは以前に舞台やドラマで共演していますので、コミュニケーション自体には全く心配していないです。

Q 役を演じる時に、どういうところから入っていくのでしょう。

A北村有起哉やっていく中で、その人の心情のようなものがじわじわと染みてくるイメージです。「この人は何を考えているんだろう」「子ども時代はどうだったのだろう」と夢想しているので、その時間がたくさんあるとありがたいですね。お酒を飲みながら役のことを夢想していられると、さらに役が豊かになります。せっかく「ハムレット」をやるのだから、どこかで観たことがある作品にはしたくないですし、いい声を出すだけでは満足できないと思います。シェイクスピア作品にはきっと役者みんながそういう気持ちを持っていると思います。言葉を大切にしっかりお客さんに届けるためには、ホレイショーという役をしっかり考えていかないと厳しいと思います。

Q ジョン・ケアードさんは「精鋭14人のみを集めた」と仰っていました。共演者の印象はいかがでしょうか。

A北村有起哉濃いですよね。「ハムレットが上演されるらしい」というニュースだけで演劇界はホットになっているので、そういった意味でも素晴らしいメンバーが集まって、僕もそこに入ることができて本当に嬉しいです。貫地谷しほりさんはオーディションで役を獲ったと言っていましたし、ジョンの感性で集めたキャストで舞台を作っていくことになるので、キャストみんなが本当に楽しみにしていると思います。

Q 「ハムレット」という古典作品が今も上演されることについて、どんなところに魅力があると思いますか。

A北村有起哉名作中の名作というものは、最初から名作というわけでもないし、繰り返し何年も上演されることで、不動の名作になっていくものだと思います。作品自体は同じものですし、人間が演じて、感動する部分もそう毎回違うわけでもないからこそ、すごいことだと思います。それに人種も関係ないですよね。日本でも最初はきっとその面白さも分からずに上演していたと思います。それが面白いと言われて、いろんな有名な役者さんが演じることで、さらに作品に箔がついていく、そういう磁力があると思います。
演じる側としては、演じきってから初めて分かるものです。数カ月から数年経って、ふっと思い返したり思い出して、また演じたくなります。それが名作の由縁かもしれません。演じている最中は夢中なので、終わった後になって、「こういうやり方もあったな」と尾を引くことがあります。きっと「ハムレット」はそういう作品だと思います。

Q どんな上演内容になっていくのでしょうか。

A北村有起哉僕以外は舞台上で何役も演じる想定になっているので、割とドタバタしそうです。それと、音楽が藤原道山さんなので、そこも楽しみです。こういう時は固めていくよりも、無防備で居た方が、ジョンに言われたことにパッと取り組めると思っています。

Q 普段、稽古に入るまでにどんな準備をされるのでしょう。

A北村有起哉作品や作風によって入り方は違います。今回はセリフが多いので、なるべく早いうちにセリフを叩き込んでおいた方がいいと思っています。ジョンが言う、自由な提案やアイデアに楽しく乗るには、セリフは事前に入れて置いた方がいいかなと思うので、今は早く台本が読みたいです。

Q 長丁場で地方公演もありますが、そのあたりはいかがでしょう。

A北村有起哉反応が東京と全然違うのが地方公演の醍醐味ですね。東京の人たちは公演の数も多い分、目も肥えています。地方に行くと素直な、初めて演劇を観るような方の反応もあって、僕らも楽しみです。これだけたくさんの場所で演じられるのは嬉しいです。

Q 舞台に立つ上で気をつけていることは?

A北村有起哉季節柄、やはり風邪を引かないことですね。舞台は肉体労働なので、風邪を引かない、もらわないことです。そのためにはよく食べること、ちゃんと厚着することも大事です。

Q どんなところが見どころになると思いますか。

A北村有起哉一役者が場面ごとにいろんな役を目まぐるしく演じることになるので、ジョンの演出は僕も楽しみです。浅野ゆう子さんが二役を演じるのには、きっとびっくりする人もいると思います。あまり奇を照らいすぎず、狙いすぎずに、納得できて説得力がある、新しい「ハムレット」になると思います。

Q 北村有起哉さんからOKWAVEユーザーにメッセージをお願いします。

A北村有起哉名作中の名作「ハムレット」をこのメンバーで演じさせていただきます。初めて観る方も「ハムレット」やシェイクスピアの大ファンの方にも観に来ていただいて、いろいろ感じてもらいたいです。春のお祭りになればいいなと思います。話題性というのは本当に大事ですし、こういう話題作に参加できるのは嬉しいです。「ハムレット」は演劇でもあり、文学でもあるので、シェイクスピア作品のそういったところを堪能していただけたらと思います。

Q北村有起哉さんからOKWAVEユーザーに質問!

北村有起哉前回は口内炎の治し方を聞きましたが、今回は、ものもらいがなかなか治らないので、治し方や予防法を教えていただけたらと思います。
それと、暗記術を教えてください。セリフ覚えが悪くて、毎回どうやって覚えたらいいのだろうと思いながら台本を読んでいるんです。

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■Information

「ハムレット」

世界的にヒットしたミュージカル「レ・ミゼラブル」オリジナル版の演出で名を轟かせた名演出家ジョン・ケアードは、あの英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)の名誉アソシエート・ディレクターとして様々なシェイクスピア劇を手がけ、伝説を残してきました。そのジョン・ケアードが東京芸術劇場に初登場。2000年に英国ナショナル・シアターで、名優サイモン・ラッセル・ビールの主演により演出した、自身の代表作の一つといえる作品に日本公演に向けて練り上げた斬新な解釈で取り組みます。

作:ウィリアム・シェイクスピア
上演台本:ジョン・ケアード、今井麻緒子(松岡和子訳に基づく)
演出:ジョン・ケアード
音楽・演奏:藤原道山
出演:内野聖陽 貫地谷しほり 北村有起哉 加藤和樹
山口馬木也 今 拓哉 大重わたる 村岡哲至 内堀律子 深見由真
壤 晴彦 村井國夫 浅野ゆう子 國村 隼

【東京公演】2017年4月9日(日)~28日(金)※4月7日(金)・8日(土)プレビュー公演
会場:東京芸術劇場 プレイハウス

チケット:S席9,000円、ステージサイドシート8,500円、A席7, 000円
65歳以上(S席)7,500円、25歳以下3,000円、高校生割引(対象日限定)1,000円
(全席指定・税込)

※未就学児はご入場いただけません。
主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
お問い合わせ:東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296(休館日を除く10:00~19:00)

【兵庫公演】2017年5月3日(水・祝)~7日(日)
兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
主催:関西テレビ放送/兵庫県/兵庫県立芸術文化センター
お問い合わせ:芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255

【高知公演】2017年5月10日(水)
高知市文化プラザかるぽーと大ホール
主催:高知市文化振興事業団
お問い合わせ:高知市文化振興事業団 088-883-5071

【北九州公演】2017年5月13日(土)~14日(日)
北九州芸術劇場 大ホール
主催:公益財団法人北九州市芸術文化振興財団
共催:北九州市
お問い合わせ:北九州芸術劇場 093-562-2655

【松本公演】2017年5月17日(水)
まつもと市民芸術館 主ホール
主催:一般財団法人松本市芸術文化振興財団
後援:松本市、松本市教育委員会
お問い合わせ:まつもと市民芸術館チケットセンター 0263-33-2200(10:00~18:00)

【上田公演】2017年5月21日(日)
上田市交流文化芸術センター 大ホール
主催:上田市(上田市交流文化芸術センター)、上田市教育委員会
お問い合わせ:交流文化芸術センター 0268-27-2000(9:00~17:00)

【豊橋公演】2017年5月24日(水)~26日(金)
穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
主催:公益財団法人豊橋文化振興財団
お問い合わせ:プラットチケットセンター 0532-39-3090(休館日を除く 10:00~19:00)


■Profile

北村有起哉

1974年4月29日生まれ、東京都出身。
1998年舞台「春のめざめ」(演出:串田和美演出)と映画『カンゾー先生』(今村昌平監督)でデビュー。ジャンルを問わない表現力で舞台、映画、TVと幅広く活動し、その独特な存在感で注目を集める。
その他の主な出演作として舞台「道元の冒険」(蜷川幸雄演出)、「ザ・ダイバー」(野田秀樹演出)、「十一ぴきのネコ」(長塚圭史演出)、「BENT」(森新太郎演出)、「豚小屋」(栗山民也演出)、ドラマ「赤めだか」(TBS)、「ちかえもん」(NHK)、映画『駆込み女と駆出し男』(原田眞人監督)、『オーバー・フェンス』(山下敦弘監督)などがある。
現在、日本テレビ系連続ドラマ「視覚探偵 日暮旅人」(毎週日曜日22:30~放送)に出演中。今後の待機作にNHK BSプレミアム「千住クレイジーボーイズ」東京・足立区発ドラマ(2月15日(水)放送予定)、映画『関ヶ原』(原田眞人監督、2017年8月26日(土)公開予定)などが控えている。

http://tomcompany.jp/actor-actress/actor/yukiya-kitamura.html
http://lineblog.me/kitamura_yukiya/

ヘアメイク:宮内宏明(M’s factory)
スタイリスト:冨田しおり