Vol.634 女優/声優 神田沙也加(『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』インタビュー)

OKWAVE Stars Vol.634は『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』(2017年2月25日第一章上映)にテレサ役にて出演の神田沙也加さんへのインタビューをお送りします。

Q 「宇宙戦艦ヤマト」作品そのものの印象をお聞かせください。

A神田沙也加私が生まれる前からある作品ですし、歴史もありますし、ファンの方の“ヤマト愛”も深いです。私がこのシリーズのことをきちんと知ったのは今回の出演が決まってからですが、昔からのファンの方にはどう映っているのかすごく気になるところです。私の出演が発表された時の反響もいままでにないくらい大きかったので、作品の偉大さを感じました。

Q 本作のモチーフになっている『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』もご覧になったとのことですが、ご感想は。

A神田沙也加公開当時サウンドトラックCDも大人気だったそうで、私が出演した『アナと雪の女王』のサントラが出るまでアニメのサントラ1位の記録がずっと破られていなかったのはすごいと思いました。当時、革新的と言われていたアクションのパートや、ヤマトの描かれ方、戦いの模様、そして結末のあり方も新しいものだったのだろうと思います。その後のロボットアニメの礎なのかなと感じました。とくに結末にはすごくびっくりしました。

Q 今回演じられるテレサの印象をお聞かせください。

A神田沙也加テレサは序盤こそセリフは少ないですが、この『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』の世界を象徴する存在です。旧作でもテレサの登場場面も登場時間も短いですが、何かのきっかけになる重要な存在です。女神と聞くと、ぼんやりとしたイメージしか湧かないと思いますが、全宇宙に向けて祈りを捧げる姿には母性のようなものを感じさせます。特に旧作では人間ではなく、身体が反物質で構成されていたりと、一言では説明できない役柄でした。今後どうなっていくのか、実は私も聞かされていないことが多いのですが、こうあってほしいという理想像がある存在なので、今までの作品から汲みつつ、新シリーズになってから生まれた新しいエネルギーのようなものも汲みながら構築していこうと思っています。

Q 役作りについてはどのように進めていますか。

A神田沙也加想像で補わなければならない部分が多かったです。「優しい性格」みたいな設定があるわけではなく、「神々しさ」と書かれていても、それは身をもって経験できるものではないので、第一声の説得力、というものをどれくらい出せるかを意識しました。

Q 「これが本当の声優デビュー」とおっしゃっていますがその真意をお聞かせください。

A神田沙也加これまでも声優のお仕事をさせていただいていましたが、ずっと単独での別録り収録でした。アフレコの現場にみんないる中で行う、というのは今回が初めての経験です。新人の一人として緊張感を味わう、という意味で、やはり全然違いました。これを経験しないことにはこれ以上のステップアップはないと思っていましたので、本当にいい経験でした。
すごい実力の方々の中に入ると、考えれば考えるほど萎縮してしまうので、録る時はみなさんのことは一旦忘れて臨んでいました(笑)。でも、テレサという役としてその場にどう居ればよいか、ということも大事だと思いました。やはりテレサという役を演じる上では、自分の心にも余裕がある、そんな余白を作れるような気持ちが大切でした。ですので、私もこの一員なんだという気持ちで、意識して肩の力を抜くようにしていました。
テレサは第一章ではまだ掛け合いの芝居をしていませんが、現場の空気感を感じるのは大事ですし、実際、皆さんの迫力はすごかったです。
他のキャストの皆さんは前シリーズの『2199』から参加されている方々で、マイクから離れると和やかな雰囲気ですので、私も早くこのファミリー感に参加したいなと思いました。

Q 監督らから受けたアドバイスやディレクションで印象的だったことはありますか。

A神田沙也加監督からは「パッと聞いた時の神々しさがほしい」と言われました。今はテレサの口が動いているカットでのセリフがないので、自分の感覚での間を意識しました。感情や抑揚を付けるよりも、引き算のお芝居を求められました。テレサの願いは個人的なものに寄りすぎると人間的になってしまうので、「遠いところにいるようにやってください」と言われました。
それと、吉田知弘音響監督からは「ずっと組んでみたいと思ってたんですよ。アナを演じられて、やられた!と思ったんです」と言っていただきました。アナを演じるよりも前から知っていて、お仕事したいと思っていただけたのが嬉しかったです。

Q 「宇宙戦艦ヤマト」のあのテーマ曲について神田さんはどう感じますか。

A神田沙也加カラオケに行くと周りの男性が歌うので、みんな知っている曲だと思っていました。旧作にはささきいさおさんが歌う「テレサよ永遠に」という歌もありましたが、最近のアニメ作品ではキャラクターのイメージソングが作られることもあるので、何か音楽でも関われたらいいなと思っています。

Q 登場人物で気になるキャラクターはいますか。

A神田沙也加森雪のあのテキパキ指示を出すような声色は、桑島法子さんのアフレコを側で見ていて、こういう声色を出せるようになりたいなと思いました。今回はテレサのことばかり考えていたので、他のキャラクターのことはこれから理解していきたいです。

Q 『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』ならではの見どころをお聞かせください。

A神田沙也加ビジュアルは時代とともに変化しています。戦闘シーンやヤマトの描写も変わってきてはいます。ですが、以前からのファンの方に観ていただいても、こんなになってしまったのかと置いていかれる感覚はないと思います。別モノになっているのでは、と思っている方や、逆に旧作を知らない方も、臆せずに入ってきてもらえると思います。「宇宙戦艦ヤマト」は男の人のものというイメージがあるかもしれませんが、みんなに観てもらえる作品だと思います。

Q 軍拡への道を歩み始める地球、というこの作品世界についてどう感じますか。

A神田沙也加宇宙モノというイメージがどうしても強くありますが、この作品世界でも普通の人たちの生活があって、そこに訪れる危機を身を挺して救おうという人たちがいます。今後、私たちのいるこの世界でも宇宙で戦争が起きるかもしれませんし、そのくらい壮大なテーマで描かれているから、いまだに新しいし、これからこんな時代が来るのかも、という見方もできると思います。もちろん平和であることに越したことはないですが、ヤマトのクルーの人たちにも守りたい人がいるだろうし、それは今の時代もこの作品の世界も変わらないので、タイトルにもある「愛」というものにちゃんとクローズアップされていくのだろうなと思います。

Q 今回の敵役、ガトランティスの大帝ズォーダーは地球に侵攻することに対して「愛だ」と言っています。

A神田沙也加現場で手塚秀彰さんのアフレコを聞いていて、すごいお声で、全身にビリビリっと何かが走ったような衝撃がありました。説得力がすごかったです。

Q 神田沙也加さんからOKWAVEユーザーにメッセージをお願いします。

A神田沙也加きっと「宇宙戦艦ヤマト」を観て人生が変わった人がたくさんいるのだろうなと思います。『2202』は、新しいキャラクターの物語ではなく、元々いたキャラクターの性格が一新されたということでもありません。以前のキャストの方々はそれぞれのキャラクターに与えられた使命のようなものを感じながら演じてこられたと思います。それをどこまで汲み取れるかが大事だと思って演じています。テレサがどうなっていくのかは私にも分かりませんが、まずは早く正面を向いて(笑)、旧作での他のキャラクターとの関わり方と違っていたとしても、いままでで一番温かく関われたらいいなと個人的には思っています。

Q神田沙也加さんからOKWAVEユーザーに質問!

神田沙也加私は1日過ごしてちょっと疲れてくる夕方には、チョコレートを食べてパフォーマンスを回復させています。私はスイスの「Lindt リンツ」という丸い包みのチョコレートが好きですが、皆さんのお薦めのチョコレートをぜひ教えてください。

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■Information

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第一章

2017年2月25日(土)より、全国15館にて2週間限定劇場上映
劇場にて特別限定版Blu-ray先行発売
シリーズ全七章劇場上映決定

時に西暦2202年。
あの壮大な片道16万8,000光年にも及ぶイスカンダルへの大航海から宇宙戦艦ヤマトが帰還して、既に3年。
〈コスモリバースシステム〉により、かつての青い姿を取り戻した地球は、ガミラス帝国とも和平条約を締結。
復興の傍ら、防衛のためと最新鋭戦艦アンドロメダを含む新鋭艦隊の整備が進められていた。
イスカンダルのスターシャの願いも虚しく、地球は軍拡への道を歩み始めていたのだ。
はたしてこれが、かけがえのない数多くの犠牲の果てにヤマトが成し遂げた、本当の平和なのだろうか?
宇宙の平穏を願う女神テレサの祈りが、ヤマトを新たな航海に誘う。
いま、宇宙を席巻するガトランティスの脅威が、地球に迫っていた。

製作総指揮:西﨑彰司
原作:西﨑義展
監督:羽原信義
シリーズ構成:福井晴敏

http://yamato2202.net/

©西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会


■Profile

神田沙也加

1986年10月1日生まれ。
2001年CMで芸能界デビュー。
2002年歌手としてシングル「ever since」をリリース。
2003年「Into the Woods」で舞台初出演後、舞台を中心に女優としてのキャリアを積む。
また、声優として2014年ディズニー映画『アナと雪の女王』で日本語吹替版アナ役を担当し、第9回声優アワード主演女優賞を受賞。
他にも、ナレーション、ラジオレギュラーを担当するなど多岐にわたり活動中。

http://www.sayaka-kanda.net/

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