Vol.642 女優 大野いと(舞台『春のめざめ』インタビュー)

OKWAVE Stars Vol.642は舞台『春のめざめ』に出演する大野いとさんへのインタビューをお送りします。

Q 『春のめざめ』出演についていまのお気持ちをお聞かせください。

A大野いと1年前に宮本亜門さん演出の『ライ王のテラス』で初めて舞台に立って、たくさん勉強になりました。恵まれた環境で大先輩方とどうやって生の舞台を作り上げていくのかを宮本亜門さんから学べて、成長できました。公演回数を重ねるごとに自分にも自信がついていくのが分かりましたし、拍手をいただいて、本当に人間として幸せだと感じることができました。それ以来、舞台に立つのが楽しいと思えるようになって、今回、新しい舞台の上に立たせてもらえることになって、本当に嬉しいです。前回とは違って、同世代の志尊淳さんや栗原類さんと一緒に作っていけるのが今回のすごく楽しみなところです。

Q 『春のめざめ』という作品への印象はいかがでしょうか。

A大野いと真剣に向き合わないといけない作品だと思いました。扱うのは性の目覚めでもあるので、繊細な面もあります。普通の男の子と女の子の思春期の葛藤が入っているから、そういうテーマ性がいいなと思いました。

Q 120年前のドイツを舞台にした話ですが、共感できることは多かったですか。

A大野いと古い海外作品だと日本人では理解しづらいものもありますが、この作品はどの国の人が見てもきっと分かる題材だと思います。なおさら私も頑張らないといけないなと思いました。

Q 演じるヴェントラの役柄についてお聞かせください。

A大野いと今の私はだいぶ自己主張ができるようになってきていますが、14歳の時は本当に受け身で、自分の発言をしないような女の子だったので、ヴェントラは私からすると大人だと思いました。

Q 演じる上ではどんなところを大事にしたいですか。

A大野いといまの私が見かける14歳の中学生の子は、本当に子どもでかわいらしいと思います。でも、そういう見方で演じてしまうと絶対に間違ったものになってしまうので、14歳の気持ちや葛藤というものを入れ込めるかを大切に演じたいです。そうすれば私も14歳の役になれると思います。それと、間違った受け止め方をされてはいけないとも思いますので、自分でもちゃんと理解をして挑んでいけたらと思います。

Q 演出の白井晃さんの印象はいかがでしょう。

A大野いと白井さんと初めてお会いした時は、何て芸術家らしい方なんだろう、と思いました。風貌や目つきなど身近にはいないタイプの方なので、すごく興味を惹かれました。

Q どんな稽古になりそうですか。

A大野いと稽古時間は長いと聞いています。でも、元々、稽古時間は長いものだと思っているので、まだその意味を理解できていないです(笑)。

Q 稽古に向けてどんな準備をしていますか。

A大野いと言葉の意味や背景をちゃんと理解して稽古に入りたいと思っています。当時の学校の時間割などのバックグラウンドも理解しておきたいです。それで台詞も覚えてから稽古に入りたいです。でも、どうやって動くか、どういう気持ちなのかは決めずに、志尊さんがどう台詞を言うかで自分も変わっていくだろうなと思います。

Q 共演者についての印象は?

A大野いと栗原さんとは初めてお会いしたのは4年くらい前ですが、本当に個性的な雰囲気のある方だと思います。モーリッツ役は誰なんだろうと思っていて、栗原さんと聞いた時は「ぴったり!」と思いました。モーリッツのちょっと陰鬱な感じの役が栗原さんの印象になっちゃうくらい。志尊さんは演出の白井さんから「お仕事にとても貪欲な方」と聞いています。ご一緒するのがとても楽しみです。

Q 作品のどんなところが見どころになってくると思いますか。

A大野いと私はラストだと思います。メルヒオールが絶望の淵に立たされて、生か死の間に立った時に仮面の紳士という存在が出てきます。その人の言葉などには観客の皆さんも考えさせられることになると思います。見どころはそこなので、それに向かって盛り上げられるように私は頑張っていきたいです。
ヴェントラとしては、台本を読んでいて気持ちが締め付けられるのは、赤ちゃんができたことを初めて知った時です。その時がヴェントラの感情のピークなので、そこが一番のポイントかなと思います。

Q どんな方に観てほしいですか。

A大野いとどんな人にも観てもらいたいですが、あえて言えば、学生さんです。高校生くらいの方にも観てほしいです。題材がどういう意味なのかをちゃんと知っているのは大学生くらいだと思うので、大学生の方々には一番響くのかなと思います。どの年代の方にも響くと思いますが、どうやってこの先、子どもたちに伝えていくかを考えると学生さんに観てもらいたいです。

Q 大野いとさんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A大野いとこの作品を読んだことがない方にもぜひ来てほしいと思います。志尊さん、栗原さんは役にぴったりだと思います。舞台は眠くなると思っている方もいるかもしれませんが、観ていて絶対に飽き飽きさせない作品だと思います。白井さんの演出は本当にユニークで、こんな舞台づくりをされるんだと思えるし、物語も魅力的で考えさせられます。志尊さんと栗原さん他出演者みんな頑張っていますので絶対にいいものになると信じています。ぜひ来てほしいです。

Q大野いとさんからOKWAVEユーザーに質問!

大野いと皆さんは14歳に戻りたいと思いますか?
私はまた同じことをしてしまいそうなので戻りたくないです。それと、通っていた中学校は暖房がなくてすごく寒かったので暖かいところがいいです(笑)。

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■Information

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『春のめざめ』

2017年5月5日(金・祝)~23日(火)KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
※5月5日(金)・6日(土)はプレビュー公演
2017年5月27日(土)~28日(日)ロームシアター京都 サウスホール
2017年6月4日(日)北九州芸術劇場 中劇場
2017年6月10日(土)~11日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

ドイツの中等教育機関で学ぶ優等生のメルヒオール、友人で劣等生のモーリッツ、幼馴染のヴェントラ。
ある日の帰り道、メルヒオールはモーリッツに『子供の作り方』を図解で説明すると約束する。
成績のさえなかったモーリッツは、学校での過度な競争にたえられず米国への出奔を企てるものの果たせず、将来を悲観して自殺する。
一方、メルヒオールは半ば強姦のようにヴェントラと関係し、ヴェントラを妊娠させてしまう。
自殺したモーリッツの遺品からはメルヒオールのメモが見つかり、ヴェントラとの事も発覚。
自殺の原因とされたメルヒオールは親に感化院に入れられてしまい……。

原作:フランク・ヴェデキント
翻訳:酒寄進一
音楽:降谷建志
構成・演出:白井晃
出演:志尊淳、大野いと、栗原類ほか

料金(税込み):
【神奈川公演】一般 6,500円、U24チケット(24歳以下)3,250円、高校生以下 1,000円、シルバー割引(満65歳以上)6,000円
※プレビュー公演(5月5日~6日)5,000円

【京都公演】S席5,500円、A席(2階席)4,500円、B席(2階席後方)3,500円、ユース(25歳未満)各席種1,000円割引(枚数限定/要証明書)

【北九州公演】一般5,800円、ユース(24歳以下)3,000円、高校生チケット1,500円 ※4月2日発売

【兵庫公演】A席5,000円、B席3,000円

公式サイトhttps://www.harumeza.jp/

企画製作・主催:KAAT 神奈川芸術劇場


■Profile

大野いと

1995年7月2日生まれ、福岡県出身。
主演映画『高校デビュー』(11)で女優デビュー。2013年、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(13・NHK)にてGMTメンバーのひとりとして印象を残す。2015年には『天の茶助』にヒロインとして出演し、ベルリン国際映画祭にも参加。16年『雨にゆれる女』ヒロイン役に続き、2017年6月30日に『兄に愛されすぎて困ってます』が公開、18年には主演映画『クジラの島の忘れもの』の公開を予定している。舞台では、宮本亜門演出舞台『ライ王のテラス』(16)で初舞台に挑戦し、音楽朗読劇『冷蔵庫のうえの人生』(16)で元宝塚歌劇団トップスター大空祐飛と共演するなど活動の場を広げている。

https://www.instagram.com/ohno_ito/