Vol.669 アニメーション映画監督 ブライアン・フィー(映画『カーズ/クロスロード』)

OKWAVE Stars Vol.669は『カーズ/クロスロード』で初監督となったブライアン・フィー監督へのインタビューをお送りします。

Q 監督は『カーズ』『カーズ2』と関わってきて、本作で監督デビューとなりましたが、監督を務めることになった時の気持ちをお聞かせください。

Aブライアン・フィー面白いことに、私はこの作品の監督を務めることを最初知らなかったんです。この作品にはストーリーの企画開発から参加をしていて、ある日、ジョン・ラセターに呼ばれました。そこで「君が監督だ」と言われたので、それまで監督の経験がなかったので、5分ほどは恐ろしいとしか思えなかったです。でも、自分の大好きなキャラクターですし、ストーリーも個人的にも思うところがあり、ぜひ伝えたいと思っていましたのでやろうと決めました。経験がなくても監督の作業は学べると思いましたし、分からないことは他の監督やジョン・ラセターに聞いて学べばいいと思いましたので、心配はなかったです。

Q “クロスロード”というタイトルが付けられていますが、この驚きのストーリー展開をどのように構築していったのでしょうか。

Aブライアン・フィーいろいろな案が何年もかけて練られていきましたが、伝えたい感情は当初からありました。それは私が母を亡くし、父も年老いてきているという、自分にとっての安全網というべきものが失われつつある中で、私自身が親になって今では娘が2人おり、娘たちにとって自分が安全網であるという変遷があります。自分が親になってみると、自分の成功よりも子どもの成功の方が親として誇らしいし、嬉しいと思うようになりました。そんな気持ちが作品の根幹にあります。マックィーンにとっての岐路は、今までの自分であるべきなのか、それとも必要とされているものになるのか、という選択に迫られるものとなります。

Q “クルマの世界”のキャラクターの描き方についてお聞かせください。

Aブライアン・フィーこの作品は言わばファンタジーの世界ではありますが、クルマは人間のメタファーです。よく飼い犬が飼い主に似ていると言いますが、この作品はまさに「この人だったらどんなクルマになるか」ということを楽しんで作っています。とても娯楽性のある形で、私たちの人生の鏡のように観てもらえるようにと思っています。私たちへの最大の賛辞は、この映画のキャラクターがクルマだということを忘れて、人間のキャラクターのように受け止められることです。もちろん、私たちはこの作品の世界のことを楽しんで作っていますが、物語が伝えたい感情を感じ取っていただけたらと思います。

Qブライアン・フィー監督からOKWAVEユーザーに質問!

ブライアン・フィーこの作品は師と仰ぐ指導者との物語です。先代の方々の寛容さと支援があって今の私たちが存在しているものだと思います。質問は、皆さんの人生を変えた師匠のような人のことをお聞かせください。

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■Information

『カーズ/クロスロード』

2017年7月15日(土)公開

華々しく活躍してきた天才レーサー“マックィーン”は、これからも走り続けると信じていた。しかし、彼を待ち受けていたのは、最新テクノロジーを限界まで追求したストームをはじめとする新たな世代の台頭と、レース人生を揺るがす衝撃的な大クラッシュだった。夢の続きか、それとも新たな道か?思いがけない挫折を経験したマックィーンは、メーターたち仲間に支えられ、新たな相棒クルーズとともに“人生の岐路”(クロスロード)に立ち、運命の決断を迫られる。

監督:ブライアン・フィー
製作総指揮:ジョン・ラセター
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

http://www.disney.co.jp/movie/cars-crossroad.html

(C)2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.


■Profile

ブライアン・フィー

米国ケンタッキー州アレクサンドリア出身。
子ども時代に、両親に連れられて地元のドライブインシアターで『ジャングルブック』(67)と『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(77)を観て以来、映画が大好きになった。コロンバス・カレッジ・オブ・アート&デザインを卒業後、手描きアニメーションやキャラクター・デザインの仕事に携わる。2003年6月にピクサー・アニメーション・スタジオに加入。ストーリーボード・アーティストとして映画『カーズ』(06)、『レミーのおいしいレストラン』(07)、『ウォーリー』(08)、『カーズ2』(11)を手がけ、『モンスターズ・ユニバーシティ』(13)ではストーリー・アーティストを務める。本作で監督デビューを飾る。