OKWAVE Stars Vol.693は映画『レミングスの夏』主演の前田旺志郎さんへのインタビューをお送りします。
Q 台本を読んだ印象をお聞かせください。
A前田旺志郎初めて読んだ時は衝撃的でした。幼い頃の仲間が殺されてしまったとしたらすごくつらいだろうけれど、もし自分だったら、レミングスの仲間たちのように、あそこまで執念深く何年か越しで行動できるやろうかと考えてしまって、すごいなと思いました。仲間が亡くなることはめちゃくちゃつらいことですけれど、それから6年も、その事件のことだけを考えて再集合するために、それまでは仲が良かったのに学校でも話したりもせずにいるのもめちゃめちゃつらいだろうなと。ナギたちの執念に驚かされました。
Q もし自分がその立場だったら、どうなっていると思いますか。
A前田旺志郎正直に言うと、ナギと違って、6年間という期間で忘れてしまうと思います。もちろん時々は亡くなったメンバーのことを思い出して暗くなることもあると思います。でも、事件が起きてから中学生になるまでの6年間で、もっと多くの人と出会って、いろんな仲間といろんなことをすると思うので、復讐心をずっと持ち続けることはできないと思います。だからこそレミングスのメンバーはすごいなと思います。
Q 演じたナギのキャラクターをどう受け止めましたか。
A前田旺志郎ナギは事件に対して、すごく悔しい、絶対に復讐してやるという気持ちが、レミングスのチームの中で一番強いと思います。そのことだけを考えて生きてきたので、暗い部分がずっと表に出ています。みんなと笑い話をしている時も、どこかそのことが抜けないので笑顔もどこか暗いし、真顔も悲しい表情で、楽しいことも素から楽しめていないのだろうなと。そういった面があるから復讐のために6年間を注げたのかなと思います。
Q ナギとご自分には似ている要素はありますか。
A前田旺志郎似ているところはチームのリーダーであるところですね。でも方向性は全然違います。ナギは冷静に判断してみんなを引っ張っていく感じですけど、僕は冷静さはなく、その場でみんなでワイワイしているので、むしろみんなが付いてきてくれて成り立っているようなリーダーです。ナギは自分から手を差し伸べて、自分がチームを作る感じで、僕の場合は勝手にチームになっているのでそこは違うところかなと思います。
Q レミングスのメンバー役の共演者たちの様子はいかがでしたか。
A前田旺志郎結構年齢は近いですが、僕が最年長でした。学生のうちの2歳差、3歳差は大きいので、撮影当時は高校1年でしたが、中学生、小学生のみんなの掛け合いを見ていると、かわいいなとか、まだまだ幼いなと思って楽しかったです。いままでは自分が一番下のことが多くて、自分が最年長という現場は初めてだったので、楽しい現場でした。
Q 現場の雰囲気はどうだったのでしょう。
A前田旺志郎現場は賑やかでした。シーン的には常に重たくて、とくに僕の役は暗くなりがちでしたけど、みんなが賑やかにしているので救われることが多かったです。一緒に話したりして気持ちに余裕を持つようにしていました。役柄通りにしているとドンドン暗くなって、憂鬱な時間になってしまうけれど、待ち時間などをみんなでワイワイ過ごせていたので、今振り返っても楽しい時間でした。
Q 撮影で印象的だったシーンはありますか。
A前田旺志郎基本的にナギは復讐心という暗い気持ちでいるので、撮影自体は楽しかったですが、作品のカラーとして振り返ると暗い印象が強いんです(笑)。
その中で、レミングスの基地で、顔を隠すためにマスクを付けているシーンは印象的でした。監督から「ちょっと声色も変えてみて」と言われて、そういう芝居をするのも初めてだったので印象的で楽しかったです。
それと、作戦を決行するためにみんなで久しぶりに集まるシーンは、純粋に気持ちも軽くなって、これから始まるんだというウキウキした気持ちになりました。みんなで手を合わせるところは「こういうのいいな」と思いました。レミングスというチーム名もそのシーンで決まるので楽しい、いいシーンだと思います。
Q 本作への出演を経て新しい気づきや発見はありましたか。
A前田旺志郎今までは他の人がまとめたり指示してくれる現場がほとんどだったので、初めて自分が「みんながんばろうな」と言う立場になりました。リーダーとしてしっかりしなきゃという気持ちでずっといたので、今までは少し甘えていたのかなとも思いました。
でも、僕がやらないとあかん、というよりはナギ自体がリーダーだったので、無理して引っ張るということではなく、ナギの立場でいることで自然とできていたし、みんなも素直だったので、苦労はなくすんなりできました。まとめる立場は初めてで良い経験ができました。
Q ご自身の今後の抱負をお聞かせください。
A前田旺志郎僕は映画やドラマに出演してきましたが、舞台のお芝居に出演することが今の目標です。それでいろんな舞台を観に行くようになりました。舞台は映像と違って生身の人間が目の前にいるので、気迫や熱気のようなものが伝わってきて観るたびにゾクゾクして興奮します。僕もそういう興奮を与える側に立ってみたいし、その時どうなるのだろうと興味深いです。
Q 前田旺志郎さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
A前田旺志郎ナギの復讐心が、何をしている時も常に滲み出ていることを意識して演じました。ナギの表情に出ている闇をスクリーンを通して観てほしいと思います。
Q前田旺志郎さんからOKWAVEユーザーに質問!
前田旺志郎みんなの一番の夏の思い出は何ですか。
僕は中学3年生の夏です。高校受験の勉強をみんなでしていて、目指す学校は違いましたが、団結力がすごくありました。僕は卒業後は東京に出ることが決まっていたので、地元・大阪での最後の夏休みということでもすごく濃かったです。
■Information
『レミングスの夏』
2017年10月1日(日)よりユーロライブにて公開、他全国順次公開
レミングとは、ねずみのこと。
レミングは自殺しない。レミングは新天地に向かうために、集団で移動して、必死に海や川を渡る。
アキラこと千葉旭、ナギこと南木秀平、それからモトオ、ミト、ヨーコら「レミングス」の仲間達は、中学2年の夏に大きな戦争をする。
その年、茨城県取手の街には、ハサミで小学生に切りつける「ハサミさん」が現れるという都市伝説が広がっていた。
6年前の小学2年生の夏の出来事を機に、二度と戻ることのない楽しかったあの日を取り戻すため、ナギは、人生を賭けて計画を練り上げ、仲間達を誘い、遂に計画を遂行する。
少年少女の固い決意の理由に迫っていく、青春ミステリー。
出演:前田旺志郎 菅原麗央 平塚麗奈 瑚々 桃果 遠藤史人
椋田涼 城之内正明 たくみ稜
中村ゆり スネオヘアー 田中要次 モロ師岡 渡辺裕之
監督・脚本:五藤利弘
原作:竹吉優輔『レミングスの夏』(講談社文庫)
舞台挨拶
10月1日(日)渋谷・ユーロライブ
朝8:30からの回上映後及び朝10:25からの回上映前
登壇者(予定):前田旺志郎、平塚麗奈、瑚々、桃果、遠藤史人、椋田涼、スネオヘアー(音楽・出演)、五藤利弘(監督・脚本)
©竹吉優輔/講談社
■Profile
前田旺志郎
2000年12月7日生まれ、大阪府出身。
子役時代から数多くの映画、ドラマ、CMなどに出演。
東海テレビ オトナの土ドラ「ウツボカズラの夢」出演中、NHKの人体×ドラマ「コンデラタロウ」が配信中。NHK連続テレビ小説「わろてんか」キース(少年期)役にて出演予定。また、NHK Eテレ「テストの花道 ニューベンゼミ」レギュラー出演中。