Vol.702 女優 岡野真也(映画『ゆらり』)

岡野真也(映画『ゆらり』)

OKWAVE Stars Vol.702は映画『ゆらり』(2017年11月4日公開)主演の岡野真也さんへのインタビューをお送りします。

Q 本作の台本を読まれてどう感じましたか。

A岡野真也台本は涙の印象が強いですけれど、舞台原作ならではの笑いどころもたくさんあって面白かったです。私が母親役を演じる、ということが何よりも大きかったです。家族の感動モノなので、なるべくリアルに作りたいと思いました。横尾初喜監督の想いもありますし、原作・脚本の西条みつとしさんの母親への想いもありますので、いろいろな方の母親像を聞いて役作りをしました。

Q 【現在・未来・過去】の三部構成で、一部では母親としての凛香、三部では20代の凛香を演じましたが、役の印象はいかがでしょうか。

A映画『ゆらり』岡野真也原作の舞台の映像を予め見ていたので、その舞台での役の印象を活かそうと思いました。20代の凛香は基本的には明るい子ですが、女優を目指していて、我が強くて素直になれない性格です。
それと、若い頃の凛香を演じる際には、親への悪態のつき方などは、私が実家にいる時の雰囲気を取り入れました。せっかくこのような作品に出演するので、家族に観てもらった時に家族に対して何か残したいなと。家族が観て私のそのままだと思ってくれたら嬉しいなと思いました(笑)。

Q 母親役についてはいかがだったでしょうか。

A岡野真也母親役は初めてだったのでプレッシャーもありました。撮影当時は23歳でしたので、本当に何も分からなかったです。でも、分からないなりに私の母に子どもを産んで何か変わったことはあるかとか、いろいろ聞きました。とにかく想像の枠外だったので、話を聞いたり、図書館に行って出産にまつわる本を読んだりもしました。それと30代の役でもあるので、お子さんがいらっしゃらない30代の方とお子さんのいらっしゃる30代の方の印象も全く違うので、町中でも30代の方を見かけたらそういう違いを観察していました。

Q 子役の子と現場で接する時は、母親役として接する場合、今までと何か違いはありましたか。

A岡野真也母親役ではない時に子役の子と接する時はその子のお母さんの目を気にすることがありましたけれど、今回は気を使いすぎるとダメだと思いましたので、なるべく娘のゆかり役の筧礼ちゃんと一緒にいるようにしました。礼ちゃんのお母さんは撮影現場のすぐ近くにいないようにされていたので、カメラの前に立った時には私と礼ちゃんの二人で芝居を作っていきました。

Q 民宿の雰囲気がとても素敵ですね。

A岡野真也凛香が経営している民宿「赤木箱」の建物は能登島に実在するペンションなんです。オーナーのご夫婦もとてもいい方で、クランクイン前日に現地に入った際には、奥さんに経営していて楽しいことや1日のスケジュールなどをいろいろお聞きしました。何より、好きでやっているそうで、とても幸せそうでした。その雰囲気も役に反映しました。

Q 親の気持ちに後で気づく、ということが描かれていますが、ご自身は何かそういう経験をしたことはありますか。

A映画『ゆらり』岡野真也子どもの頃は自分の気持ちを全然分かってくれない、と思ったこともありましたが、今思うと、本当はちゃんと分かっていたのだろうなと思います。年齢を重ねると分かってくることはありますね。

Q 三部の過去パートではSF要素が入ってきますが、どう受け止めましたか。

A岡野真也「時間を巻き戻せるリモコン」が出てくるのですが、普通のことではないので、それを観ている方に納得させるにはどうすればいいのだろうと思いました。私自身、現場では「ここは合っていますか」と、何度も辻褄が合っているかを確認しながら演じていました。時間が巻き戻った時のリモコンの位置とか、細かい部分が演じていて不安でした。でも、完成した映画を観ると、舞台的な要素にもなっていて、とても面白い出来上がりで良かったです。

Q 撮影を通じて、新しい発見や気づきはありましたか。

A映画『ゆらり』岡野真也今まで演じてきた役に比べ、今回はもっと素の自分を出したり、これまで生きてきた環境も反映させたいと思いました。それで台本には書かれていないこともたくさん準備をしました。家族に話を聞いたり図書館で本を読むこともそうですが、私が通っていた保育園の保育士さんに、4歳児の母親役なので、保育士目線で4歳児のことを聞きました。4歳は自分と他人を分けられる年齢とのことです。誰かと自分を比べたりもするようになるので、そこで押し付けすぎてしまうとその子の自己肯定感が育たなくなることもあるので、4歳児を担当するのは大変だと仰っていました。それと4歳の頃の私のことを聞いたら、今とあまり変わっていなかったです(笑)。

Q 作品のどんなところが一番の見どころだと思いますか。

A岡野真也最終的にみんなが自分の気持ちを相手に伝えることができているところです。私もこの作品に出演することがなければ、家族に話を聞いてみようという気持ちにはならなかったですし、家族に対する接し方も少し変わりました。家族だからこそ恥ずかしいこともありますけれど、そこをみんな言うことができているのがこの作品のいいところですね。

Q 岡野真也さんからOKWAVEユーザーにメッセージをお願いします。

A岡野真也私は自分の家族のためとか、西条さんや監督のご家族のような身近な人のことを考えて演じました。そういう身近なところへの想いが画面に出ているので、ぜひこの映画で泣きに来てほしいし、笑いに来てほしいし、家族を思い出しに来てほしいです。

Q岡野真也さんからOKWAVEユーザーに質問!

岡野真也皆さんの母親自慢をお聞かせください。

回答する


■Information

『ゆらり』

映画『ゆらり』2017年11月4日(土)より池袋シネマ・ロサにて公開ほか全国順次

石川県の民宿「赤木箱」を舞台に、宿を営む家族や宿泊客など「伝えられなかった想い」を抱える人々が時を超えて家族の絆を取り戻す姿を笑いと涙で描いたヒューマン・ファンタジー。

出演:岡野真也 内山理名
戸次重幸 萩原みのり 山中崇 遠藤久美子
平山浩行 渡辺いっけい
鶴田真由
監督:横尾初喜
原作/脚本:西条みつとし(TAIYO MAGIC FILM)
配給:ベストブレーン

http://yurari-movie.com/

©2017映画「ゆらり」製作委員会


■Profile

岡野真也

岡野真也(映画『ゆらり』)1993年2月22日、栃木県生まれ。
07年「介助犬ムサシ〜学校へ行こう!」で女優デビュー。東海テレビの昼帯ドラマ「安宅家の人々」(08)、「アゲイン!!」(14/TBS)、「ハードナッツ」(14/NHK)、などに出演する一方、15年『飛べないコトリとメリーゴーランド』で映画初主演。内田英治監督『下衆の愛』(16)のヒロインや「ボク、運命の人です。」(17/NTV)の演技で鮮烈な印象を残し、若手女優の注目株となる。主な出演作は、『アナザー』(12)、『図書館戦争=THE LAST MISSION』(15)。今秋ドラマ「ブラックリベンジ」(NTV)にレギュラー出演中。

https://ameblo.jp/maya-okano/

ヘアメイク:宇賀理絵
スタイリスト:瀬川結美子

ブラウス、パンツ:コロニー/ファラオ(03-6416-8635)