Vol.731 女優/アーティスト ダニエラ・ヴェガ(映画『ナチュラルウーマン』)

ダニエラ・ヴェガ(映画『ナチュラルウーマン』)

OKWAVE Stars Vol.731は映画『ナチュラルウーマン』(2018年2月24日公開)主演のダニエラ・ヴェガさんへのインタビューをお送りします。

Q セバスティアン・レリオ監督からのオファーを聞いた時、どのように感じましたか。

A映画『ナチュラルウーマン』ダニエラ・ヴェガ監督とは1年半くらい、友人として会っていたので、この映画のオファーが来た時には何も考えずに「イエス」と答えていました。監督が非常に優れている方だと知っていましたが、その監督から「君ならできる」と言ってもらえたので、挑戦だと思ってオファーを受けました。

Q 役を演じることについてはどう受け止めましたか。

A映画『ナチュラルウーマン』ダニエラ・ヴェガ歌は8歳から歌っていましたが、役者としても舞台にはすでに立っていましたし、この映画を撮る前にも主演(※)を務めました。ビデオクリップなどでも自分が思うようなアーティスト活動をしてきました。監督と会って話している間は、監督がこの映画の脚本を書いていたことを私は知りませんでした。だから脚本が届いた時にはびっくりもしましたが素晴らしい挑戦になると思いました。

※2014『La Visita(原題)』

Q マリーナとダニエラさんとはどうしても似た部分も感じてしまうのですが、ストレートの女性ではなくマリーナを演じることはどのような気持ちだったでしょうか。

A映画『ナチュラルウーマン』ダニエラ・ヴェガマリーナと私の中で共通しているのは女性であることと歌を歌うことと、ハンサムな男性が好きなことです(笑)。これはドキュメンタリーではありませんので彼女と私は全然違います。この映画はこういったキャラクターのことよりも、世界をどう見るか、をテーマに書かれた作品です。1つ1つのエピソードは私のことではなく全て監督によって書かれたものです。

Q 実際に演じてみて大変だったことなどはいかがでしょう。

Aダニエラ・ヴェガ演じる上で大変だったのはマリーナが精神的にも肉体的にも暴力を受けるシーンです。オルランドの前の奥さんのソニアにオルランドの車を返しに行くシーンでは、かなりキツイ言葉をかけられます。医者の前に連れて行かれるシーンでは裸にならなければなりませんが、みんなプロですので、信頼して演じきることができました。それと車の中でテープで顔をぐるぐる巻きにされてしまうシーンはやはり大変でしたね。

Q マリーナとオルランドの愛情の結びつきが素晴らしく感じられましたが、フランシスコ・レジェスさんをはじめ、どのように作り上げていったのでしょう。

A映画『ナチュラルウーマン』ダニエラ・ヴェガ役者は撮影の前から人物像を作って、それぞれの解釈で掘り下げていますので、撮影の時にそれを突き合わすことになります。私がいつも考えているのは、2人の関係の変遷を意識することでした。映画には必ず終わりがあるのが良いことです。ですので、シーンの終わりまでをどのように作っていくのか、その創造する道は役者だけではなく監督やスタッフも撮影に関わっていて、みんなが親密になっていればうまくいきます。完成するまでには幾通りもの筋道がありますが、みんなが創造力とこの映画にかける思いがあったので、それで愛情もまた滲み出てくるのだと思います。

Q 要所での音楽が素晴らしいです。アーティストの立場としてはどう受け止めましたか。

Aダニエラ・ヴェガこの映画の音楽はイギリス出身のマシュー・ハーバードが手がけました。レリオ監督はどの作品でも音楽を重要視しています。登場人物の1人1人にどういう音楽をつけるのかを考えることで、より生き生きとした人物像を作ろうとしてきました。どの作品も美しいと思います。
今回の私に関しては、歌ってほしいと頼まれましたので、バロックの中から、2曲のアリア(※)を選びました。そういうところに関われたのも光栄です。この映画のサウンドトラックはSpotifyに上がっていますので、みんな聴けると思います。映画を観たらもう一度聴いていただいて、登場人物の中にどれだけ音楽が浸透しているのかを感じ取ってもらえたらと思います。

※「Sposa son disprezzata」「Ombra mai fu」

Q 目標にしている女優はいますか。

Aダニエラ・ヴェガ誰かのようになる、ということよりも私が生き続けることが大切だと思っています。そして人物像を作り続けていくことです。もし比べるのなら、誰かと比べるのではなく、自分がやってきたことと比べて、それよりも上を目指す、自分との戦いが大事だと思います。

Q ダニエラ・ヴェガさんからOKWAVEユーザーにメッセージをお願いします。

Aダニエラ・ヴェガぜひこの映画を観る時には、皆さんは誰の立場に立って、どこまで共感して映画を観たのかを自問していただけたらと思います。そしてどこまで愛は深くなれるのか、自分に問いかけていただけたらと思います。

Qダニエラ・ヴェガさんからOKWAVEユーザーに質問!

ダニエラ・ヴェガ私たちは未来に向かってどうしたらもっと愛情深く、寛容になれると思いますか。

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■Information

『ナチュラルウーマン』

映画『ナチュラルウーマン』2017年ベルリン国際映画祭脚本賞/2018年アカデミー外国映画賞チリ代表
2018年2月24日(土)シネスイッチ銀座、新宿シネカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー!

ウェイトレスをしながらナイトクラブで歌っているマリーナは、年の離れた恋人オルランドと暮らしていた。マリーナの誕生日を祝った夜、自宅のベッドでオルランドは突然意識が薄れ亡くなってしまう。最愛の人を失った悲しみの最中に不躾で容赦のない差別や偏見を浴びせられる。ふたりで暮らしていた部屋から追い出され、葬儀にも参列させてもらえない。マリーナにとって、ただ愛する人に最期のお別れを告げたい、それだけが唯一の望みだった。理不尽な現実を乗り越えて前を向いて歩き始める彼女の姿に、観る者はいつの間にか共感し、幸せを祈りながらエールを送ってしまうはずだ。

監督・脚本:セバスティアン・レリオ(『グロリアの青春』『Disobedience』)
出演:ダニエラ・ヴェガ、フランシスコ・レジェス、ルイス・ニェッコ
配給:アルバトロス・フィルム

http://naturalwoman-movie.com/

©2017 ASESORIAS Y PRODUCCIONES FABULA LIMITADA; PARTICIPANT PANAMERICA, LCC; KOMPLIZEN FILM GMBH; SETEMBRO CINE, SLU; AND LELIO Y MAZA LIMITADA


■Profile

ダニエラ・ヴェガ

ダニエラ・ヴェガ(映画『ナチュラルウーマン』)1989年6月3日、チリのサンティアゴ生まれ。
8歳でオペラ歌手としての才能を認められる。高校卒業後、ヘアスタイリストとして働く傍ら、地元の劇団で演技をスタート。2014年に著名なソングライターのマヌエル・ガルシアのビデオクリップに登場するなど存在が話題に。2017年には演劇「Migrantes」でテアトロ・ア・ミル国際演劇祭の最高賞のひとつに選ばれた。同年に本作『ナチュラルウーマン』にて驚くべき才能を開花、ベルリン国際映画祭で上映されるや絶賛され、世界中から脚光を浴びている。次回作ではストレートの女性の役を演じ、女優として新たな一歩を踏み出している。