OKWAVE Stars Vol.757はPARCOプロデュース2018『ハングマン – HANGMEN -』にて舞台初出演の富田望生さんへのインタビューをお送りします。
Q 舞台初出演についてのご感想をお聞かせください。
A富田望生デビューした当時から舞台にずっと出演したくて、「出演したい」と言い続けていました。東京で公演する世田谷パブリックシアターは、とてもお世話になっている池谷のぶえさんの舞台を初めて観た劇場だったので、私もいつかこの劇場の舞台に立ちたいと思っていました。今回、舞台に立ちたいという思いとあこがれの劇場という2つが重なってぜひ出演したいと思いました。オーディションを受けて選んでいただきましたが、演出の長塚圭史さんの前でお芝居をしたのもすごく楽しくて、決まった時には本当に嬉しかったです。
Q 台本を読まれて作品をどう感じましたか。
A富田望生外国の作品なので馴染みのない言葉もセリフの中にあって、自分ひとりで台本を読むのは難しかったです。でも、この作品のどの部分で面白さを出していくのか考えるだけでワクワクしました。実際に稽古が始まると、皆さんのセリフのやり取りが自分の想像以上に面白くて、すごいなと思いました。馴染みのない言葉であっても、お客さんとの間にあるギャップみたいなものも面白く受け止めてもらえるんじゃないかと思いました。
Q 役柄についてお聞かせください。
A富田望生シャーリーという反抗期の中学生役です。私も中学生の頃は親に反発していたので気持ちはすごく分かります。私は中学卒業から3年経ってその時の気持ちは覚えていますが、やはり当時感じていたことは独特です。中学生はまだまだ子どもですが電車は大人料金になりますし、段々と大人の括りになっていきます。その大人と子どもの境い目の気持ちをシャーリーは持っていて時には「だって私、子どもだもの」と言ってしまうような女の子です。そのぎこちなさを大切にしたいなと思っています。反抗期ということではお父さんであるハリーへの反発がとても強いです。
Q 演出の長塚さんから言われていることはありますか。
A富田望生役を作るということでは舞台も映像も変わりませんが、セリフの話し方が違います。内気な女の子を演じますが、内気だから声が小さい、となると舞台では伝わらなくなってしまいます。舞台では自然に話しているようでも、セリフの伝える部分をしっかり話すことでお客さんにより伝わると思うので、そういった部分には注意しています。喋っているセリフの中で伝える部分を長塚さんが教えてくださるので、言われるたびに確かにそうだなと思いながら稽古をしています。
Q 共演者についてはいかがでしょう。皆さん年上の方々ばかりですね。
A富田望生大先輩の方々ばかりです。最初はすごく緊張していました。でも最近はお話もできるようになりました。皆さん自然体でいらっしゃるので、その姿を見て安心できます。稽古場の過ごし方のようなものも見ていて学べます。秋山菜津子さんはよく差し入れしてくださるのですが、最初すごく緊張していて差し入れに気づいてもいなかったので、私が食べていない姿を見たのか、私の分を持ってきて「緊張しなくていいんだよ」と声をかけてくださってすごく安心できました。
Q ご自分の役どころではどんなところが注目どころですか。
A富田望生役柄としては両親と大東駿介さんが演じるムーニーとの関わりが多いです。シャーリーは他のキャラクターと比べて一人だけ10代です。皆さんがいる中でシャーリーがいるぎこちなさが面白いと思います。その違和感を楽しめると思います。
Q 作品全体としての見どころはいかがでしょう。
A富田望生皆さんキャラクターがすごく濃いです。パブの常連客役が3人いて、その3人とも全く違う性格で、それが突発的に出る瞬間があって、稽古中に見ていても笑ってしまいます。一人一人の発言や行動の面白さがギュッと詰まっています。
Q 役を演じるにあたって、普段の生活から気をつけていることはありますか。
A富田望生普通の女の子の役なので、私も家族といる時間を大切にしています。本人は反抗期ですが両親の愛情はとても深いです。だから、毎日規則正しく生活することで、シャーリーだったらどう思っているのかなと考えることも多いです。それと、パブの娘の役なので、私もお母さんに似たようなお店に連れて行ってもらって雰囲気を体験したり、ティーカップに砂糖を2つ入れるくらい甘い紅茶が好きという設定なので、そんなところも試してみました。
Q ご自身の女優としての将来展望などありますか。
A富田望生主演を演じることや賞を取るといった目標はそこで終わってしまう気がするのでとくに決めてはいません。それこそこの作品が初舞台であるということや、この作品にこの時期に出られるのは今しかないという気持ちを毎回感じながら稽古をしています。1年前、2年前の自分の作品を見直して「もっとこうすればいいのに」と反省することもありますが、あの時にできた精一杯だと納得もできているので、今後も、過去の出演作を振り返った時に後悔しないように、一つ一つの作品と向き合っていきたいです。
Q 富田望生さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
A富田望生今回初舞台ということで毎日共演者の皆さんから学んで新鮮なことばかりです。舞台に立つことがとても楽しみになっています。出演する側としてはもちろん、稽古場で他の皆さんを見ていても面白いので、シャーリー役は譲れませんが客席でも観たいと思える作品です。ぜひお越しいただけたらと思います。
■Information
PARCOプロデュース2018『ハングマン – HANGMEN -』
2018年5月12日(土)~13日(日)彩の国さいたま芸術劇場
2018年5月16日(水)~27日(日)世田谷パブリックシアター
2018年6月9日(土)~10日(日)穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホール
2018年6月15日(金)~17日(日)ロームシアター京都サウスホール
2018年6月21日(木)~22日(金)北九州芸術劇場中劇場
「俺だって腕はいい!ピアポイントと同じくらいに!!」
1963年。イングランドの刑務所。ハングマン=絞首刑執行人のハリーは、連続婦女殺人犯ヘネシーの刑を執行しようとしていた。しかし、ヘネシーは冤罪を訴えベッドにしがみつき叫ぶ。「せめてピアポイントを呼べ!」。ピアポイントに次いで「二番目に有名」なハングマンであることを刺激され、ハリーは乱暴に刑を執行するのだった。
2年後。1965年。イングランド北西部の町・オールダムにある小さなパブ。死刑制度が廃止になった日、ハングマン・ハリーと妻アリスが切り盛りする店では、常連客がいつもと変わらずビールを飲んでいた。新聞記者のクレッグは最後のハングマンであるハリーからコメントを引き出そうと躍起になっている。そこに、見慣れない若いロンドン訛りの男、ムーニーが入ってくる。不穏な空気を纏い、不思議な存在感を放ちながら。
翌朝、ムーニーは再び店に現れる。ハリーの娘シャーリーに近づいて一緒に出かける約束をとりつけるが、その後姿を消すムーニーと、夜になっても帰って来ないシャーリー。そんな中、ハリーのかつての助手シドが店を訪れ、「ロンドン訛りのあやしい男が『ヘネシー事件』の真犯人であることを匂わせて、オールダムに向かった」と告げる。娘と男が 接触していたことを知ったハリーは・・・!
謎の男ムーニーと消えたシャーリーを巡り、事態はスリリングに加速する。
作:マーティン・マクドナー
翻訳:小川絵梨子
演出:長塚圭史
出演:田中哲司 秋山菜津子 大東駿介 宮崎吐夢 大森博史 長塚圭史 市川しんぺー 谷川昭一朗 村上 航 富田望生 三上市朗 羽場裕一
企画製作:株式会社パルコ
http://www.parco-play.com/web/play/hangmen/
■Profile
富田望生
2000年2月25日生まれ、福島県出身。
2015年公開の『ソロモンの偽証』前篇・事件/後篇・裁判にて浅井松子役でデビュー。その後も映画やドラマに活躍中。2017年公開の『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』『あさひなぐ』も話題に。今後の待機作として、8月31日公開、映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』、夏配信開始のNetfilxドラマ「宇宙を駆けるよだか」がある。本作にて初舞台。
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