OKWAVE Stars Vol.794は三谷幸喜さん作・演出のミュージカル「日本の歴史」(2018年12月4日〜)に出演の川平慈英さんへのインタビューをお送りします。
Q 日本の歴史1,700年分を物語にしたミュージカルとのことですが、どんな作品になるのでしょう。
A川平慈英作曲の“荻野清子さんの腕光る!”という感じになると思います。セリフで伝えるところも歌で綴るような内容になるので、歌の比重が高いですね。三谷さんの手法の中でもユニークで斬新なゾーンに入っていると思います。いただいた台本から、今までにない新しい三谷ワールドができるんじゃないかと感じました。
Q 共演者についてお聞かせください。
A川平慈英中井貴一さん、香取慎吾さん、新納慎也さん、シルビア・グラブさんとは共演していますが、宮澤エマさんと秋元才加さんとは初めてです。慎吾ちゃんとニイロくん(※新納さん)とは三谷さんの「TALK LIKE SINGING」でがっつり共演しているので、“勝手知ったる”という感じですね。みなさん共演が楽しみな方ばかりです。貴一さんとは以前「趣味の部屋」という舞台で共演しましたが、とにかく懐の深い方なので、今回三谷さんが書いて下さったふたりのシーンが今から猛烈に楽しみです。「趣味の部屋」はストレートプレイでしたが、貴一さんはウォーミングアップの時にミュージカルナンバーを歌っていて、それが素晴らしかったんです。だから僕は「ミュージカルやりましょうよ」とずっと言い続けてたんですよ。貴一さんは「怖いから無理だよ」とおっしゃっていましたが、今回共演することができてとても嬉しいです。
Q 三谷さんから何か事前に言われていることはありますか。
A川平慈英「“ある楽器”はねじふせておいてね」と言われています。これは幕が開いてのお楽しみです。飛び道具を出させていただきますので、楽しみにしていてください。それと、50役以上を7人で演じると発表されていますが、三谷さんのことだからきっと稽古中に増えるんじゃないかと思っています。皆さんは何役出てくるか数えながら観ていただくのも面白いと思います。僕は三谷さんがさらにサプライズを仕掛けてくるんじゃないかと、今からそれを受け止める準備をしています(笑)。
Q 稽古から相当楽しいものになるのですね。
A川平慈英追い込まれますし、追い込まれるのが嫌いではない人たちがそろっているんじゃないでしょうか。稽古は相当熱いものになると思います。三谷さんの舞台に立つ時には、まず心身ともに健康に、というところからです。僕自身はどの演出家さんの作品でも、イメージはしますが、あまり作り込まずに、真っ白な状態で稽古に入るようにしています。きっと今回は稽古場でみんなと一緒に七転八倒しながら、三谷さんの無理難題と格闘することになると思うので、かなりタフな状況を想定しています。
それと、シルビアとの稽古後のお酒の量には気をつけなければと思っています(笑)。彼女は酒豪中の酒豪ですので(笑)。シルビアさんといえば、僕の母はドイツ系のアメリカ人ですが、祖父がスイスからドイツを経て米国に渡ったということを昨年知って、シルビアさんもお父さんがスイス出身なので、お互いにルーツがスイスなんだと、20年来の友人なのについ最近そのことに気づきました。
Q 舞台上ではどのような作りになるのでしょう。
A川平慈英世田谷パブリックシアターなので、セットもかなり作り込んでくるでしょう。早着替えになるので、一度舞台に立ったら、まず途中で楽屋に戻れるようなものにはならないと思います。
Q 日本の歴史で気になる時代はありますか。
A川平慈英僕は日本の歴史、教科としては大嫌いでした(笑)。ですが、沖縄に生まれ育ったので、沖縄史については歳を重ねてからですが勉強するようになりました。今回は日本の歴史に取り組むいい機会だし、苦手ということをむしろ強みにしようと思っています。新しい分野を勉強することで、役者としての糧になればいいですね。とくに今回は男女年齢問わず、いろいろな役を演じますので。
Q 現時点での見どころについてはいかがでしょう。
A川平慈英全体では、50役以上を7人で演じます。この役をこの人にやらせるのか、という三谷さんならではのいい意味での裏切りがあるので、面白いと思います。三谷さんにとっても僕らにとってもターニングポイントになるような作品になると思うので楽しみです。
Q 舞台に立つ時はどんな心境で臨むのでしょう。
A川平慈英若い頃はいいところを見せてやる、という気持ちもありましたが、最近は欲張らず、丁寧に、いいものが見せられるといいな、という心境です。みんな怪我なく無事に終われることも素晴らしいことだと思えるようになりました。スポーツ選手の発言ですが、「練習は本番のように。本番は練習のように」という言葉もよく分かります。気持ちはカーテンコールまで汗一つかかず、ですが、実際には1曲目から大汗だとは思います(笑)。自分が一番楽しんでやりたいですね。
Q 川平慈英さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
A川平慈英新しい三谷作品に出会えると思います。時空を超えた壮大な日本の歴史がミュージカルとなって綴られます。いろんなハードルをクリアしていくのを三谷さんも僕らも楽しみにしています。いままでにない日本のミュージカル史に残るエポックメイキングな作品にしなければならないと思っていますし、一癖も二癖もある、エンタテインメントとして刺激のある作品になればいいなと思います。終わったら自分の勲章になるようなミュージカルにしたいですね。
Q川平慈英さんからOKWAVEユーザーに質問!
川平慈英僕と三谷さんが二人芝居をやるとしたら、どんなお芝居、ミュージカルを観てみたいですか?
個人的にはつい最近亡くなられてしまったニール・サイモン作「おかしな2人」を三谷さんと演じてみたいんですよね。無精者と几帳面な二人。几帳面な方を僕。演出は三谷さんじゃなくて、ちょっと怖いけど野田秀樹さんに是非(笑)。
■Information
三谷幸喜新作ミュージカル『日本の歴史』
【東京公演】2018年12月4日(火)~28日(金)世田谷パブリックシアター
【大阪公演】2019年1月6日(日)~13日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
1700年に及ぶ『日本の歴史』の物語……。さて、一体何が待っているのでしょう? どうやらこれは『オケピ!』でも『TALK LIKE SINGING』でもない、三谷幸喜ならではの新しいミュージカルの世界の予感……。
卑弥呼が登場するのは明らかなようですが、とは言ってもそこは三谷幸喜のこと。
卑弥呼が華やかに歌い踊るだけとは思えませんし、卑弥呼の時代から順番に出来事を追って進むだけとも思えません。または源平合戦だったり元禄の世であったり明治維新を背景に大がかりなダンスシーンでも出てくるのでしょうか?どの時代の誰がどのように登場し、どのような音楽に託して物語が進むのかも、まだまだヴェールの向こう側…。でも、そんなことはどうでもよいこと!なぜなら、これはミュージカルなのですから!!
ミュージカルだからこそ紡げる1700年に及ぶ『日本の歴史』をお楽しみにお待ちください!
作・演出:三谷 幸喜
音楽:荻野 清子
出演:中井貴一 香取慎吾 新納慎也 川平慈英 / シルビア・グラブ 宮澤エマ 秋元才加
料金(全席指定・税込):【東京公演】S席10,000円、A席8,000円、B席6,000円
【大阪公演】S席10,000円、A席8,000円
一般前売開始日:2018年10月20日(土)
http://www.siscompany.com/mitani/gai.htm
企画・製作:シス・カンパニー
■Profile
川平慈英
1962年9月23日生まれ、沖縄県出身。A型。
1986年ミュージカルでデビュー。以降、舞台・映画・ドラマでの活躍はもちろん、サッカーナビゲーターとしても知られる。舞台『ビッグ・フィッシュ』、『Shoes On!』、『フロッグとトード』、『趣味の部屋』、『Forever Plaid』などに出演。TVドラマに『表参道高校合唱部!』、『トクボウ』など。三谷作品への出演は、舞台『オケピ!』、『ショーガール』シリーズ、『TALK LIKE SINGING』、大河ドラマ『新選組!』、『HR』、映画『THE有頂天ホテル』がある。