OKWAVE Stars Vol.795は映画『殺る女』(2018年10月27日公開)主演の知英さんへのインタビューをお送りします。
Q 本作の出演について、台本などの印象はいかがでしたか。
A知英殺し屋役はコメディですが『暗殺教室』で演じたことがあるので初めてではありませんが、シリアスな作品で腕の立つ殺し屋役というのは、自分の中では新しい役に出会えたという嬉しい気持ちが大きかったです。目の前で両親が殺された少女が復讐心で殺し屋になる設定ですが、あってはいけないことですが、自分だったらどうだろうと考えながら台本を読みました。
Q 初のアクション映画とのことですが、目の芝居が印象的です。
A知英そうですね、立ち回りのような激しいアクションではなく、スナイパーとして銃を持つアクションが中心でした。目の動きや表情がすごく大事になっていると思います。事前に銃の持ち方などの練習もしましたが、現場でどう気持ちを作るかを大切にしました。以前からアクションものを演じたいという気持ちがあったので、今回実現できて良かったです。
Q 国際色豊かな現場だったかと思います。
A知英完成した映画は国際色豊かですが、実は撮影では武田梨奈さんとの共演シーンは一度もなかったり、私は遠くからターゲットを狙撃するようなひとりだけのシーンが多かったんです。今回は英語を話すシーンがありますが、日本だけではなくアジア人としていろんな国で演じられるように、普段から中国語を習ったりもしています。
Q 演じていて印象的だったシーンはいかがでしょう。
A知英私が演じた愛子の部屋での一人芝居です。愛子は両親が殺されてしまったことで感情がなくなってしまったかもしれませんが、それまでは両親に愛されて育ったので、誰かに愛情を注ぐこともできますし、飼っている鳥に話しかけることもあるだろうし、いろんな感情を見せられるようにと、考えて演じました。
Q ラストシーンが印象的です。
A知英台本には、私が演じたようなことは書いていないんです。ラストシーンで、愛子ははじめて自分と向き合ったのだと思ったので、監督と相談して、あのような感情が爆発したようなシーンになりました。相談させていただいたことで、監督が思い描いていることと、役者が思っていることがうまく合うのが一番幸せなことなんだと思いました。
Q 本作を通じて何か新しい発見などはありましたか。
A知英銃の持ち方は現場で「肩が上がっているよ」とか、かなり指導されました。銃を構えて対面しているシーンは、銃が結構重かったので、構えているだけでも大変でした。そのくらい、銃を構えているときの姿勢も大事で、プロっぽく見える持ち方をお聞きしながら演じることができました。
もしかしたら「知英は笑っている方がいい」という人もいるかもしれませんが、銃を持つ私も悪くなかったと思います(笑)。
Q 日本で単独での活動をはじめて4年になりますが、ご自分で感じる一番大きな変化は何でしょう。
A知英やはり日本語です。セリフになると、難しい意味のものはまだわからない言葉もありますが、壁を一つ一つ超えるようにやっています。
Q 女優業を続けていて、どんな時に達成感を感じますか。
A知英私は中学生の時からKARAにいて、できないことをたくさん経験させていただきましたが、逆に、経験できなかったこともありました。ですので、本当だったらできないことも役を通して、役の気持ちを分析して演じていくのは本当に楽しいです。今年主演した『私の人生なのに』では新体操選手で下半身麻痺になってしまう主人公を演じましたが、私と全く違う人生ですけれど、親の愛や友達の応援のありがたみのような、みんな同じなんだと感じることもあるので、役を通して共有したいという気持ちになります。
Q 母国を離れて活動している知英さんの原動力についてお聞かせください。
A知英いろいろ考えることもありますが、むしろ、何かを決めなくてもいいのかなと思っています。その一瞬一瞬をがんばって生きていれば、ステップアップもできると思います。とはいえ、やっぱり韓国を離れて日本に来た、ということが一番大きいとは思います。ここに来てがんばらなくてどうするの、という気持ちは間違いなくあります。
■Information
日米合作『殺る女』
幼い頃、家族の命を奪われた女・愛子は、両親を殺害された時に見えた腕にサソリのタトウーがある男を探すため、殺し屋となった。
孤児院育ちの加賀由乃は看護師になり、勤務先の医者に想いを寄せているものの心に闇を抱え続けている。
由乃の兄で元暴力団員の加賀俊介は、今は足を洗い、堅実に生きていた。
ある日、孤児院仲間にハメられた加賀は追い詰められ、家族や由乃を巻き込みながら、とんでもない事件に堕ちていく。この事件をきっかけに、愛子は幼き日の自分に似た加賀の一人娘・カナと出会い、運命を狂わせてゆく。
バラバラだった愛子、由乃、加賀の3つの人生は重なり翻弄されて・・・ミスをしない殺し屋・愛子の復讐劇に訪れる、衝撃の結末とは?
出演:知英 武田梨奈 駿河太郎 篠原篤 ほか
監督・脚本:宮野ケイジ
配給:プレシディオ
©2018「殺る女」製作委員会
■Profile
知英
1994年1月18日生まれ。韓国出身。O型。
KARAの元メンバー。
2014年より、日本を中心にアジア各国で女優活動をスタート。同年「地獄先生ぬ~べ~」(日本テレビ)でヒロインゆきめ役に抜擢。「民王」(15/テレビ朝日)、「ヒガンバナ~警視庁捜査七課~」(16/日本テレビ)など話題作に多数出演。
2016年にはアーティスト「JY」としてデビュー、2ndシングル「好きな人がいること」では、配信チャート12冠の快挙を達成する。
2017年に放送された「オーファン・ブラック~七つの遺伝子~」(フジテレビ)では、連続ドラマ初主演を務め、1人7役を演じきる。
映画では、『暗殺教室』シリーズ(15~16/羽住英一郎監督)、『片思いスパイラル』(16/原桂之介監督)などに出演。また『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』(17/FROGMAN監督)では人気キャラクターのハーレクイーン役の声優を務める。劇場長編映画初主演作品『レオン』、主演映画『私の人生なのに』に続き、本作が最新主演作となる。