OKWAVE Stars Vol.798は映画『モダンライフ・イズ・ラビッシュ ~ロンドンの泣き虫ギタリスト~』(2018年11月9日公開)主演のジョシュ・ホワイトハウスさんへのインタビューをお送りします。
Q 本作のストーリーについてどう感じましたか。
Aジョシュ・ホワイトハウス最初に台本を読んだ時、主人公のリアムに共感できました。面白い台本ですし、こういう楽しい映画に出たかったので嬉しかったです。僕自身、ミュージシャンでもあるので、準備期間にはミュージシャンとしての役作りはすぐにできました。
Q 自分と違うタイプのミュージシャンを演じる上で、どんな準備をされるのでしょう。
Aジョシュ・ホワイトハウス自分自身がミュージシャンであることは演じる上で役立っていると思います。違うバックグラウンドのミュージシャンであっても、音楽をやろうとしている動機や思いは理解できますので、そういう意味ではミュージシャン役は演じやすかったです。
Q リアムの気持ちの共感できるところとそうでもなかったところは。
Aジョシュ・ホワイトハウスリアムは音楽業界のデジタル化に抵抗感を抱いています。その気持ちは僕も理解できます。音楽配信によってCDが衰退していくのは寂しいですが、もしミュージシャンとして成功したいと思っているのなら、過去にとらわれすぎず、時代の進歩に付いていかなければならないと思います。僕もCDがなくなるのは悲しいです。昔ならライブの後にCDを手売りできたのが、音楽配信ではその場で売れないですよね。悲しいけど、新しい方法でミュージシャンとしてどうやって稼ぐか考えるしかないです。
Q 今回、主演としてどんな気持ちで臨みましたか。
Aジョシュ・ホワイトハウス『Northern Soul』という映画が最初の主演作でした。ミュージシャンとしてライブで歌っていたら、スカウトされてモデルの仕事をするようになっていましたが、役者として表舞台に出るまで2年間、演技やダンスの特訓を監督にしていただきました。その2年間は役者として様々な役を演じるためではなく、あくまでも『Northern Soul』という映画の役のための特訓でした。その映画が公開されて、他の映画にも出演するようになって、2度目の長編の主役をいただいたのがこの映画です。実は役をいただいて、撮影までの準備期間は1ヶ月間しかありませんでした。他の役者なら1ヶ月あれば役作りできると思いますが、僕は最初の作品で2年間も準備期間をいただいたから、スケジュールを聞いて最初はできるか少し不安な気持ちにもなりました。その時になって、2年間という期間はなんて贅沢だったんだろうと気づいたんです(笑)。それではじめて他の役者のように準備をすることになりました。結果的にはうまくできましたし、『Northern Soul』での経験も活きましたし、現場はとても和やかでした。もしかしたら、ミュージシャン役だったのでちょっと準備しすぎたかもしれません。でも、とても自信がつく経験になりましたので、次の作品にはさらに意欲的に臨めると思います。
Q 役を演じる上ではどんなことを大切にしていますか。
Aジョシュ・ホワイトハウスそのキャラクターになりきることが大事だと思います。そのためには同じような経験をしたり、そのカルチャーを理解することが大事です。どんな人生にも無数の思いがありますので、その人の気持ちになりきるのはとても難しいです。でも、その人の中に入って、役を理解することが大事です。つまり俳優にとっては、キャラクターを、人間を理解することが大切だということです。
そして、監督と脚本家のビジョンを理解して、監督が人々に何を伝えたいのかを理解することも大切です。絵描きに例えると、画家が監督です。監督がどんな絵を描きたいのか、僕たちはそれを考えることが大事です。アニメもそうですよね。監督がすべてを握っていますので、監督と違う解釈はなくて、僕がアニメのキャラクターなら、監督がどうしたいのかで動きますよね。
Q リアムとナタリーのラブストーリーとしては、ナタリー役のフレイア・メーバーとどう関係性を作っていきましたか。
Aジョシュ・ホワイトハウス相手役がフレイアに決まって、まず監督に「2人で遊びに行け」とタクシーに乗せられました(笑)。一緒にライブを見に行ったり、行動を共にしてとても楽しかったし、彼女とはとてもウマが合って、意思疎通が簡単にできました。撮影に入る頃にはリアムとしてナタリーに愛情を見せるのが自然にできるようになっていました。2人の10年間の時間を見せる映画ですので、映像に映っているところ以外での2人の関係性も大事だったと思います。
Q 10年間の感情の演じ分けはいかがだったでしょうか。
Aジョシュ・ホワイトハウスシーンごとに雰囲気も気持ちも違いますが、監督がシーンごとに2人の関係性やその時の気持ちを丁寧に説明してくれました。脚本にも細かく書かれていましたし、チームで取り組んで、うまくできたと思います。
Q リアムはジミヘンが好きとのことでしたが、ジョシュさんご自身はどんなミュージシャンが好きですか。
Aジョシュ・ホワイトハウス好きなのはトム・ウェイツ、ジェームズ・テイラー、ビリー・ジョエル、最近はポール・サイモンもよく聴いています。普段からいろんな音楽を聴いています。スカやレゲエ、フラメンコの音楽も好きです。
今後ミュージシャン役を演じる機会があったとして、ジャンゴ・ラインハルトのようなトップミュージシャンを演じるのは僕にはまだちょっと難しいかもしれません。でもやってみたいと思います、彼はギタリストとしての僕のヒーローですから。
Q 日本の印象をお聞かせください。
Aジョシュ・ホワイトハウス来日して2日間、取材を受けていてまだ外を見ていないです。窓から見えるいい感じの建物はロンドンみたいですね(笑)。日本に来る前にはアメリカで撮影していて、日本に来て気分も変わって、日本の食事もおいしかったです。取材が一段落したら新潟で温泉に入って、それからロックフェスも観に行くのが楽しみです。
■Information
『モダンライフ・イズ・ラビッシュ ~ロンドンの泣き虫ギタリスト~』
2018年11月9日(金) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
レコード店で「blur」のアルバムを選んでいる時に出会った、リアムとナタリー。
リアムは、デジタル化した音楽のダウンロードコレクションを忌み嫌い、昔ながらの「アナログ感」のあるCD、レコードコレクションを大切にしている夢見るミュージシャン。
ナタリーは、レコードジャケットデザイナーになる夢をもちながらも夢を諦め、二人の生活を支えるために、広告会社で働くキャリアウーマン。
そんなリアムとナタリーは生活のすれ違いにより別れの時を迎える事になる。
想い出の品々を整理し、それぞれが選んだ道へ歩みだす二人。
リアムのバンド“ヘッドクリーナー”は伝説の音楽プロデューサー、ザ・カーブと出会い徐々に活動の幅を広げ始め、ナタリーは会社の同僚エイドリアンに惹かれていく。
そんな中、“ヘッドクリーナー”にやってきた待望のチャンス。ステージに立ったリアムは即興であの曲の演奏をはじめる。ナタリーと一緒にいた時に書いたあの曲。
曲が最高潮に達した時、リアムは突如感情を抑えきれず、泣き出してしまう。
出演ジョシュ・ホワイトハウス フレイア・メーバー イアン・ハート ウィル・メリック マット・ミルン
監督/脚本:ダニエル・ギル
配給:S・D・P
http://nakimushiguitarist.com/
©Modern Life Pictures Limited 2016
■Profile
ジョシュ・ホワイトハウス
1990年2月27日、英国イングランド生まれ。
これまで、NMEアワードを受賞した映画『Northern Soul』(14)や、イアン・ボノート監督『エッジ・オブ・スピード』(16)に出演。さらに、『それでも夜は明ける』のスティーヴ・マックイーン監督制作の短編映画で主演を果たす。また自身も、インディーズバンド“MORE LIKE TREES”でリードボーカルを務めており、最近ではバーバリーの新作フレグランス、ミスター・バーバリーのキャンペーンモデルに起用されるなど、その才能と魅力的なルックスで注目されている若手俳優・ミュージシャンである。次回作に80年代にMGMが製作したカルトミュージカル映画のリメイク『ヴァレー・ガール』が控えている。