Vol.801 俳優 松田凌(『ONLY SILVER FISH –WATER TANK OF MARY’S ROOM』)

俳優 松田凌(『ONLY SILVER FISH –WATER TANK OF MARY’S ROOM』)

OKWAVE Stars Vol.801は映画『ONLY SILVER FISH –WATER TANK OF MARY’S ROOM』(2018年11月24日公開)主演の松田凌さんへのインタビューをお送りします。

Q 同じキャストが異なるストーリーとキャラクターの映画版と舞台版を演じる本企画を聞いてどう感じましたか。

A松田凌映画の撮影は昨年の12月で、舞台版は今年の1月の上演でしたが、話をいただいた時に、「ある魚の名前を当てれば、過去を振り返ることができる」という設定だけが共通していて、映画と舞台とで異なる物語の異なる役を演じられることに興味を惹かれました。

Q 舞台と映画では演じる上での違いはありましたか。

A松田凌(『ONLY SILVER FISH –WATER TANK OF MARY’S ROOM』)松田凌映画の撮影を通じて映画は繊細なものだと思いました。カメラの枠の中に自分の表現を納めなければならないし、一瞬の判断で演じなければならない、刹那のようなものを感じました。舞台には稽古期間があって、熟成させられる期間がありますが、映画はその時の自分たちの瞬発性が求められます。舞台は目の前でお客様に、生身の人間が違う世界を生きている姿を見てもらえるのが魅力です。すべて見られているので、一挙一動が何かのきっかけになっていることを意識しないといけないし、劇場のお客様を自分たちの世界に連れていかなければなりません。そのために稽古期間があり、演者同士で話し合い、演出家さんとも話し合います。芝居心を持って演じたいという気持ちは共通しているところです。

Q 演じた黒ネクタイの男の役作りについてお聞かせください。

A『ONLY SILVER FISH –WATER TANK OF MARY’S ROOM』松田凌シチュエーションが洋館の屋内というほぼ限られている中で、緊張感のある設定です。そこに順応して、その場で起きていることに素直に反応して演じていきたいと思いました。ですので、○○な人物、と決めて演じるよりも、その場で起きていることに合わせていくことに注力しました。

Q 緊張感のあるシーンの空気感をどう作っていったのでしょう。

A松田凌撮られている、ということを忘れる瞬間が何度もありました。自分だけが演じているのではなく、演者それぞれが役の気持ちを作ってお芝居をぶつけ合うという緊張感もありましたし、それぞれがお芝居するさまも、手札を切るような感覚だったので、そういうものがシーンの空気にも表れているのかなと思います。

Q 役者同士の雰囲気はいかがだったのでしょう。

A松田凌映画を撮影している時点では、それ以前に共演したことのない方もいたので、舞台の稽古を経て生まれる連帯感のようなものよりも、まだ緊張感の方があったと思います。台本が難しかったので、食事のときなどにみんなで話すこともありましたが、和気藹々としながらも、みんな心の中にまだ何かが隠れているような感覚もあり、この映画を撮影するのに合っていました。

Q 撮影で印象的だったことは何でしょう。

A『ONLY SILVER FISH –WATER TANK OF MARY’S ROOM』松田凌最初に思い浮かぶのは、とにかく寒かった、ということです(笑)。
西田大輔監督の初監督作品ということで、どういう現場の雰囲気になるか誰にも分かりませんでした。結果としてはとても楽しかったのですが、それは大輔さんが一番楽しそうにされていたので、映画を撮っていく姿を見て、その船に乗っている乗組員としては良い航海ができたような気分です。
撮影は大きな館をお借りして、中でずっと撮影していましたし、夜という設定だったので窓もカーテンで締め切っていました。外のロケが一度だけあって、そのときに初めて外の光を見たような感覚になりました。その唯一の外ロケのシーンのときが一番人間味があったなと思います。シーンとして張り詰めた環境の中にずっといたからか、外ロケは一息つくように自分を落ち着かせてくれたので、そういう撮影の妙、のようなものがあるんだと感じました。

Q どんなところに注目して観てほしいですか。

A松田凌この謎は誰にも解けないんじゃないかと思います。難解ですし、だからこそ観ていただいた方にそれぞれの答えがある作品になったかなと思います。濃密な会話だけで進んでいくので、この状況設定から物語の結末を予測できる人がいたら僕は尊敬したいです(笑)。
舞台を観ていただいた方は、違いや同じ人が演じている、ということは全く考えなくて大丈夫です。舞台では表現し得なかったものが映画にはあるので、ただ、映画を観ているんだと感じていただければと思います。

Q 本作に携わって、新しい発見はありましたか。

A松田凌生きていく上で、考えることと選択することの重要性に改めて気づかされました。あまり流さず、ちゃんと選択する、ということは役柄の話だけではなく、演じる僕自身も、どちらのお芝居を選択するのか、そのためにはどう台本を読み取るのか、ということに思い至りました。それをやらないと浅はかな人間になってしまうので、いろいろ学ばせていただいた作品になりました。

Q 松田凌さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A松田凌世の中にはいろいろな作品がありますが、西田監督は「わからない作品を作りたい」と仰っていました。最初に聞いた時はそれはどういうことなんだろうと思ってしまいましたが、完成した映画を観てとても納得しています。わからない作品、ということはみんながわかろうとしてくれる作品です。劇場に足を運んでいただければ、皆さんの人生にとっての何かしらの問いかけの答えが映画の中にあると思います。

Q松田凌さんからOKWAVEユーザーに質問!

松田凌僕は日本の外にあまり出たことがなく、もっといろいろ知りたいと思っています。全く違う国の生活や伝統に興味があって、そういうものを取り入れたいという気持ちにもなっています。一人旅初心者にはどういう国や旅がおすすめでしょうか。

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■Information

『ONLY SILVER FISH –WATER TANK OF MARY’S ROOM』

『ONLY SILVER FISH –WATER TANK OF MARY’S ROOM』2018年11月24日(土)よりシネリーブル池袋にて公開他、全国順次

とある洋館へと集められた男女。彼らの目的は“オンリーシルバーフィッシュ”という一匹の魚だった。その魚は本当の名を呼ぶことで過去を振り返ることが出来ると言われている。しかし、魚の本当の名前を知ることが出来るのはただ一人。招待状に則って行われるゲームの勝者だけだという。
最初のゲームは一斉に指をさして脱落者を一人決めるというものだった。
ゲーム開始直前、黒ネクタイの男はユキが誰を指そうと考えているかを言い当て、負けるはずだったユキを救う。その後も彼女を脱落させないため、誰にも気付かれぬようヒントを与えていくが、徐々にゲームの歯車は狂い始め…。
黒ネクタイの男は何故ユキが負けることを知っていたのか?
そして彼らはユキを救うことが出来るのか?
それぞれの過去と想いが暴かれる時、このゲームが開かれた本当の意味を知る。

出演:松田凌 皆本麻帆 玉城裕規
原作・脚本・監督:西田大輔
配給:ベストブレーン

公式HP:www.mmj-pro.co.jp/onlysilverfish

(c)2018「ONLY SILVER FISH」製作委員会


■Profile

松田凌

松田凌(『ONLY SILVER FISH –WATER TANK OF MARY’S ROOM』)1991年9月13 日生まれ、兵庫県出身。A型。
2012年、ミュージカル『薄桜鬼』斎藤一篇で初舞台にして初主演を飾る。以後、同シリーズや『Messiahメサイア』シリーズ等数々の舞台に出演し人気を博し、主演舞台の公演は毎回完売し、6,000人~15,000人を動員する。2013年、「仮面ライダー鎧武/ガイム」(EX)に城乃内秀保/仮面ライダーグリドン役で出演し、2017年1月のドラマ『男水!』ではドラマ初主演を務める。主な映画出演作は、『メサイア-漆黒ノ章-』(2013)、『ライチ☆光クラブ』(2015)など。

オフィシャルサイト:https://matsuda-ryo.com/

ヘアメイク:堀口有紀
衣装:瓢子ちあき