Vol.809 女優 ミハリナ・オルシャンスカ(映画『マチルダ 禁断の恋』)

ミハリナ・オルシャンスカ(映画『マチルダ 禁断の恋』)

OKWAVE Stars Vol.809は映画『マチルダ 禁断の恋』(公開中)に出演のミハリナ・オルシャンスカさんへのインタビューをお送りします。

Q ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世の即位前の恋を描いた本作ですが、その時代背景についてはご存知でしたでしょうか。

Aミハリナ・オルシャンスカ(映画『マチルダ 禁断の恋』)ミハリナ・オルシャンスカこの時代のことは知っていましたが、マチルダという女性のことは知りませんでした。私の出身のポーランドでは無名だと思います。非常に面白いと思いましたし、尊敬できる女性だとも思いました。この役を演じて、すっかり彼女に恋に落ちました。

Q マチルダのどんなところが魅力的だと思いますか。

Aミハリナ・オルシャンスカマチルダは人生にまつわる全てに情熱を持っていました。バレエを踊るときも、ニコライを愛するときも常に100%です。そういう人はどの人からも魅力的に映ると思います。普通の人がシャイになってしまったり、躊躇してしまいそうなときも、彼女はそう考えません。マチルダはすべてのものを自分は得られる、と思っています。私たちも本当はそういう態度を持っているべきだと思います。

Q マチルダ役はオーディションを受けて選ばれたとのことですが、オファーを受けたときと実際に決まったときのお気持ちをお聞かせください。

Aミハリナ・オルシャンスカ(映画『マチルダ 禁断の恋』)ミハリナ・オルシャンスカ素晴らしい機会だと思いました。ポーランドではこんな大作映画はありませんので、オファーを頂いたときは100万回に1回のチャンスだと思いました。オーディションを受けている期間はワクワクとストレスの繰り返しでした。最後、役をもらえると聞いたときには、アレクセイ・ウチーチェリ監督を追い回して「本当に私ですか」「他の人に変わったりしませんよね」と何度も確認してしまいました。この映画に出演するまでは私は女優としては駆け出しの状態だったので、マチルダ役に決まったときは、まさに小さな女の子がお姫様になったような気持ちになりました。

Q マチルダはバレリーナなので、演じる準備も大変だったと思います。役作りについてお聞かせください。

Aミハリナ・オルシャンスカまずバレエの授業にたくさん通って集中してレッスンを受けました。今もロシア語で会話はできないのですが、セリフを覚えるためにもロシア語を学びました。ロシアでの公開では、私もニコライ2世を演じたラース・アイディンガーもロシアの声優さんが吹き替えていますが、やはり話すときの口の動きがシンクロしなければなりませんので、発音をしっかり練習しました。

Q ニコライ2世を演じたラース・アイディンガーとの共演についてお聞かせください。

Aミハリナ・オルシャンスカすぐに仲良くなりました。ラースは役者としてはもちろん、人柄も素晴らしいので、一緒にいて演じやすかったです。待ち時間などにおしゃべりをたくさんしていましたが、あまり役柄についての話はしませんでした。一緒のシーンではあまり準備しすぎないようにしようと思ったからです。ふたり別々のシーンも多かったのですが、共演シーンでは、彼がいろいろときっかけを与えてくれるので、心地よく演技ができました。

Q 現存する宮殿での撮影や、衣装や身につけていた宝飾品についてお聞かせください。

Aミハリナ・オルシャンスカ(映画『マチルダ 禁断の恋』)ミハリナ・オルシャンスカ宮殿やバレエの劇場は非常に美しいロケーションでしたが、それ以上に大事だったのは、本物の場所だということです。そこにいると歴史のスピリットが感じられて、役者として大きな助けになりました。何かのフリをしたり想像するのではなく、そこで感じたまま演じればよかったからです。マチルダが身に着けていたドレスなどの衣装や宝飾品も全て本物です。それも役になりきる上で重要でした。

Q この映画に携わったことで、新しい発見などはありましたか。

Aミハリナ・オルシャンスカ(映画『マチルダ 禁断の恋』)ミハリナ・オルシャンスカ女優として多くのことを学びました。そもそも1年もかけて撮影をするのは初めてで、今までに経験したことがありませんでした。例えば、あるシーンを撮るときには3日、時には6日もかけていました。ポーランドではありえない撮り方です。3日間、同じシーンの芝居をすることは女優としての集中力が試されるということでもあるので、いい経験になりました。
個人的に得たことでは、私の通訳をしてくれたロシア人の女性と仲良くなりました。今では彼女はポーランド人と結婚してポーランドに住んでいるんです。

Q ポーランドの映画業界について教えてください。

Aミハリナ・オルシャンスカここのところ、毎年良くなってきていると思います。とくに女性監督が増えて活躍していると思います。90年代はロマコメやメロドラマばかりで停滞気味でしたが、そういうブームが去ってから、ポーランド映画の翼が広がってきたと思います。
日本の皆さんがすぐに見られるポーランドの作品には、Netflixで配信されている「1983」というオリジナルシリーズがあります。カーシャ・アダミク、オルガ・ハイダス、アグニェシュカ・ホランド、私が出演した『ゆれる人魚』のアグニェシュカ・スモチンスカの4人の映画監督がメガホンを取っています。こちらには私も出演しています。

Q ミハリナ・オルシャンスカさんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

Aミハリナ・オルシャンスカ非常に官能的で、ビジュアルも美しい映画です。まずはそれだけでも楽しめると思います。また、歴史の事実に基づいたドラマなので、歴史好きな人にも楽しめるでしょうし、歴史に興味が無い方には逆にロマンチックなシンデレラのようなおとぎ話として楽しめると思います。いろんな人がいろんな視点で楽しめると思います。あまり考えずに映画館で楽しんでいただけたらと思います。

Qミハリナ・オルシャンスカさんからOKWAVEユーザーに質問!

ミハリナ・オルシャンスカ今回の来日は5日間でした。もしまた東京に5日間滞在する機会があったらどこに行ったらいいと思いますか。

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■Information

『マチルダ 禁断の恋』

映画『マチルダ 禁断の恋』ヒューマントラスト有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開中

1890年代後半のサンクトペテルブルク。ロシア王位継承者であるニコライ2世は、世界的に有名なバレリーナのマチルダを一目見た瞬間恋に落ちる。燃え上がる彼らの恋は、ロシア国内で賛否両論を巻きおこし国を揺るがすほどの一大ロマンスとなる。父の死、王位継承、政略結婚、外国勢力の隆盛、そして滅びゆくロシア帝国と共に2人の情熱的な恋は引き裂かれようとしていた。

監督:アレクセイ・ウチーチェリ(ゴールデングローブ賞ノミネート監督)
出演:ラース・アイディンガー、ミハリナ・オルシャンスカ
配給:シンカ

http://www.synca.jp/mathilde/

(c) 2017 ROCK FILMS LLC.


■Profile

ミハリナ・オルシャンスカ

ミハリナ・オルシャンスカ(映画『マチルダ 禁断の恋』)1992年生まれ、ポーランドのワルシャワ出身。
ポーランド屈指の若手実力派女優。本作以外の主な映画出演作に、『ヒトラーと戦った22日間』(18)、『ゆれる人魚』(15)、『暗殺者たちの流儀』(15/未)などがある。