Vol.827 アーティスト BOMI(映画『シスターフッド』)

BOMI(映画『シスターフッド』)

OKWAVE Stars Vol.827は映画『シスターフッド』(2019年3月1日公開)に出演のアーティストBOMIさんへのインタビューをお送りします。

Q ドキュメンタリーとフィクションが組み合わさった本作のドキュメンタリー部分に出演されていますが、経緯をお聞かせください。

A映画『シスターフッド』BOMI4年くらい前に私のライブを撮りたい、という連絡を西原孝至監督からいただいたのが最初で、それがドキュメンタリーとして密着撮影したいということに変わって、撮影していただきました。その後、撮ったものはどうなったんだろうと思っていたら、2018年の5月頃に連絡が来て「映画としてまとめることにしました」「フィクションパートもあります」と聞いたので、どんな映画になるのだろうと自分でも予想がつきませんでした。

Q 密着取材で撮られるという感覚はどんな感じでしょうか。

ABOMIマイクが仕込まれているわけではないので、すぐに慣れました。自然に居てくださる監督だったので、その点ではあまり気にはならなかったです。
自分の気持ちを語るような場面でも、カメラの位置や目線だけ教えていただいて、ただ会話をしていたので、普段カメラが回っていないときと同じように話すことができました。「もう一度お願いします」みたいなことはありませんでした。

Q 自分の発言を映画で振り返って、何か気づきなどありましたか。

ABOMI撮影していただいたのは4年前なので、自分でも忘れていることが多かったです。カップラーメンを食べているところや曲を作っている最中の様子など、日常のことなので覚えていないことだらけでした。ライブをバンド生演奏ではなくカラオケを使っていたこととかもそうですし、怖さもありつつ、なるほどなと思いながら観ました。
それと意外と自分は変わっていないなというのは発見でした。その時を一生懸命生きていたら、意外と人間は根本的には変わらないんだなと感じました。

Q 本作では「女性の生きづらさ」を描いていますが、そのテーマに何か思うところはありますか。

ABOMI身体の仕組みが男女では違いますので、性差でハンデを負わずに生きていくのはよほど強い女性でないと難しいと思います。そういう意味ではとくに日本は女性に優しくない社会だとは思います。

Q 他の出演者の女性たちの言葉に共感できる部分は多かったですか。

A映画『シスターフッド』BOMI共感、というよりも、もやもやしたり痛みを感じました。共感できるけれど、違う選択や捉え方もあるんじゃないかなと感じたり。フィクションパートには海外に行こうとする女性が出てきますが、女性が何かを決めるということは、男性が決断することと比べると、目の前のことから逃げる、というふうに捉えられることがあると感じます。そういう見えないところにある男尊女卑のようなものも感じますが、男女では身体がそもそも違うので完全に解決することではないと思っています。それをどう受け入れて自分の中で処理するのかは答えがない問いなのかなと思います。そういうことよりも「自分の幸せとは何か」を考えればいいんじゃないかとも思いますし、答えがないことにもやもやする映画なのかなと思います。
日本では女性の方が仕事を選べる範囲は少ないですし、男性にはその分責任があるという言い分もあるだろうし、その逆もあるよね、という言い方もできると思います。スッキリはしないだろうけれど、考えるきっかけになる映画だと思います。

Q 日本の社会での「生きづらさ」を感じることはありますか。

ABOMI私は、その人が生きていけるくらいのお金を稼げているなら、犯罪をしなければ、何をしてもいい自由があるという考え方をしています。ユーチューバーみたいな人たちが出てきたときも、それで稼げればその仕事もいいよね、くらいにしか感じなかったし、どんな仕事でも誇りを持てればいいのかなと思います。でも、それだけでは割り切れない他人の視線のようなものもあるだろうし、それに抗い続けるということも苦しいとは思います。もう少し寛容さがあればいいのに、というのは男女関係なく思うところです。

Q ご自身は解放されていると思いますか。

ABOMI「自由に生きているね」「奔放だね」と言われがちですが、まったくそんなことはないです(笑)。小さな事をいろいろ考えながら生きていますが、大きな決断をわりとバンと決めてしまうような思い切りの良さはあると思います。

Q BOMIさんご自身が音楽を始めたきっかけをお聞かせください。

A映画『シスターフッド』BOMI子どもの頃から音楽が好きで9歳くらいから歌手やアーティストになることを思い描いて、その気持ちを持ち続けて東京に出てきて活動を続けて今に至っています。
何か主張するよりも音楽そのものを通じて楽しいことをしたいという気持ちの方が大きいです。音楽で感情を解放できるのがいいところですし、聴く方がどう感じるかというところを私自身は大切にしています。私自身はメッセージ性の強い音楽を聴くのも好きですが、それを自分が発信するよりも、誰か一人のために歌う方が私にとってはリアルだし、他の人にも受け止めてもらえるかなと信じています。

Q BOMIさんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

ABOMIこの映画は生きづらいと思っている人に観ていただきたいと思います。リアリティがありすぎて知りたくないと思うこともあるかもしれませんが、自分だけではないんだと安堵もできるだろうし、それでも生きていかなければならないという気になれるかもしれません。完璧なまま生きなくてもいいし、もやもやしたまま生きてもいい。ちょっとでも肩の力が抜けるといいなと思います。

QBOMIさんからOKWAVEユーザーに質問!

BOMI女性として、あるいは男性として生まれてきたことで損していると感じたことはありますか。あるとしたらどんなことにですか。

回答する


■Information

『シスターフッド』

映画『シスターフッド』2019年3月1日(金)アップリンク渋谷にて公開ほか全国順次公開

東京で暮らす私たち。
ドキュメンタリー映画監督の池田は、フェミニズムに関するドキュメンタリーの公開に向け、取材を受ける日々を送っている。池田はある日、パートナーのユカに、体調の悪い母親の介護をするため、彼女が暮らすカナダに移住すると告げられる。
ヌードモデルの兎丸は、淳太との関係について悩んでいる友人の大学生・美帆に誘われて、池田の資料映像用のインタビュー取材に応じ、自らの家庭環境やヌードモデルになった経緯を率直に答えていく。
独立レーベルで活動を続けている歌手のBOMIがインタビューで語る、“幸せとは”に触発される池田。
それぞれの人間関係が交錯しながら、人生の大切な決断を下していく。

兎丸愛美 BOMI 遠藤新菜 秋月三佳 戸塚純貴 栗林藍希 SUMIRE 岩瀬亮

監督・脚本・編集:西原孝至
製作・配給:sky-key factory

公式サイト:https://sisterhood.tokyo/

©2019 sky-key factory


■Profile

BOMI(ボーミ)

BOMI(映画『シスターフッド』)2012年6月に日本コロムビアよりミニアルバム『キーゼルバッファ』でメジャーデビュー。リード曲「キューティクル・ガール」が、スペースシャワーTVが主催する、その年最も輝いていたミュージックビデオ”Music video award50”にノミネートされる。『シスターフッド』でも歌唱シーンのある「iYo-Yo」は、J-WAVE「TOKIO HOT 100」のTOP10にランクイン。楽曲「エクレア」を映画『今日、恋をはじめます。』に提供し、好評を博す。2018年の東京国際映画祭に正式出品された、MOOSIC LAB 2018長編部門作品『月極オトコトモダチ』では主題歌を担当。これまでにフルアルバム3枚、ミニアルバム4枚をリリースし、ROCK IN JAPAN、SUMMER SONsaICなどのフェスへも出演している。

http://bomibomi.com/