Vol.840 女優 松下恵、榊原るみ(映画『アラフォーの挑戦 アメリカへ』)

松下恵、榊原るみ(映画『アラフォーの挑戦 アメリカへ』)

OKWAVE Stars Vol.840はドキュメンタリー映画『アラフォーの挑戦 アメリカへ』(2019年4月6日公開)主演の松下恵さんと実母の榊原るみさんへのツーショットインタビューをお送りします。

Q 本作は松下さんのアメリカへの語学留学を追ったドキュメンタリー映画ですが、英語はだいぶお上手に見受けられました。これまでにも勉強されていたのでしょうか。

A松下恵オンライン英会話レッスンを2年くらい習っていました。毎日25分レッスンを受けるのが私の楽しみのひとつなんです。先生も熱心ですし、お値段も安いのでおすすめです。

榊原るみ最初は英会話を聞いてて、結構下手でしたよ。「Oh yes」しか言ってなかった(笑)。

Q 本作の企画の立ち上がりと出演の経緯をお聞かせください。

A映画『アラフォーの挑戦 アメリカへ』松下恵LAで語学学校を経営されている青井ゆかりさんという方から「海外に語学留学する若者が減ってきているので、語学留学にスポットを当てた映画を作りたい」と義理の父のすずきじゅんいち監督に相談がありました。当初の企画では留学するのは20代の一般の女性の方を想定していたそうですが、本作の女性プロデューサーが、「アラサー、アラフォーの女性の留学は逆に増えている」ことを知って、アラフォーの私に声をかけていただきました。私は語学留学したい気持ちはありながらも日本を出る勇気がなかったので、いまがそのタイイングだと思ってすぐにやりたいですと伝えました。

榊原るみ昔はUCLAにも日本人がいっぱいいましたが、いまでは中国人や韓国人ばかりとのことです。企業も撤退しているので、LAにあるリトルトーキョーも名前は残っていますが、実際は韓国の店で大繁盛しています。みんなテレビやネットを観て満足してしまうのか、現地に行って何かを聞いたり見たりしたいという若い人が減っているのかもしれません。私は海外に住んでいたので、日本にしか住んだことがない人は、みんな日本が世界の中心だと思っているように見えます。一歩日本の外に出てはじめて、日本はとても小さな島国だと肌身で感じられるし、そう感じるのはとてもいいことなので、1ヶ月でも外国に行ってみるといいと思います。

Q 撮影はどのくらいの期間だったのでしょう。

A松下恵1ヶ月間です。午前中は学校、午後はインタビュー撮影だったので、かなりタイトなスケジュールでした。撮影で行った西海岸は、母たちが住んでいたマリナ・デル・レイに11年間で3回しか行ったことがなく、新鮮でした。

榊原るみもったいないわね〜(笑)。

松下恵学校はアーバインという南部の方で、ホームステイ先はもっと南でしたので、LAとはまた違った、メキシコの香りがするようなところでした。

Q 留学先の他の国からの留学生の様子はいかがでしたか。

A映画『アラフォーの挑戦 アメリカへ』松下恵他の国の方の英語は訛り方がその国独特だったのでぜんぜん聞き取れなかったです。でも皆さん授業ではよく発言されていました。

榊原るみ映画の中の発言を聞いていると、みんなぜんぜん喋れていないのに、本当によく発言してしますね。

Q 留学されて日本人としてのアイデンティティを感じることはありましたか。

A松下恵LAの方々は日本人からすると図々しいと感じてしまうほどイケイケですし、元気でポジティブに考えがちなので、うらやましくもありました。ですが帰国していま思うと、落ち込んだりもしながら、自分のことをよく考える日本人の考え方も大事だと思います。
授業で日本のことを紹介する機会があり、相撲を題材にしようと留学前にあらかじめ準備をしました。でも、もともと私はそんなに相撲のことを知らなかったので、私は自分の国のことを語れないんだなと改めて感じました。いまでも日本のことを説明するのは難しいなと思います。

Q 松下さんが留学されるということをどう受け止めましたか。

A榊原るみやっと行く気になったかと思いました。私は彼女がもっと若い頃から「海外に行けばいいのに」と言っていましたが、やっぱり日本が好きなのか行かないんです。「そんなに長く仕事を休めない」なんて言っていましたが、若い時期はどうにでもなると私は思います。遅いけど、行かないよりは行った方がいいし、行ったことで本人もだいぶ変わったので良かったと思います。

Q その変化したところはいかがでしょう。

A松下恵年齢を気にしなくなりました。あちらでは年齢で人をジャッジしませんし、履歴書にも生年月日を書きません。映画のタイトルにもあるように、ちょっと図々しいくらいに“挑戦”していっていいんだと感じられるようになりました。以前よりも怖くなくなって積極的になったと思います。

榊原るみ悪く言えば“開き直り”ですね。親の目線で言うと、やっと少し自分に自信を持てるようになったのかなと思います。何か新しいことをやろうという糸口が見つかったのだろうから、そのままドーンと前に進められればいいなと思います。いままではいつも立ち止まって人の目を気にしていたのかなと思います。

松下恵映画の中でも私は「自信がないのよ」と言っていますが、「自信がない」と言っても大丈夫なんだと気づけました。

榊原るみ本当に自信がなかったらそうは言えないんだから、自信がついたのよ。「自信がない」って言っている人は実際には自信が無いわけではないです。ウジウジしているのは人生の損なんです(笑)。

松下恵ですのでこの映画のおかげで本当に変われました。

Q 映画のテーマのひとつに「結婚観」がありましたがそちらについてはいかがでしたか。

A映画『アラフォーの挑戦 アメリカへ』松下恵LAの女性に結婚観を聞くと、結婚は大事だけれど、それ以上に人生でやりたいこと、成し遂げたいことの方が優先だという考え方です。日本にいると結婚がゴールだと感じることが多いのでその違いは大きかったです。LAでは結婚しているかどうかよりもその人がどうしているのかの方が重視されます。やりたいことを大事にした方がいいのかなと感じました。

榊原るみでも離婚率もその分高いから、みんなそこまで結婚に期待していないということもあるのかなと思います。

松下恵映画の最初に登場するホストファミリーは本当に理想的な家庭でした。あの一家はお父さんが毎日夕食を作っていて、お母さんが遅れて仕事から帰ってくるスタイルでした。女性の働きやすさや、父親が子どもを見るのは当然という考え方が普通のことになっていると感じました。

榊原るみ日本だと平日に公園にお父さんが子どもを連れてくると、失業しちゃったんじゃないかと思われたりしますが、向こうではお母さんも働いているからお父さんが連れてくることが多いです。そういうところで人を差別することはないと言えますね。

Q 人生において何をしたいか、ということを問われますが、ご自分ではいまどうお考えでしょうか。

A松下恵私自身、留学前は何をやりたいのか分からなくなっていました。だから今回一歩踏み出しましたが、その経験を経て、映画を製作することも面白いなと思いましたし、文章を書くようになってその面白さも感じているので、やりたいことが少しずつ見えてきました。
アメリカでは、子どもが何をやりたいのか、本人の意見を大事にして育てていくので、映画の中の私のように「結婚もしたいし、仕事もしたいですが、何をしたいかまだ分かりません」と言っている人はひとりもいないんです。だから刺激を受けましたし、考え方が大きく変わりました。

Q 留学中、一番印象深かったことは何でしょう。

A松下恵担任の先生の言葉です。ネイティブの方なので、流暢に早く喋るのでなかなか聞き取れませんでした。それで「ゆっくり話してもらえませんか」とお願いしたら、「アメリカが君を選んだのではなく、君がアメリカを選んだんだから、僕は君には合わせません。付いてきてください」と言われてしまいました。それがアメリカぽくて印象深かったです。日本だと先生が生徒に優しく合わせてくれそうですが、私が付いていかなければならないんだと、厳しさを感じました。はっきりそうおっしゃられたのがむしろ面白かったです。

Q 西海岸のおすすめの場所などありましたら教えてください。

A松下恵まず、今回滞在したところはどこもきれいなんです。とくにメキシコ料理のレストランはきれいでおいしいところばかりでした。ハンティントンビーチも素敵でした。学校のあるアーバインは、全米一安全な都市と言われていて、便利で住み心地がいいところでした。アーバインは新しい町なので、建物も近代的ですし、警察がすぐ駆けつけてくれるくらい整理整頓されていて安全です。それから、パサデナは自然が多くて素敵でした。私は1ヶ月しかいなかったのでもっといいところがあると思うのでぜひ皆さんにも行っていただきたいです。

Q タイトルは“アラフォーの挑戦”ですが、全世代向けの映画だと感じました。

A映画『アラフォーの挑戦 アメリカへ』松下恵皆さん年齢は気にせずに、いろんなことに挑戦していってほしいなと思います。挑戦というと大きく聞こえるかもしれませんが、一歩踏み出す勇気が私をこれだけ大きく変えてくれたので、「アラフォーだからこんなことをしたら恥ずかしい」とか「アラサーなのに」と思わず、失敗してもいいと思って一歩踏み出していただけたらと思います。私はこの映画を同世代の女性向けに作ったつもりですが、意外に独身男性も共感しているそうなので、いろんな方に観ていただきたいです。
アラサーやアラフォーの独身女性の方が留学してあちらで結婚相手を見つけるケースが多いとも聞くので、留学はとても夢があると思うのでおすすめです(笑)。

Q 今後の目標などお聞かせください。

A松下恵またこういう映画に携わりたいなと思います。今回、出演するだけではなく、作る方にも携わらせていただきました。企画が実現するまで、映画を公開するまで、こんなに大変なんだと勉強もさせてもらいました。作品作りの面白さは、子どもの頃の文化祭のようなワクワクもありますので、これからは製作にも携わってもいきたいです。

榊原るみ私が娘に願うことは早く自立してほしいということです。それで食べていけるなら、それこそ結婚にはこだわりません。男女にかかわらず、道を見つけて進んでいけることが大事なのかなと思います。自分がやりたいことで食べていける人は一握りですが、それで生きていける人もいるので、どちらを選ぶのかが大事ですね。

松下恵私は続けられたこの環境に感謝しています。今後は恩返しだと思ってやっていければとも思います。

Q 松下恵さん、榊原るみさんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A松下恵人生に迷っている方や、私と同じ世代でシングルの方にとっては、カウンセリングのような映画だと思います。すごく勇気が出るし、一歩踏み出したり、年齢に関係なく挑戦することが大事だと感じられますので、ぜひ観に来ていただけたらと思います。

榊原るみどんな年代の方にも観ていただきたいです。映画には高齢者の方も出てきますし、私は間違ってなかったんだと思えたり、元気がもらえると思います。親子で観てもいいと思います(笑)。とくに同じような世代の娘を持つ親が見ると、それまで子どものことで心配されていたとしても、ちょっと肩の荷が下りるのではないかと思います。親子ともにスッキリ開放される映画だと思います。

Q松下恵さん、榊原さんからOKWAVEユーザーに質問!

松下恵私は、皆さんが留学するならどの国に行きたいのか知りたいです。

榊原るみ子育ても仕事も一段落して“60代に夢のカナダ留学”という方もいると聞いています。ところでホームステイは年齢制限があるのか気になります。60代でも受け入れてもらえるものでしょうか。シルバー世代の留学事情をご存知の方は教えてください。

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■Information

『アラフォーの挑戦 アメリカへ』

映画『アラフォーの挑戦 アメリカへ』2019年4月6日(土)公開

婚活すべきか?独身のままキャリアップを目指すか?子供は…?
決して若くはないけれど、まだいくつかの選択肢が残されている30代の女性たちが「自分の人生を変えよう!」とアメリカに語学留学するケースが増えている。
ある程度の資金もあるし、20代よりは気持ちに余裕がある彼女たちは、思い切りがよく、決断が早いので、あっと言う間に渡米するのだ。
残念だが、男はその勇気も無く、留学しているその年代はかなり少ない。

アメリカには世界から人が集まる。
この国には、「ドリーム」があり「自由」があり、「世界一の富んでいる強国」という面もある。しかし、数え上げれば無数のマイナスの面もある。それでも海外から最大の人が集まるのがアメリカである。

30代半ばを過ぎ(アラフォーになり)、人生をリセットしたい女優の松下恵をメインキャラクターにし、ホームステイや英語留学を通して、アメリカの真実、素晴らしさやダメな点、そして日本が、海外からどのように思われているのかをリサーチし、どう彼女が「人生をリセット」出来るかを見て行く映画だ。
つまり「アラフォーの人生の選択と決断」を描いた映画である。

出演:松下恵 Takayo Fisher Roger Christiansen David Greenspan
脚本・監督:すずきじゅんいち

配給:フイルムヴォイス

https://arafo37.com/

©アラフォー・フィルムパートナーズ


■Profile松下恵、榊原るみ(映画『アラフォーの挑戦 アメリカへ』)

松下恵

1981年1月16日生まれ、東京出身。
1993年、TBSドラマ「課長さんの厄年」の主演・萩原健一の娘役でドラマデビュー。TBS「3年B組 金八先生 第4シリーズ」の学級委員長役でレギュラー出演。映画『秋桜 COSMOS』で、映画初出演で初主役、アイディリーワイルド映画祭グランプリ受賞。
「相棒」「9係」など多数のドラマ、映画、舞台に出演、CM(小田急百貨店、日本生命、大正製薬、シオノギ製薬/イーライリリーなど)でも活動を続けている。
趣味は、ボルダリング、ドイツ語、ピアノ。

オフィシャルウェブサイト:http://megumimatsushita.com

榊原るみ

1951年3月5日生まれ、東京出身。
女優としてドラマ、映画などに幅広く活躍中。