Vol.845 女優 青野紗穂(New Musical『Color of Life』)

青野紗穂(NEW MUSICAL「Color of Life」)

OKWAVE Stars Vol.845はNew Musical『Color of Life』出演の青野紗穂さんへのインタビューをお送りします。

Q 本作出演について最初にどう感じましたか。

A青野紗穂この作品は石丸さち子さんの脚本・作詞・演出ですが、伺ったところ石丸さんは一週間で書き上げたそうです。そんな本当に奇跡みたいな作品ですので、出演の話をいただいた時は、私にこんな大役ができるのかと不安に思いました。もちろんうれしさはありましたが、不安の方が大きかったです。物語もすごく深いです。一見、男女の話のように見えますが、出会いの奇跡を描いた話ですし、それがきっかけで本当の自分が見つけられたり、自分の存在は何なんだろうとすごく考えさせられる台本でした。自分が何者なのかを考えたり、新しい道を選ぶことの大切さを、稽古を通してありがたく感じています。

Q 演じるアメリカと日本の二重国籍のレイチェルについてはどう受け止めましたか。

A青野紗穂私もアメリカに住んでいた時期もありますが、血は混じっていないので、向こうの人のような、あっけらかんとした明るさや思考回路を理解はできますが、私の中にはないものなので、ずっと意識し続けなければなりません。二重国籍の大変さもちゃんと調べないとならないなと思います。英語を使う場面が結構ありますが、そこは大丈夫です!(笑)
レイチェルはもともと同性愛者なのですが、それが男性にも惹かれていく、ということではなく、同性愛者という括りにいた自分が、亡くした彼女のことを人として好きだったのか、それとも女性同士だけど好きだったのか、和也と出会うことで悩んでいきます。それを軽々と演じてしまうと、同性愛者の人がストレートになったように見えてしまうので、いまは試行錯誤して石丸さんと一緒に探しているところです。

Q 演じる上でどんなところを大事にしていこうと思っていますか。

A青野紗穂演じる上ではまずは自分でやってみることと、レイチェルが自分の中で生きているということを意識することです。青野紗穂が出てきてしまうと話とずれてしまいます。誰しもがこういう経験があって、誰しもが覚えているようなシチュエーションがたくさん入っています。それをつなげてレイチェルを作り上げていこうとしています。

Q 二人芝居とのことで、相手役の東啓介さんとのお芝居についてお聞かせください。

A青野紗穂私の方が遅れて稽古に入ったので、助けられている気がします。和也とレイチェルの関係では、和也は内に回るエネルギーが強くて、話を聞いて納得してくれたり安心する材料をくれますが、東くんも同じようにしてくれています。私が役に悩んでいるとき、言葉ではなく、存在として気持ちを落ち着かせてくれるようにいてくださっているので助かっています。

Q 本作での歌についてお聞かせください。

A青野紗穂ほとんど歌なんです(笑)。ポップスもあり、ジャズもあり、ロックもあり、最後はクラシックで締めます。このミュージカルの音楽ジャンルはこれ、と限定できませんし、ストーリーを進める上で助けてもらえるものにもなっています。クラシックやジャズを知らない方でも楽しんで聴いていただけると思います。曲は素敵ですし、歌詞には抽象的なものも、すごく具体的なものもあるので、すごく楽しめると思います。
この作品では、時間の経過や、一歩踏み出すときの心の高揚のようなものを音楽で表現しています。いわゆるミュージカルのような、いきなり歌い出すようなものではなく、キャラクターに寄り添った音楽になっています。とはいえ、音楽ならではの言葉遣いもあるので、わかりやすい部分と、逆に何回も観て理解していただきたいところもあります。歌も伏線になっていたりもしますので、むしろストレートプレイに近いと思います。ですので、ミュージカルに馴染みのない方も楽しんで観られると思います。

Q N.Y.が舞台の作品ですが、青野さんもN.Y.に住まわれていたことで、作品にどう影響を与えられそうですか。

A青野紗穂(NEW MUSICAL「Color of Life」)青野紗穂レイチェルはシカゴ生まれでN.Y.ではチェルシーというところに住んでいます。私はハーレムに住んでいました。ハーレムはチェルシーよりももっとマイノリティが集まるゲットーなところです(笑)。14歳の頃に向こうで音楽やダンスの勉強をして、オーディションを受けたりしていました。ブロードウェイやタイムズスクエア、セントラルパークにいつも行っていました。N.Y.の文化は日本と違う、というよりは、日本と似ているけれど歴史の違いからこうならざるを得なかった文化、という違いだと思います。通っていたレコード屋さんにいつもいたおじいちゃんから、ニューヨークの歴史をよく聞いていました。
レイチェルは役者のオーディションを受けていますが、私はバーのオープンマイクで歌っていました。チェルシーとハーレムとでは貧富の差もありますが、参考になる部分はありますし、N.Y.の町並みや人々、においのようなものは、いまでも鮮明に覚えているので、演じる上で役に立つとは思っています。

Q 客席に挟まれて演じることについて。

A青野紗穂舞台を挟んだ二面客席なのですごく大変です。いままで、客席に囲まれてミュージカルをやることもそうですし、自分の歌のライブでも経験はありません。石丸さんからは、お客さんの中に存在するのがすごく大事という話がありました。どこからも見えて休む間もないので、気が抜けないなと思います。その分、お客さんはすごく楽しめると思います。一度観ていただいて、今度は違う席で観ると違う風景が見えるだろうし、違う感情が湧くかもしれません。演じる側はすごく大変ですけど、とても面白い舞台の形になっていると思います。

Q 本作の見どころのようなところはいかがでしょうか。

A青野紗穂この物語は、すべてがきっかけで、偶然が折り重なって起きている奇跡なので、どこかをピックアップする、ということは難しいです。誰もが経験したような見覚えのある瞬間が、この二人にはどう作用するのか。どこか一箇所が見どころと言うのは難しいです。

Q 公演数も多いですが、普段から気をつけていることは。

A青野紗穂身体のケアと喉のケアや、本番前にどうリラックスして、どのタイミングで気合を入れるのか、それらは舞台ごとに違うので、すごく繊細に考えています。多分、今回は歌うことも多いし、ずっと二人なので、何より集中を切らしてはいけないなと思います。私はいつも3種類くらいはちみつを楽屋に置いていますが、それを使ってどう喉をケアするかとか、実際に楽屋に入ってみないとわからない部分です。最近では、まず劇場内で自分が落ち着くところを見つけるようにしています。私は狭いところが好きなので、机の下とか部屋の角とか(笑)、いい場所を見つけてリラックスできればと思っています。

Q 青野紗穂さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A青野紗穂この作品は出会いがすごく大事な要素です。そこから自分を見つけていく話です。新しい自分、本質的な自分を探せるような作品です。東くんと出会ったこと、石丸さんと出会ったこと、作曲の伊藤靖浩さんと出会ったこと、スタッフさんと出会ったこと、毎日を新鮮に捉えて稽古しています。観に来てくださるお客様も、隣同士の方との関係であるとか、自分の本質や本当の自分が何者であるかなど、枠にとらわれずに、新しい自分を見つけていただけたらと思います。

Q青野紗穂さんからOKWAVEユーザーに質問!

青野紗穂舞台や映画、ライブなど、会場に着いて、開演前にまだ時間があるときに皆さんは何をして過ごしていますか。

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■Information

New Musical『Color of Life』

NEW MUSICAL「Color of Life」【プレビュー公演】2019年4月26日(金)相模女子大学グリーンホール 多目的ホール
【東京公演】2019年5月1日(水)~5月27日(月)DDD青山クロスシアター

男は画家。大震災を機に、画題を見失ってしまった。
女は女優。心から愛した同性の恋人と死に別れたばかり。
二人は、飛行機で偶然隣りあわせになり、惹かれあい、N.Y.の彼女の部屋で一緒に暮らし始める。
二重国籍で同性愛者の彼女と、絵を描くこと以外に世界とつながる方法のなかった彼は、相手に向き合い、自分と向き合っていく。パレットの上で混じりあう絵の具のように、人生が響き合い、新しい色が生まれていく。
でも、やがて観光ビザの決めた90日の猶予が近づいてきて……。

東啓介 青野紗穂

脚本・作詞・演出:石丸さち子
作曲・編曲:伊藤靖浩

プレビュー公演料金:6,000円(全席指定・税込)※未就学児入場不可
東京公演料金:8,000円(全席指定・税込)※未就学児入場不可

https://coloroflife.westage.jp/

主催:ワタナベエンターテインメント/シーエイティプロデュース

【アフタートーク開催決定!】
・5月3日(金・祝)17:00公演【ゲスト:相葉裕樹】
・5月4日(土・祝)17:00公演【ゲスト:納谷健】
・5月9日(木)19:00公演【ゲスト:上口耕平】
・5月10日(金)19:00公演【ゲスト:渡辺大輔】※司会進行:青野紗穂
・5月15日(水)19:00公演【ゲスト:松岡充】
・5月16日(木)19:00公演【ゲスト:前島亜美】※司会進行:青野紗穂
・5月17日(金)19:00公演【ゲスト:三津谷亮】
・5月22日(水)19:00公演【ゲスト:三浦涼介】
・5月23日(木)14:00公演【ゲスト:前山剛久】
※司会進行は東啓介・青野紗穂が担当致します。


■Profile

青野紗穂

青野紗穂(NEW MUSICAL「Color of Life」)1997年10月19日生まれ、兵庫県出身。
エイベックス主催「キラット☆エンタメ・チャレンジコンテスト2007」に出場し、約2,000人の中からモデル部門の特別賞を受賞し、エイベックス・アーティストアカデミーでボーカルやダンス・レッスンを開始。
2012年、N.Y.アポロ・シアターのアマチュアナイトのキッズ部門「Stars of Tomorrow」に出場し優勝。
2015年4月、フジテレビ系「水曜歌謡祭」に“水曜シンガーズ”としてレギュラー出演。
2015年7月、5曲入り配信限定EP「INTRODUCTION」をリリース。同年9月より『兵庫県立芸術文化センター・Project Nyx共同制作 寺山修司生誕80年記念 美女音楽劇「人魚姫」』に初舞台ながら初主演に抜擢。
また2017年には「RENT」ヒロイン・ミミ役に抜擢。2018年9月ミュージカル「ブルックリン」では主人公のブルックリンを演じ話題に。12月には「オン・ユア・フィート!」(シアタークリエ、福岡、名古屋、大阪)に出演。本作公演後、A New Musical「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」への出演が決まっている。

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