Vol.846 女優 小林涼子(映画『轢き逃げ -最高の最悪な日-』)

小林涼子(映画『轢き逃げ -最高の最悪な日-』)

OKWAVE Stars Vol.846は映画『轢き逃げ -最高の最悪な日-』(2019年5月10日公開)に出演の小林涼子さんへのインタビューをお送りします。

Q 本作への出演のオファーを聞いてどう受け止めましたか。

A小林涼子2018年の2月くらいにお話をいただいて、5月くらいから撮影でしたが、これまでに水谷豊さんにお会いしたこともなかったので、最初はどうして呼んでいただけたのか不思議に感じました。台本を読ませていただくと、面白い話ですし、役柄も素敵なので、本当に私が出演できるのか何度も確認してしまいました。

Q 台本の印象はいかがでしたか。

A小林涼子最初は轢き逃げ事件が起こって、その顛末が描かれていきますが、後半に話が進むにつれて、自分にも共感する部分があることに何度も気づかされました。「隣の芝は青い」という言葉がありますが、SNSがあることで、以前よりも自分の生活が他人に見えやすくなっていますし、それによって私も人のことを羨ましく思うこともあるし、逆にそう思われていることもあると思います。よりそういう感情を感じやすくなって、それが引き金になって一歩踏み越えてしまうような事件が起きることもありえると思います。そんな中で私の演じた早苗は女性として良い選択をしたと思うし、尊敬もできるし、もし早苗が本当にいたら好きになれる女性だと思いました。

Q そんな早苗役をどう作り上げていきましたか。

A映画『轢き逃げ -最高の最悪な日-』小林涼子水谷さんも他のキャストの皆さんも、撮影期間中もロケ地の神戸をよく歩かれていました。私も同じように、神戸の街を歩いてみて、早苗の過ごした時間を考える、というより感じるようにして、作品の中に入っていきました。多分、早苗は秀一とはこういうところでデートしたんだろうな、というカフェを見つけたりもしました。きっと彼女はこういう優雅なところで過ごしてきたんだろうなとリンクさせながら早苗に近づいていきました。秀一とはこういうところをドライブしたりデートをしたんだろうなと考えながら明石海峡に出かけたり、さらに鳴門にも行きました。さすがに鳴門は遠かったです(笑)。神戸は海も山もあるのでドライブデートには最適だろうなと、一人で歩きながら思いました(笑)。

Q 水谷豊さんの監督第二作とのことですが、現場ではどのような演出を受けられましたか。

A小林涼子役者の先輩が監督をされるということで、最初はすごく緊張しました。でも、水谷さんは衣装のウエディングドレスを選ぶときにはカタログに付箋をつけていらして、まるでお父さんが選んでくれているような嬉しい気持ちになりました。男性からしたらドレスはどれも同じに見えてもおかしくないのに、役者の経験があるからこそ、いかに衣装が大事であるかということや、それによって役者の気持ちも入るということも理解されているから、ウエディングドレス一つとっても丁寧に選んでいらっしゃいました。
お芝居も実際にやって見せてくださることもあれば、手のポジションなど、細かなところから助言していただけました。役者であり、監督であるからこそ、いろんな意味で助けていただきました。

Q とくに言われたことなどありますか。

A小林涼子タイトルにある“最高の最悪な日”になるのは早苗です。その最高が最高であるからこそ最悪になっていくので、彼女がいかに楽しそうで幸せそうであるかを丁寧に考えていくということをおっしゃっていました。また、秀一とのディナーのシーンでオペラを歌ってみせるシーンは、彼女のチャーミングさを出すために追加された部分なので、演じていても面白かったです。

Q 早苗と秀一との関係性をどう作っていきましたか。

A映画『轢き逃げ -最高の最悪な日-』小林涼子秀一役の中山麻聖さんはもともと高校の一年上の先輩なんです。親近感がもともとあったので、秀一と早苗のふたりの時間の積み重ねのようなものは初めから用意されていたように感じます。輝くん役の石田法嗣さんは以前の事務所でご一緒していた時期があって、別の作品で夫婦役を演じたこともあるので、こちらもとても縁のあるキャストで演じやすかったです。だから無理して合わせようとするのではなく、休みの時間に一緒にご飯を食べに行ったり、誰かが撮休日のときに遠出したら、お土産を配布するみたいな(笑)そんなふうに時間を使って仲良くなっていきました。水谷さんのはからいで、毎熊克哉くんも加えた4人で「仲良くしといで」と軍資金をいただいてご飯に行ったりもしました。すごくほのぼのとして楽しかったです。
ストーリーはシリアスですが現場は明るく賑やかでした。

Q 撮影をしていて印象的だったシーンはいかがでしょう。

A小林涼子楽しかったのは結婚式のシーンです。実際に結婚したんじゃないかというくらいに結婚式を満喫しました。両親役がいて、友人代表の挨拶やキャンドルサービスもちゃんとありました。普通、撮影で結婚式といっても全部をやることはないのですが、今回の撮影では一連の流れをすべて撮っているので、本当に結婚式を経験した気分です。
秀一との接見シーンは神戸でのロケを終えて、中山さんがダイエットされてからの撮影でした。早苗も心配して痩せているので、私もダイエットしていましたが、秀一の頬のこけた姿には本当に悲しくなりました。中山さんとはダイエットの辛さを共有しつつ、そんな苦しい気持ちは役ともリンクするのでとくに印象に残っています。

Q 神戸のロケを振り返るといかがでしたか。

A小林涼子神戸は夜景がきれいでしたし、カファレルというスイーツがおいしいお気に入りのお店も見つけました。ロケ中に何度か通ったので、いまではシェフとインスタ友達ににもなっています(笑)。「早苗ちゃんが好きそう」と思いながら、もちろん私も美味しくいただいていました。
檀ふみさんとのラストシーンも素敵なところで、ロケ地は六甲山でしたが、景色もよく、晴れて最高の撮影日和でしたが、その時はいっぱいいっぱいで周りを見る余裕はありませんでした。

Q 本作を通じて新しい学びはありましたか。

A小林涼子私は今年30歳になるのですが、この作品を通じて先輩からいろいろ教わることができたのが嬉しいです。役者の先輩から教われる機会は実はあまりないんです。今回、大先輩からいろいろな手ほどきを惜しげなくしていただけて、そういう環境で学べたので、20代最後の自分を詰め込んで挑んで、30代に向けてバージョンアップできた作品だったと思います。節目になる作品となったと思います。

Q 平成から令和への節目でもありますね。

A小林涼子新元号に変わってから最初に公開される映画だと思いますし、ドルビーシネマが日本で初めて採用される作品でもあるし、そこに自分の節目も重なったので、思い入れは大きいです。

Q 小林涼子さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A小林涼子5月という新生活が始まったばかりの時期に公開される作品です。新鮮な気持ちの人もいれば焦っている人もいると思います。隣が良く見えてしまうとは思いますが、自分が持っているものの良さに気づいてもらえるような、そんな作品になっていると思います。世代を超えてできる限り多くの方に観ていただきたいです。

Q小林涼子さんからOKWAVEユーザーに質問!

小林涼子皆さんが夏に行ってみたい場所はどこですか。
私はもう一度神戸に行きたいですが、皆さんのおすすめを聞いてみたいです。

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■Information

『轢き逃げ -最高の最悪な日-』

映画『轢き逃げ -最高の最悪な日-』2019年5月10日(金)全国ロードショー

ある地方都市で起きた交通事故。一人の女性が命を落とし、轢き逃げ事件へと変わる。
車を運転していた青年・宗方秀一、助手席に乗っていた親友・森田輝。二人は秀一の結婚式の打合せに急いでいた。
婚約者は大手ゼネコン副社長の娘・白河早苗。悲しみにくれる被害者の両親、時山光央と千鶴子。
時山は真実を求め奔走する。事件を担当するのはベテラン刑事・柳公三郎と新米刑事・前田俊。
平穏な日常から否応なく事件に巻き込まれ、それぞれの人生が複雑に絡み合い、抱える心情が浮き彫りになっていく。
二人の青年が逮捕され事件解決かと思われたが、「真相」はまだ深い闇の中にあった・・・。

出演:中山麻聖 石田法嗣 小林涼子 毎熊克哉 / 水谷豊 檀ふみ 岸部一徳
監督・脚本:水谷豊
撮影監督:会田正裕
音楽:佐藤準
テーマソング:手嶌葵「こころをこめて」(ビクターエンタテインメント)
配給:東映

http://www.hikinige-movie.com/

©2019映画「轢き逃げ」製作委員会


■Profile

小林涼子

小林涼子(映画『轢き逃げ -最高の最悪な日-』)1989年11月8日生まれ、東京都出身。
雑誌「ニコラ」(新潮社)の専属モデルとして活躍。主な出演作にTVドラマ「砂時計」(TBS/07)、「魔王」(TBS/08)、「主婦カツ!」(NHK/18)、映画『大人ドロップ』(14)、『ピンクとグレー』(16)、『猫は抱くもの』『ハッピーメール』(18)がある。2019年4月期テレビ朝日開局60周年記念作品 帯ドラマ劇場「やすらぎの刻~道」に出演。

https://www.instagram.com/ryoko_kobayashi_ryoko/?hl=ja