Vol.855 俳優 吉沢悠(映画『ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave』)

吉沢悠(映画『ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave』)

OKWAVE Stars Vol.855は映画『ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave』(2019年5月31日より公開中)主演の吉沢悠さんへのインタビューをお送りします。

Q 本作主演についてのご感想をお聞かせください。

A映画『ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave』吉沢悠僕は10代からサーフィンを趣味としてやってきたので、自分が好きで日常から大切にしているものが作品の中に取り込まれていて、とても興味深い作品だと思いました。サーフィンが上手い人のことを素敵だなと思っていたので、それを自分が担うのにはプレッシャーもありました。

Q 種子島はサーフィンの聖地とも呼ばれているそうですが、どんなところが良いのでしょうか。

A映画『ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave』吉沢悠湘南や千葉などの関東の海は地元の“ローカル”のサーファー人口が多くて、さらに他所から来る“ビジター”も多いので、海の中に人が多くなります。種子島は地域的になかなか行きづらいので、海の中がそこまで混んでいません。また、種子島は縦に長い島なので、北側の波が強すぎるなら南側や西側に行こう、というようにどこかしらでサーフィンができるので波のポイントが選びやすいです。また、西日本から移住されているサーファーの方も多くて、ローカリズムがあまり強くないので、ちょっとしたサーフトリップで行っても受け入れてくれるあたたかさがあります。サーフィンをやらない方にも海のきれいさは一目瞭然です。気候的にも関東より暖かくなるのが早いので過ごしやすいですし、風が気持ちいいです。普段の忙しさを忘れさせてくれる、いい意味で立ち止まらせてくれる美しさもよいところです。

Q そんな種子島にやってくる光太郎役をどう受け止めましたか。

A吉沢悠僕は種子島に行くのが初めてでしたので、喜多一郎監督からは、僕が種子島に行って感じることと光太郎が感じることは同じだと言われました。光太郎は種子島に行っていろいろなものに触れて成長していきますので、ドキュメンタリー映画を撮るように僕が種子島で感じたことで出てくる表情を大事にすると。机に向かってプランニングする演技プランも大事ですが、それ以上に心で感じているところを出すことが求められていると感じました。光太郎は人生に行き詰まっているところから始まるので、そこは考えながら演じましたが、種子島での光太郎の変化は自分がリアルに感じているところに近いものを意識して作っていきました。

Q 種子島だからこそ感じることはありましたか。

A吉沢悠普段はスムーズに進めるために準備をしていて、それがうまくいかなかったりすると「どうなっているんだ」と思ったり言われたりしますよね。それが種子島では「しょうがないよね」「できるまで待とうか」という気持ちにさせられる余裕さを感じました。こちらの受け止め方でポジティブにもネガティブにもなるということを、島にいることでの心の変化として感じました。

Q 共演者の方々についてお聞かせください。

A映画『ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave』吉沢悠とにかくパンチのある方々がたくさんいらっしゃいました(笑)。竹中直人さんはアドリブをたくさんされていましたし、角田信朗さんはやはり筋肉美がすごかったです。
とくに泉谷しげるさんと一緒にサーフィンをするシーンは、完全にドキュメンタリーのようでした。僕が役柄上、後ろから手助けしていますが、カメラに映ってしまうのでスタッフは誰も手出しできませんし、波を選ぶことももちろんできませんので、その日の自然条件で僕と泉谷さんがトライする様子がカメラに収められました。泉谷さんと沖で波待ちしている時に「吉沢、俺は70歳で初めてのサーフィンだけど、おもしれえな」と仰っていて、本当にいい波に乗せてあげたいと思いましたし、そういう気持ちをシェアできたのも嬉しかったです。

Q 素敵な女性陣との共演についてはいかがでしたか。

A映画『ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave』吉沢悠香里奈とは事務所も同じですが海を前にして普段見せない表情をしていました。初共演の馬場ふみかさんも、顔合わせで東京で会った時と島で会った時とではやはり表情が違いました。そういう気持ちは表情に出るものですし、島での共演は普段とはまた違った贅沢なものだったと思います。

Q 光太郎の成長をどう感じましたか。

A吉沢悠僕自身、20代の頃はいろんな先輩に助けられて成長しましたし、いろんな人との出会いで変化していく、ということは誰しもあると思います。光太郎の場合は行き詰まって人と関わらないようにしている中で、種子島に無理して行ったことから環境がどんどん変わっていきます。とくに、光太郎が年配の方と触れ合うことで変わっていくのは、光太郎が成長していくキーになるところなので大事にしたいと思いました。それらのシーンでは自分の思いを出しきるように集中して演じました。変わっていった後の方が演じやすかった分、変わる前の光太郎のダメっぷりは「ここまでダメなやつなの?」というくらいでしたが、やってみると、挨拶はしないし人の話は聞いていないし、その後との振り幅が大きくて良かったかなと思います。

Q 演じて印象的だったシーンなどお聞かせください。

A吉沢悠右側に海岸線がある道を年配の方々を送迎の車で送っていく車内のシーンです。年配役の皆さんが島の歌をうたっていて、光太郎も反応するのですが、台本の段階から好きなシーンだったので、撮影も楽しみでした。実際に運転しながらの撮影でしたが、横にきれいな海が見えて、後ろでは皆さんがかわいらしく歌っていて、僕もちょっと口ずさむと、心がジーンとなったので、ロケーション的にもシーンとしても思い出深いです。

Q 本作を通じて新しい発見などはありましたか。

A映画『ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave』吉沢悠この映画では監督はドキュメンタリー的に描き出そうとされている面がありました。僕はキャラクターの内面がきちんと見えているのか、自分自身がその気持ちになりきれているか気にしすぎるところがあります。今回の種子島での撮影は天候が相手ですし、交通も不便なのでスケジュールもその分タイトでした。ですので、今この状況でこれをやらなければならないという綱渡りなことも何度かありました。そんな時には、僕自身が感じていることをフィルター越しに感じるのではなく、今感じていることをそのまま表現する、ということが大事でした。演技自体には台本も演出も演技プランもありますが、その瞬間に感じていることは真実です。それを終始大事に演じていました。スクリーンで改めて観直すと、自分の表情に驚かされる場面が何度もありました。人の心を打つものは、自分がその瞬間に純粋に感じていることをシェアすることなのかなと、頭で考えることよりも心で感じることの大きさを改めて確認させられました。

Q 吉沢悠さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A吉沢悠この映画はサーフィン映画ではなく、一つの要素としてサーフィンがあって、種子島の美しさや、何より人と人が関わっていく中で成長していく姿が描かれています。自分と重なる部分もあると思いますので、ぜひ夏を前に観ていただきたいです。

Q吉沢悠さんからOKWAVEユーザーに質問!

吉沢悠皆さんが夏に向けて楽しみにしているアクティビティを教えてください。
僕はサーフィンもそうですが、夏のキャンプを楽しみにしています。

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■Information

『ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave』

映画『ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave』2019年5月31日(金)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー中

サーフィンの才能に恵まれながら、挑戦することから逃げ出して、その日暮らしの日々を送る光太郎。バイトは続かず、アパートからも追い出され…。ついに人生は行き詰まり、かつてのサーフィンの師にして恩人・工藤を頼ろうと種子島に向かった彼は、工藤がすでに亡くなっていたことを知る。亡き父の期待を裏切った光太郎を追い返そうとする工藤の娘・美夏。一方で、光太郎からサーフィンを教わり始める一人暮らしの老人たち…。美しい海が広がるこの島で、サーフィンを通して人と繋がり、自身を見つめなおしていく光太郎。人々の優しさに支えられ、彼の人生が、そして一度は諦めた夢が、再び動き出そうとしていた…。

出演:吉沢 悠 馬場ふみか
香里奈 立石ケン 森高愛 大方斐紗子 泉谷しげる
勝野洋/榎木孝明(特別出演)/竹中直人

監督:喜多一郎
脚本:喜多一郎 金杉弘子
配給:NexTone
配給協力:ティ・ジョイ

公式サイト:http://lifeonthelongboard2.com

©2019『Life on the Longboard 2ndWave』製作委員会


■Profile

吉沢悠

吉沢悠(映画『ライフ・オン・ザ・ロングボード 2nd Wave』)1978年8月30日生まれ、東京都出身。B型。
1998年に俳優デビュー。『星に願いを。』(03)で映画初主演。演技力と甘いルックスで一躍注目を浴びる。その後も、『Believer』(04)、『逃亡くそたわけ-21才の夏』(07)、『孤高のメス』(10)、『道 -白磁の人-』(12)などに出演。近年では、国内外の映画祭で6つの賞を受賞した『アイアムアヒーロー』(16)、新たな魅力を生み出した『ちょき』(16)、ダメな映画プロデューサー役『エキストランド』(17)、2015年お蔵出し映画祭グランプリ&観客賞『トマトのしずく』(17)、人間味あふれる演技が光る『生きる街』(18)など、数々の映画に出演。役者の幅を広げ、近年では人間味あふれる演技で幅広い層から支持される。

 

ヘアメイク:山崎惠子
スタイリスト:大迫靖秀
白シャツ、デニムパンツ:DEMHAM(デニハム)