OKWAVE Stars Vol.869は『このミス』大賞ドラマシリーズ「名もなき復讐者 ZEGEN」(2019年8月29日放送開始)主演の阿部進之介さんとヒロイン役の馬場ふみかさんへのインタビューをお送りします。
Q それぞれの役柄について感じたことについてお聞かせください。
A阿部進之介僕が演じた女衒(ぜげん)は親がいない境遇で、児童施設で大切に育てられたけれど満たされずに生きてきた人物です。満たされていない人間だけれど、なぜか他人を満たそうとします。女衒は自分のことが大変なのに周りを幸せにしようとするところに惹かれました。
馬場ふみか雪蘭(シュウラン)は中国から出稼ぎに来ていて、彼女も親がいない境遇で、それでも強く生きているのが魅力的です。この物語は女衒の復讐という一つの筋がありますが、雪蘭や佐藤幸造が抱えているものをはじめ、複数の要素が複雑に絡み合っています。
Q 共演にあたってのお互いの印象はいかがでしたか。
A阿部進之介馬場さんはふだんは結構ふざけているんですが…
馬場ふみかふざけてます!?だとしら阿部さんもですよね(笑)。
阿部進之介うん、自分はふざけてる自覚がある(笑)。馬場さんは演じる時は真面目だったし、話しやすかったので、そのシーンをどう面白くするかをよく話し合えたと思います。
馬場ふみか撮影初日に、雪蘭がハンバーガーを食べるシーンを演じて、阿部さんはこちらの芝居を優しく受け止めてくださる方だと感じました。それと、作品への向き合い方が印象的でした。毎シーン、一緒に作っている感覚を持てて嬉しかったです。
Q 芝居はどのように作り上げていきましたか。
A阿部進之介僕はそのシーンの狙いを共有できた方がいいと思っています。違った考えを聞くことで新しい発見もありますので、より良いものを求めて話し合うやり方を僕はしています。でも、すべての役者がそうしたいわけではありません。今回はシーンによっては瞬間的に感じたものを演じることもありましたが、事前に話し合うことが多かったです。
馬場ふみか普段あまり経験したことのない進め方でしたので、学びも大きかったです。
Q それぞれの役柄で一番見せようと思った部分はいかがでしょう。
A阿部進之介ミステリ作品でもあるので、女衒には何かある、ということを視聴者の皆さんに見せたいと思いました。でも、常に何かあるという空気を出している人物は、それはそれで気持ち悪いので(笑)、ふとした時に何かありそうだと思ってもらえるように意識しました。女衒の抱えている事の大きさを常に自分の傍らに置いていれば、ふとした瞬間にそれが出てくるかなと思いながら演じました。
馬場ふみか雪蘭は言葉数が多い役柄ではないので、目の動きや手の指先の動きとか、そういう細かい仕草に気をつけて演じました。そんなところから感情が伝わればいいなと思いました。雪蘭も女衒も言葉数が少ない役柄なんですよね。
阿部進之介それもあって、雰囲気を見てもらえたらいいなと思います。現場で監督と話して、説明的な台詞は削ることもあったので、空気感を感じてもらいたいです。
Q 杉本哲太さんら、他の共演者との芝居や現場の様子についてお聞かせください。
A阿部進之介アクションがあるような時はピリッとしていましたが、作品のテイストと違って、現場の雰囲気は和やかでした。
面白かったエピソードは、「磯浜」という地名を杉本哲太さん演じる幸造が話すシーンです。幸造の経営する水産加工場が磯浜にある、という設定なんですが、どうしてもその“磯浜”が出てこなかったようです。女衒と幸造が向き合って「あの浜……」と言い出した時点でもうダメなんですけど(笑)、哲太さんのあまりに真剣な様子に、僕は思わず素に戻ってしまって吹いてしまいました。哲太さんご本人の気さくな性格が見える面白い出来事でした。
馬場ふみか私も哲太さんとのエピソードですが、雪蘭と幸造がふたりで鳥を探すシーンです。幸造が鳥の鳴き真似をするんですが、その時の哲太さんのお顔がお茶目で、すごく癒やされました。その日は朝から水産加工場での撮影が続いている中で、あたたかい気持ちになりました。
阿部進之介雪蘭は一番感情の浮き沈みが大きかったよね。
馬場ふみかそうなんです。撮影は順撮りではないから、すごく泣いているシーンを撮った後に、おだやかなシーンを撮ることもあるので、私自身が何だか情緒不安定になっているような感覚にもなりました。
Q 本作に携わったことで新しい発見はありましたか。
A阿部進之介スケジュールは結構タイトでしたが、まだまだ体力は大丈夫だと感じました。
馬場ふみか最後の方は大変でしたよね。でも最終日に鰻をいただきました。
阿部進之介僕は眠くなるから食べなかったんです。暗いところでの撮影だったので食後のスタッフはみんな眠そうでした(笑)。
馬場ふみか私は作品への取り組み方が今までの現場と違っていて学びがありました。ひとつひとつ話しながらというのもあまりなかったので、そういう向き合い方もあるんだという気づきがありました。
Q OKWAVEユーザーにメッセージ!
A阿部進之介この作品ではTVドラマではあまり手を付けないテーマに取り組んでいます。僕自身、この作品に惹きつけられた要素のひとつです。ふつうのTVドラマの空気の流れ方とは異なる作品ですので、その空気感やテンポを感じていただけたらと思います。ミステリーとしての面白みもありますが、会話劇のような空気とは違う独自の空気感を楽しんでいただけたらと思います。
馬場ふみかこの作品の中で雪蘭はハンバーガーをたくさん食べました。監督はハンバーガーをはじめ、食べ物や飲み物へのこだわりがすごく強い方でした。永尾まりやさんが演じた明菜がタピオカドリンクを飲んでいるシーンで「このタイミングで1個だけタピオカを吸って」と演出しているのを見て、これはやばい!と思いました(笑)。そんな細かい演出にも注目して観ていただけたらと思います。
阿部進之介監督は奥さんの作ったクッキーを現場に持ってきてくれるような方なんです。監督の人柄もきっと透けて見えると思います(笑)。
Q阿部進之介さん、馬場ふみかさんからOKWAVEユーザーに質問!
阿部進之介この作品は復讐劇ですが、“復讐”はやりきった感があるので、僕からの質問は、皆さんのほっこりした“お返し”エピソードを聞きたいです。
馬場ふみか私からは、私たちも取材でよく聞かれるような質問です。皆さんのこの夏の一番の思い出を聞きたいです。
■Information
『このミス』大賞ドラマシリーズ第2弾「名もなき復讐者 ZEGEN」
2019年8月29日(木)より放送・配信開始
カンテレ:毎週木曜日24:25〜24:55
※放送時間が変更になる場合があります。ドラマ公式サイトでご確認ください。
U-NEXT:放送後の毎週金曜日10:00より配信
港町で水産加工場を営む佐藤幸造は、ある日、自らを「女衒」と名乗る男から川崎のマッサージ店で働く中国人女性・李雪蘭との偽装結婚を提案される。雪蘭は中国にいる夫の治療費を稼ぐため、日本に出稼ぎに来て、女衒に斡旋されたマッサージ店で働いていた。幸造は思い悩みながらも女衒の提案を受け入れる。一方で、女衒は、妻を自殺に追い込んだ男達への復讐を続けていた。やがて、“最後の復讐相手”に辿り着いた女衒は、黒幕の正体と己の過去に直面する。そして、偽装結婚を続ける幸造と雪蘭にもそれぞれ転機が訪れ、顔も合わせたことのない二人の関係も徐々に変化を見せていく。壮絶な過去を持つ斡旋屋・女衒、夫のために出稼ぎをする中国人女性、見知らぬ相手と偽装結婚した中年男。三人の境遇や想いが交互に描かれ、復讐譚とメロドラマが並走していく。
阿部進之介、馬場ふみか、高橋努、遠藤雄弥、永尾まりや、筒井真理子、杉本哲太
原作:登美丘丈「名もなき復讐者 ZEGEN」(宝島社刊)
ドラマ公式サイト:https://www.ktv.jp/konomys/zegen/
阿部進之介
1982年2月19日生まれ、大阪府出身。
2003年に映画『ラヴァーズ・キス』でデビュー。2019年公開の映画『デイアンドナイト』にて企画・主演を務めて話題となる。近年の出演作にドラマ「下町ロケット」(15)、「BG〜身辺警護人〜」(18)、映画『栞』(18)、『キングダム』(19)など。
https://www.stardust.co.jp/section1/profile/abeshinnosuke.html
馬場ふみか
1995年6月21日生まれ、新潟県出身。
映画『パズル』(14)で女優デビュー。映画『黒い暴動』(16)で初主演。ドラマ「コード・ブルー -ドクターヘリ 緊急救命-THE THIRD SEASON」(17)や映画『劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(18)に出演して話題に。雑誌「non-no」の専属モデルなど、モデルとしても活躍中。
http://www.name-mgt.co.jp/models/profile/name/babafumika
https://www.instagram.com/fumika_baba/