Vol.873 女優 村上穂乃佳(映画『みとりし』について)

村上穂乃佳(映画『みとりし』)

OKWAVE Stars Vol.873は映画『みとりし』(2019年9月13日公開)に出演の村上穂乃佳さんへのインタビューをお送りします。

Q 本作の印象についてお聞かせください。

A村上穂乃佳この映画のオーディションを受けるにあたって、はじめて「看取り士」という職業のことを知りました。台本を読んでいて、最期を迎える人とその家族をサポートするというその仕事の大きさを知り、それを知ってもらうには映画を作るというのはすごくいいなと思いました。
オーディションのときからみのり役への思いが強かったので決まったときは嬉しかったです。

Q 新人看取り士・高村みのり役についてどのように演じようと思いましたか。

A映画『みとりし』村上穂乃佳みのりは、父親がいなくて、母も亡くなってひとりきりという境遇です。母の死をしっかり受け止めたいという気持ちで看取り士という仕事を選んでいます。そういうまっすぐなところを演じようと思いました。
監督からは「みのりの成長が感じられるように」と言われましたので、そこを意識しました。

Q 看取り士の仕事についてはどんな準備をされましたか。

A村上穂乃佳看取り士の研修を事前に体験して、実技もいちから教えていただきました。撮影現場でも看取り士の方から指導していただきました。

Q 榎木孝明さんとの共演はいかがでしたか。

A村上穂乃佳榎木さんとはこの作品で初めてお会いしました。榎木さんはそれまではクールなイメージでしたが、とてもチャーミングで、気さくに話しかけていただいたので、現場でも精神的にとても支えられました。

Q ロケについてはいかがでしたか。

A村上穂乃佳この映画は岡山県の高梁市で撮影しました。当初のスケジュールが西日本豪雨(平成30年7月豪雨)の影響で延期になって、変更になった撮影時期もまだ復旧しきってはいませんでした。そんな中でも町の方はとてもこころよく協力していただいて、すごくあたたかい現場でした。景色もきれいで、素敵な場所でした。

Q 看取る場面の撮影はいかがでしたか。

A村上穂乃佳やはり緊張感がありました。私自身は身内を看取ったことがないので想像の範囲でしかありませんでしたが、看取り士の研修を受けてから、死生観もガラッと変わったんです。そのおかげで役にもすっと入ることができて、演じきることができました。それまではやはり死に対してマイナスのイメージしかありませんでしたが、人の最期に一緒にいることで、思い出話に触れたりすることはとてもあたたかいことなんだと気づきました。

Q 印象的なシーンなどはありますか。

A映画『みとりし』村上穂乃佳みのりが自分の昔の姿と重ねて女の子を思わず抱きしめてしまうシーンです。自分でもぐっときてしまったので、演じている以上のものがあって印象的でした。

Q 本作を通じて何か新しい発見などありましたか。

A村上穂乃佳やはり自分の価値観が変わったことです。この撮影が終わった後、優しくなれたような気がするんです(笑)。映画の中なので実際に誰かの死に直面したわけではありませんが、本当にそういう気持ちになって、それを通じて自分が変わった気がします。この映画は死を扱っていますが、観終わった後にあたたかい気持ちになれたのは、この職業に触れたからかなと思います。
自分が女優をやっていなければ触れることができなかった看取り士という仕事ですが、最初は表現できるか不安もありました。榎木さんからアドバイスをいただいたり、実際に働いている看取り士の方からご指導いただけたことで、現場にいるときは女優ではなく、看取り士になったとも思えたので、新しい感覚にもなりました。

Q この作品を経て今後挑戦したいことなどお聞かせください。

A村上穂乃佳私の知らない職業がまだまだたくさんありますし、そういういろんな役に挑戦して幅を広げたいと改めて感じました。

Q まだまだお若いですが、人生のエンディングをどう迎えたいですか。

A村上穂乃佳この映画に出演するまでは考えたこともありませんでしたし、むしろ考えるのも嫌でした。この映画の終盤で、みのりが看取る家族のシーンが理想的だと思いました。

Q 村上穂乃佳さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A村上穂乃佳この映画は看取り士という職業を知っていただく機会になると思います。人生のエンディングについて考えることもできる作品ですので、たくさんの方に観ていただきたいと思います。

Q村上穂乃佳さんからOKWAVEユーザーに質問!

村上穂乃佳皆さんは、人生のエンディングをどのように迎えたいですか。

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■Information

『みとりし』

映画『みとりし』2019年9月13日(金)より有楽町スバル座ほか全国順次ロードショー

交通事故で娘を亡くした定年間際のビジネスマン・柴 久生。自殺を図ろうとした彼の耳に聞こえた「生きろ」の声。それは友人・川島の最期の時の声だと彼の“看取り士”だったという女性から聞かされる。“看取り士”とは、最期に残された時間を旅立つ人、見送る人に寄り添い、支える人のことだった。5年後、柴は岡山・備中高梁でセカンドライフを“看取り士”として、9歳の時に母を亡くした23歳の新人・高村みのりたちと最期の時を迎える人々を温かく支えているのだった。

出演:榎木孝明、村上穂乃佳
高崎翔太、斉藤暁、つみきみほ、宇梶剛士、櫻井淳子ほか
原案:『私は、看取り士。』柴田久美子著(佼成出版社刊)
監督・脚本:白羽弥仁
配給・宣伝:アイエス・フィールド

http://is-field.com/mitori-movie/

(c) 2019「みとりし」製作委員会


■Profile

村上穂乃佳

村上穂乃佳(映画『みとりし』)1995年7月5日生まれ、愛媛県出身。
『月震のかずみ』(14)、『自由の世界』(14)、『リアル鬼ごっこ』(15)、『人狼ゲーム クレジーフォックス』(15)、『ちはやふる 上の句』(16)、『SCOOP!』(16)、『三尺魂』(17)など多数の映画に出演している。映画以外ではTVドラマ「ごめんね青春!」(14)、谷修のMV「わたしは桜」(15)、Mr.ChildrenのMV「Your Song(Original Story)」(18)、損保ジャパンのCM(18)などにも起用されている。

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ヘアメイク:久保田延彦
取材場所:アートスペースCuore