OKWAVE Stars Vol.876は映画『下忍 赤い影』(2019年10月4日公開)に出演の山口まゆさんへのインタビューをお送りします。
Q 本作の台本を読まれてどう感じましたか。
A山口まゆ時代物は初挑戦で、知らないことも多かったので、まずは知識をつけようと思いました。本読みの時には、主演の寛一郎さんがつくって来られた主役の竜がとてもフラットなキャラクターだったことに驚きました。私の演じる静(しず)が、竜と関わることへの発見がたくさんあって、本読みの段階から撮影が楽しみになりました。
Q 静のキャラクターをどのように作っていきましたか。
A山口まゆ静のことを考える前に、静はお姫様なので、位の高さへの自覚を持てる様に、佇まいや身なりを正すような、基本的なところから調べていきました。その中で着物を着たときの歩き方や立ち方といったことが大事だと感じたので、撮影中も常に意識していました。
静は幕末の情勢をある程度わかっている立場なので、私自身、時代背景を調べて理解するようにしました。監督から幕末の姫たちについて書かれた本を資料としていただいたので参考にしました。それとやはり佇まいが大事だと思ったので、ずっと背筋は伸ばしているように心がけました。
台本を読んだときには、静をもっと強気な人物にしようかなと思いましたが、強気な中に城の中で育ってきたから成長しきれていない幼さのようなものを出すといいんじゃないかと思い至りました。竜が静の幼い部分を引き出してくれるので、演じる時にはそこを意識しました。
Q 着物の衣装を着たときはどう感じましたか。
A山口まゆ衣装合わせで着物を着たことで、時代劇という実感が湧きました。途中からは旅装束になります。そのようなものを着たことがなかったので、着付けが大変でしたが、撮影後半には慣れてきて自分でできるようになったので、着させられている感じがなくなってより役に入れたと思います。ふだんの役よりも着物でいるときの方がより役に入っているような感覚にもなりました。
Q 共演者についてお聞かせください。
A山口まゆ竜役の寛一郎さんは着飾らない、とても自然体な方で、竜の少し気だるい感じと相まって独特の雰囲気でした。竜は世事への知識があまりなくて、静はそこでは勝てるので、お互いの欠けている部分を補い合っていくうちに、ふたりが引き寄せられていくのを演じるのは楽しかったです。寛一郎さんが演じる竜は、寛一郎さんに近い役柄だと思っていたので、私も静として竜に対して強く出たり引いたりするお芝居を試すことができて、毎回発見もありました。私自身は人と打ち解けるまで時間がかかってしまうんですが、寛一郎さんは初日から気さくに話していただけたので、目線を合わせるような芝居でも演じやすかったです。
中谷太郎さんの演じた静の旦那役とは“夫婦の契りはさせない”というのがベースにあって、かわいそうなんですけど面白い関係になったんじゃないかなと思います(笑)。
Q 時代物ならではの難しさはありましたか。
A山口まゆ所作も難しいですが、セリフが現代物とはぜんぜん違うので、言い回しが頭に入りにくかったです。何より、決めゼリフのような格好いいセリフが結構あるので、それに負けたくないという気持ちで、静の感情や表情、動きを大事にして演じました。
撮影は日光江戸村やその周辺の山での撮影だったので、江戸村の町並みの中に着物を着て立つと、自然とその時代にいるような気持ちになれました。
Q アクションシーンについてはどうご覧になられましたか。
A山口まゆ終盤の5分間のワンカットアクションは、広範囲を動き回ります。完成した作品を観て、坂口拓さんならではの迫力をすごく感じました。アクションシーンは坂口さんが監修をされて、カットを割ってのアクションもされていたので、演じるのは大変だろうなと思いつつ、私はアクションがなかったのでうらやましかったです。身体を動かすことが好きなので私もアクションに挑戦したいという気持ちになりました。
Q 女性目線で、本作の見所はいかがでしょう。
A山口まゆ静はお姫様ということで、男性に守られて大事に扱われるので、役柄上ですがこんなにちやほやされるのははじめてで(笑)、お芝居であっても男性陣の頼もしさやその立場の心地よさを感じてしまいました(笑)。ぜひそこに焦点を当てて自分が静の立場だと思って観ていただければ。もちろんアクションシーンも格好いいので見どころです。
Q 静や竜は時代の変わり目に立たされますが、彼らに共感するところなどはありましたか。
A山口まゆ争い事は何も生み出さないと静は思っていて、その考え方に私も近いです。できれば争ってほしくないですし、それはどの時代も変わらないと思います。この作品の時代背景はいろんな見方ができると思うのでそこも楽しんでいただきたいです。
Q 今後の抱負などをお聞かせください。
A山口まゆ最近は自分とかけ離れた役を演じさせていただく機会が増えました。そのたびに自分になかった引き出しや課題が見つかるので、その課題を一つ一つクリアしていって次のチャレンジをさせていただくのが楽しいです。制服もまだ着たいですし、ちょっと大人の役にも挑戦してみたいですし、もっと役の幅を広げてたくさんの作品に参加できればいいなと思っています。
Q 山口まゆさんからOKWAVEユーザーにメッセージ!
A山口まゆこの作品はアクションが見どころですし、4人の掛け合いにそれぞれの個性がよく表れているので、その誰かに焦点を当てて観ていただいてもいいです。クスッと笑えるシーンもありますので、ぜひ劇場で観ていただければと思います。
Q山口まゆさんからOKWAVEユーザーに質問!
山口まゆ私は友だちといるときにアパレル店員のモノマネをするとすごくウケるんです(笑)。
皆さんへの質問は、皆さんの“持ちネタ”を知りたいです。
■Information
『下忍 赤い影』
2019年10月4日(金)よりシネマート新宿・心斎橋ほか公開
武士による統治が終わろうとしている幕末。忍者と呼ばれるものは、もはや時代遅れとなっていた。竜は、忍者組織の最下層である「下忍」の末裔であるが、今や抜け忍となり江戸で暮らしている。そんなある日、竜はその出自を見抜かれて勝海舟にスカウトされて密命を授かる。それは、「江戸に嫁がせた薩摩藩の姫・静を奪還して国に送り戻せ」というものだった。
寛一郎
山口まゆ 結木滉星
中谷太郎 行平あい佳 PANTA 榊英雄 津田寛治
監督:山口義高
アクション監修:坂口拓
配給:AMGエンタテインメント
(C)2019「下忍」製作委員会
■Profile
山口まゆ
2000年11月20日生まれ、東京都出身。
「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」(14/CX)でTVドラマデビュー。映画『くちびるに歌を』(15)で鮮烈な印象を残し、『相棒 劇場版Ⅳ』(17)のヒロインに抜擢。本年は特集ドラマ「マンゴーの樹の下で〜ルソン島、戦火の約束〜」(19/NHK)に出演、長渕剛20年ぶりの主演映画『太陽の家』(2020年公開予定)に長渕演じる主人公の娘役で出演するなど、若き演技派女優として活躍の場を広げている。