Vol.882 女優/モデル 瀬戸かほ(映画『愛の小さな歴史 誰でもない恋人たちの風景 vol.1』について)

OKWAVE Stars Vol.882は映画『愛の小さな歴史 誰でもない恋人たちの風景 vol.1』(2019年10月19日公開)主演の瀬戸かほさんへのインタビューをお送りします。

Q 本作主演についてどう感じましたか。

A映画『愛の小さな歴史 誰でもない恋人たちの風景 vol.1』瀬戸かほ私は以前から越川道夫監督とは相談することもあって、ある時に監督からこの映画の企画について「どうかな」と聞かれました。台本を読ませていただいて、すごくいい話ですし、絶対にいい映画になると感じました。同時に自分に務まるのかという不安も大きかったです。

Q 3人の男女の濃密な話ですが、役柄をどう受け止めましたか。

A映画『愛の小さな歴史 誰でもない恋人たちの風景 vol.1』瀬戸かほ私が演じたユリはおそらく植物と同化したいくらい植物が日常にあるのだろうなと感じました。思っていることがあっても口には出さない女性で、その分、考えていることはたくさんあるのだろうとも思いました。ユリの行動からあらためて感じたのは、本能的に動ける人だということです。理性よりも本能で動くタイプの人かなと思いました。

Q ご自分に近いところはありますか。

A瀬戸かほ自分がしたいことをすぐする、というところは近いかもしれません。私も思いつめている時期があったので、ユリの気持ちは理解できます。2人の男性の間で揺れているところも女性として共感できました。
台本を読んでユリの考えをイメージはできましたが、現場に入って、トモさん、リュウタさんとの芝居になると、分かったつもりになっていたところを壊されて、もう一度作り直した部分も多いです。

Q 越川監督から言われていたことはありますか。

A瀬戸かほ「ユリは軽い存在ではない、けれども重すぎるわけでもない」と言われました。「ユリさんは人である前に生き物である」とも。理性的な部分よりも気持ちが動いたら行動してしまうところを大切にしてほしい、という演出だったので、そこを意識しました。

Q 共演者の男性お二人との芝居はいかがだったでしょうか。

A映画『愛の小さな歴史 誰でもない恋人たちの風景 vol.1』瀬戸かほトモさんが安心感のある役なので宇野祥平さんもそういう雰囲気を出してくださっていたので、任せられると感じました。宇野さんもトモさんと同じように繊細な部分があるのだろうなと接していて感じました。深水元基さんは『新宿スワン』の役の印象があったので、怖い方かと思ったらすごく素朴な方で(笑)、美味しいラーメン屋さんを教えていただいたり、面白かったです。リュウタ役としては、トモさんとはまた違った大人の男性の安心感と、付き合っていない男女のドキドキ感のようなお芝居をされていたので新鮮でした。
二人の男性とそれぞれ情を交わすシーンは、もっと緊張するかと思いましたが、それぞれ宇野さん、深水さんに任せて安心して演じられました。とはいえ、トモさん、リュウタさんとは状況が違うので、同じようには見えないようにと考えました。また、映画の中でそのシーンだけ目立つということはないように、日常の延長のような見せ方になるようにと、そこは監督も気を使ったところだと思います。

Q この映画での男性心理をどう受け止めましたか。

A瀬戸かほトモさんは意外と怖い部分もあるので、ユリに対して感じる気持ちは分かるけれども、だからといって理解できない部分もありました。私としてはリュウタさんのことの方が理解できました。リュウタさんが冒頭、お父さんを亡くして泣いていて、お父さんの書籍の買取依頼でトモさんの店に来たときには笑いながら話していたその気持ちは理解できました。男性心理も含め、すごく小さなところをクローズアップして切り取った作品だと感じました。

Q 演じていて印象的なシーンはいかがだったでしょう。

A瀬戸かほユリがトモさんとけんかするシーンです。どうしようもない状況になったユリは黙り込むはずが、私はつい笑ってしまったんです。自分のコントロールを超えてしまったことに私自身びっくりもしました。頭で考えた芝居ではなく、本能で出てきて、監督もそれにOKを出したシーンですが、自分でも衝撃的でした。思っていた以上に激しいシーンにもなってしまいましたし、越川さんも演出をつけなかったので、宇野さんとふたり、悩みながらあの形になりました。

Q 本作への出演を通じて新しい発見などはありましたか。

A瀬戸かほ自分はお芝居が好きなんだと感じました。撮影中は楽しいことだけではありませんでしたが、終わった時に「良かったよ」と監督から言ってもらえたことや、やりきれたということで、お芝居の楽しさや、もっと続けたいという気持ちになりました。それはこの映画に出なければ分からないことだと思いました。

Q 今後の抱負などお聞かせください。

A瀬戸かほお仕事で海外に行きたいなと思っています。個人的に中国語を勉強しているので使える機会があればいいなと。それといろいろな役を演じられたらと思います。

Q 瀬戸かほさんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A瀬戸かほユリは生きることを半分くらい諦めていましたが、愛に出会ってしまったことでもう一度生き始めることを選びます。ユリが変わる様、進んでいくところが見どころになるかと思います。
そしてこの映画は自分が女優をやっていく上でひとつ階段を上がるために必要なものだったと思います。そのためには心でも体でも体当りする必要があったし、自分のその時の限界までいったつもりです。「愛の小さな歴史」というタイトルにもある通り、男女の愛の答えのひとつを示している作品ですので、観ていただけたら嬉しいです。

Q瀬戸かほさんからOKWAVEユーザーに質問!

瀬戸かほ皆さんが最近感じた愛は何ですか。

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■Information

『愛の小さな歴史 誰でもない恋人たちの風景 vol.1』

映画『愛の小さな歴史 誰でもない恋人たちの風景 vol.1』2019年10月19日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開

癒えない悲しみを抱え、人の間を漂うように生きてきたユリは、小さな古本屋にたどり着き、店主・トモさんの妻になる。トモさんは、亡くなった前の妻のことを毎日思い出す一方で、今はユリがいない生活は考えられない。同じ頃、トモの幼馴染で父を亡くしたリュウタは、遺品の中にとある詩集を発見する。ユリとリュウタはどうしようもなく惹かれ合い、求め合うが、それはユリがトモさんのもとを去ることを意味していた……。

撮影・編集・脚本・監督:越川道夫(『海辺の生と死』、『二十六夜待ち』)
出演:瀬戸かほ 深水元基 / 山田キヌヲ 縄田かのん / 宇野祥平
配給:コピアポア・フィルム

http://aireki2019.com/

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■Profile

瀬戸かほ

瀬戸かほ(映画『愛の小さな歴史 誰でもない恋人たちの風景 vol.1』)1993年生まれ。
2015年に『orange —オレンジ—』で女優デビュー。越川道夫監督が江代充の「黒球」を原作に、仙台短篇映画祭2017のために制作した『黄色い花 一束 二時頃』に出演。その他の主な出演作に『にとっての世界』(17)、『Birds』(17)、『オーロラ・グローリー』(18)、『あの群青の向こうへ』(18)、『神様のいるところ』(19)などがある。音楽×映画プロジェクトMOOSIC LAB2019で公開される最新作『ゆうなぎ』(常間地裕監督作品)では主演を務める。また、モデルとしても数多くの広告、雑誌、PVに出演中。

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