Vol.892 女優 宇野愛海(映画『歩けない僕らは』について)

宇野愛海(映画『歩けない僕らは』)

OKWAVE Stars Vol.892は映画『歩けない僕らは』(2019年11月23日公開)主演の宇野愛海さんへのインタビューをお送りします。

Q 本作の題材についてどう感じましたか。

A宇野愛海理学療法士という仕事を知らなかったので、まずはそれを調べるところからでした。実際に理学療法士の方からお話を伺って、単に仕事として患者さんと向き合うだけではないし、かといって感情移入してもいけない、という難しさを知りました。それを映画としてどう表現するのかが難しいなと感じました。

Q 台本をどう受け止めましたか。

A宇野愛海明確な終わりがある話ではなく、生きるということについて考えさせられる話だと感じました。捉え方によっていろいろな見方ができるとも思いました。

Q 新人理学療法士の遥役をどう受け止めましたか。

A宇野愛海(映画『歩けない僕らは』)宇野愛海実際に1年目の理学療法士さんに内面的なお話を聞かせていただいたことが大きかったです。遥自身は、不器用だけどすごく真っ直ぐに仕事に向き合っています。私としては、向き合いすぎていると心配になるくらいです。すごく素直で、患者である柘植に真正面からぶつかっていくので、私も正面から役にぶつかっていこうと思いました。
私も一つのことに夢中になると周りが見えなくなってしまうところがあるので、そこは遥と似ているなと思いました。

Q 佐藤快磨監督からは役について何か言われていましたか。

A宇野愛海監督とはお芝居というよりも役柄について話し合うことが多かったです。現場に入ってからも私は遠慮せずに質問させていただいて、監督から自分の考えを聞かれて答えると、「じゃあそれで」という感じだったので、芝居では指導をいただく機会はあまりなかったです。

Q 実際の病院での撮影はいかがでしたか。

A宇野愛海脚本が完成する前に栃木県の野木町にある「リハビリテーション花の舎(いえ)病院」でお話を聞かせていただいて、本番も同じ病棟で撮影をしました。実際の理学療法士さんや患者さんの前でお芝居をするので、プレッシャーはすごくありました。ですが、やりやすさもありました。やはり本物の場所だからこその緊張感があって、演じる上ですごく助けになりました。その場で理学療法士さんに指導していただいたり、リハビリをされている様子を参考にさせていただいたので、ありがたかったです。

Q 理学療法士ならではの動きについてはいかがでしたか。

A宇野愛海演じる前は、男性を支えるのは難しそうだと思いましたし、実際にやってみるとやはり最初は単純に体力的に大変だと感じました。それが支える位置などを細かく教えていただくうちにコツが掴めて支えられるようになったので、なるほどなと感じました。

Q 柘植役の落合モトキさんとの芝居はいかがでしたか。

A宇野愛海現場で落合さんとは挨拶くらいで全然話さなかったんです。控え室で対面で座っているんですけど、目を合わせるのも怖いくらいで(笑)。落合さんは遥と柘植の距離感を考えてくださっているのだろうなと思いました。その距離感があったからこそ、いざ芝居になった時には演じやすかったです。

Q 彼氏・翔役とのシーンはいかがでしたか。

A映画『歩けない僕らは』宇野愛海翔役の細川岳さんはとても優しかったです。高校の野球部で出会ったという設定で、撮影に入る前からバッティングセンターに一緒に行かせてもらって、そこで仲良くなれました。撮影は栃木県に泊まり込みで行っていたので、夜ホテルの近くを一緒に散歩してもらったりしてカップル役の空気感を作ることができて、お芝居ではすごく演じやすかったです。共演する場面は多くはないのですが、そういう風に支えてもらえてすごく助かりました。

Q 撮影全般の様子やその他の共演者の方についてお聞かせください。

A映画『歩けない僕らは』宇野愛海先輩役の板橋駿谷さんはとても明るくて、控え室でも現場でもずっと周りを楽しませてくださいました。撮影が始まる直前まで周りを和ませていて、いざ始まると頼れる格好いい先輩役に切り替えるので、それもすごいなと思いました。
今年亡くなった患者役の佐々木すみ江さんとはご一緒したのは短い時間でしたが、とても温かくて、世間話もたくさんさせていただきました。見ていて学ぶところも多かったです。

Q 本作主演を経て、新しい発見などはありましたか。

A宇野愛海完成披露試写会の時はまだ自分の芝居のことが気になってばかりでしたが、観客賞をいただいたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭の時は冷静に観ることができ、生きることについて考えさせられました。
それと、私は栃木県の出身で、地元の友だちには医療系に進む人が多くて、舞台になった病院の説明会に行った人もいて、そこでこの映画と私のことを聞いたから自分も頑張ろうと思った、と聞かされました。個人的にも思い入れのある作品を自分の地元で撮ることができたのも嬉しかったです。そして自分の周りで理学療法士の道に進もうとしている人がいることも知れて嬉しかったです。

Q ご自身の今後の抱負などお聞かせください。

A宇野愛海女優を続けていきたいです。私自身、自主制作の映画を作っていたりもするので、作品の大小に関わらず、一生お芝居を続けていきたいと思います。それこそ、佐々木すみ江さんはとても格好良くてたくさん影響を受けました。

Q 宇野愛海さんからOKWAVEユーザーにメッセージ!

A宇野愛海遥と柘植の関係もそうですが、ひとりひとりの登場人物が濃く描かれています。本当の病院の施設で撮らせていただいたからこそ出ている空気感を私自身感じましたので、そこにも注目して観ていただけたらと思います。

Q宇野愛海さんからOKWAVEユーザーに質問!

宇野愛海理学療法士さんにお話を聞いた時に「歩けるためにリハビリするのではなく、歩けるようになって何をするかが大事だ」と仰っていました。もし、柘植のようにリハビリを受ける立場になった時に、また歩けるようになった時に皆さんだったら何をしたいと思いますか。

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■Information

『歩けない僕らは』

映画『歩けない僕らは』2019年11月23日(土)より新宿K’s cinemaにて公開他全国順次
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭
国内コンペティション部門 短編部門 観客賞受賞作品

宮下遥は、回復期リハビリテーション病院1年目の理学療法士。まだ慣れない仕事に戸惑いつつも、同期の幸子に、彼氏・翔の愚痴などを聞いてもらっては、共に励まし合い頑張っている。担当していたタエが退院し、新しい患者が入院してくる。仕事からの帰宅途中に脳卒中を発症し、左半身が不随になった柘植。遥は初めて入院から退院までを担当することになる。「元の人生には戻れますかね?」と聞く柘植に、何も答えられない遥。日野課長と田口リーダーの指導の元、現実と向き合う日々が始まる。

出演:宇野愛海 落合モトキ
板橋駿谷 堀春菜 細川岳 門田宗大
山中聡 佐々木すみ江

監督・脚本・編集:佐藤快磨
配給・宣伝:SPEAK OF THE DEVIL PICTURES

公式サイト:aruboku.net

©映画『歩けない僕らは』


■Profile

宇野愛海

宇野愛海(映画『歩けない僕らは』)1998年3月19日生まれ。
12歳で女優活動を開始し、岩井俊二プロデュースの連続ドラマ「なぞの転校生」(14/テレビ東京/演出:長澤雅彦)、映画『罪の余白』(15/監督:大塚祐吉)出演を経て、『デスフォレスト恐怖の森3』(15/監督:鳥居康剛)で映画初主演。その他の出演作には『斉木楠生のψ難』(17/監督:福田雄一)、連続ドラマ「先に生まれただけの僕」(17/NTV)など。

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ヘアメイク:山崎惠子